episode:031 ささやかな、願いさえ…
碧様その3 後味が悪いです。
…そしてその日が来た…
episode:031 ささやかな、願いさえ…
私が、高学年に上がり雫さんがまだ小学五年生になった頃に彼女…虹村 莉梨花が転校してきた…彼女は、私の婚約者、白崎 清に良くまとわりついていた。…私と彼は親同士が決めた婚約者である。
…噂によれば、私と小学部からの友人である椿様の婚約者にもまとわりついているとの話だった…。私達以外にも他の方が注意しても、彼女はいつもいる誰かの影に隠されて怯え、涙を流しては注意した人に理不尽にも怒るとの事だった…此には呆れてしまうが、彼の為にも私は今日も話すが…
「そんな…私…そんなつもりじゃ…」
「だから虹村さん、余りそういう事をしては貴女の評判まで落としてしまうの…」
…今日は虹村さんが黄院様に抱きついて黄院様がそんな虹村さんの頬にキスをしたと言って、白崎様と言い争っていたという…これで何度目だろう?
…そして
「おい!また莉梨花に難癖をつけているのか」
これである…私は、説明をしては注意するけれど彼は聞く耳を持たずに、虹村さんの肩を抱いて、
「…お前はそんなに莉梨花が気に入らないのか…」
「ですから、そうでは…」
「はぁ…行くぞ…こんな女に関わるな…」
「でも…きよ君…」
そして、彼は彼女を連れて踵を返した…一瞬、虹村さんが笑った気がした…。
…この時は、まだ私はまた同じかと思い教室に戻った…そして、私が二年生になった頃に
「え…雫さんが?」
「そうなの…何とか私が解散させたのだけれど…あの人達、聞く耳を持たなかったわ…」
学園のカフェで私は椿様と話をしていた…。そして雫さんの一連の話を聞いて、私は驚いた。
ー…今日、蒼宮家に行って雫さんの好きなプリンを買いましょう…会えないなら、侍女の方に頼んで預けて…ー
「そうだわ。碧様、今日は空いてらして?もしよければ…」
「ごめんなさい、椿様…今日は用事が…」
「分かりましたわ…では、また今度…」
…そして、私は授業を終えて父に電話で蒼宮家に行くことを伝えると…
「碧、今日は帰って来い…話がある。」
「……分かりました…」
…父に逆らえば、二度と蒼宮家に行けないことは分かるために私は直ぐに家に着いた…。そして、何故か私は着物を着せられていた…。お母様から貰った、京染の正絹の鮮やかな緑の着物だった…そして、父のいる、書斎に行くと…そこには白崎様がいらっしゃり何やら白崎様が怒った様子で私に向かって行った…
「…そんなに莉梨花が目障りか!この女狐!」
…私は、訳が分からずに父を見ると父は
「…話は、清さんに聞いたよ…随分とお前は私の顔に泥を塗りたいようだな…」
「待っ…待って下さい…!どういう…!」
「とぼけるな!お前が莉梨花を傷つけたのは知っているんだ!」
……まるで、意味が分からない…私は呆然と彼の言葉を聞いた…聞くところによると私が、彼女を傷つけたという話だった…だけど私はその時間は、椿様と一緒に放課後で話をしていた…私は、身の潔白を証明するために彼らに言うが…信じて貰えず…
「もういい。お前には懲り懲りだ!…婚約を破棄させて貰う!」
「…そうしたまえ…ま、そういう事だ。碧…彼の家は別に問題はない。茶山家がお前の犯した罪の贖罪として援助する事になったからな…。」
……そして、白崎様はそのまま父だけに挨拶をして私に振り向きもせずに部屋を出た…そして、父は私を学園から辞めさせる手続きをとったと言って…黒いスーツを着た男達に私を…何処かに連れて行くように指示し…
「嫌っ……!お願いです!!お父様!!話を聞いてください……!!」
「ふん…お前の話なんて、聞く必要ない…目障りだから早く目の前から消えろ……連れていけ…」
そして、私は父の顔を見ると…
…心底冷たい目をして、私を嗤いながら見ていた…
私は、もう二度と蒼宮家の人や椿様に逢えないことを悟りそのまま抵抗をやめて、
…父は、別に理由なんて関係なく私を追い出したかったんだ…
私は、其処まで父にとって邪魔な存在なのかと絶望した…。父はきっと、きっかけがあれば私を排除してあの愛人との子供を跡取りにする予定だったんだ…母や私は、父にとってはタダの家の繋がりの為の道具でしかなった…
私は、何処へとも知れない場所に母の形見の着物と共に連れて行かれた…
そして、椿様が言っていた第四章の展開に行くわけです。…抹蔵は、ぶっちゃけ碧の母親や碧の事をタダの道具程度しか思っておらず愛人の事は男の子を産んだために二人を厄介払いしようとしたところに母親が亡くなり後はいらない碧を難癖つけて追い出しました……随分非道かつ外道な男です。え?白崎?アイツはただの救いようのないおバカさんです。
そして、まだまだ碧様視点!!




