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乙ゲーと思ったらロボアニメでした。  作者: 小宮 海
第五章 虹乃華学園編
137/220

episode:109 宿敵

二回も出逢っている二人が、遂に初の戦闘

…あの日のことは嫌でも思い出してしまう…


 episode:109 宿敵


 …何も出来なくて、逃げるしかなかった…

 …大切な友達を、犠牲にしてしまった…

 …力が無くて、戦うことも出来なかった…

 

 私は、目の前の死神に全力でハルバートを繰り出す…

「もう一度……!言います…!ユエちゃん達を、何処に連れて行ったんですか!!」

「……またそれか…やれやれ、お嬢ちゃんは本当にお友達が大好きなんだなぁ……」

…だけど、目の前の機体に私のハルバートは、鎌によって軽くいなされるだけ……

ー…まるで…遊ばれている……ー

…私の攻撃は、ルエストにとっては大して驚異にはならない……それが、凄く悔しい…

「シズクッ!!頭を冷やせ!……熱くなるな!」

コウヤさんも、私に近付いて来ようとしてくれますが先程の二体に足止めをされています…

「……皆の居場所を…聞かないと…!」


「…シズク?……もしかして、蒼宮 雫さん?」


…お姉様の声が聞こえました…だけど、今の私は目の前の敵しか見えていません……


「……なるほど…筋は良いが…」

いきなり、鎌がハルバートを押しのけるようにひっくり返し……


「やっぱり、まだガキだな……弱すぎる……」

そして、ハルバートを持つ手を空いた片方の手で持ち、

「……っ!?」

腹部を思いっきり蹴られ、私はその勢いでかなり吹き飛ばされました……

「く……」

何とか持ちこたえようと足を地面につけましたが、威力が強かったのかその拍子でうつぶせになって倒れましたが、何とか起き上がろうと動かすと……

「……きゃあっ!!」

「…ま、こんなもんだろ……」

私は、後ろから起き上がれないように彼に足で踏まれました……。

「……シズク!……なっ!?」

コウヤさんが、二体を退けて私に向かって来てくれますが……

「……ここから、先は行かせませんわ。」

碧お姉様が、薙刀を持ちコウヤさんの前に来られました……


「くっ……この……」

「さて、案外呆気なかったな。」

……私は、身動きが取れない今の状況をどう打破するか、考えますが……


 ー…ダメだ…思いつかない……ー


「さて、ガキ。てめぇ名前は?」

「……………」

「……この状況で言わないか…大したもんだ…だが……今、誰が有利か、分からねぇ訳じゃないんだろ?」

「……シズク…」

「……現状は理解できるか…なるほど……」


 ……ルエストの有利な方向に、向いていたことを理解しました……

ルエスト、完全に余裕で遊んでいます。こういう奴です。……果たして、シズクの運命は。では。


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