episode:108 闇、来たる
今回もお久しぶりの方が登場しますよ
前半、残酷描写あります。
…この情景には、言葉が出ません…
episode:108 闇、来たる
…茶山様がいた手の中には…既にいなくなりました…しかし、碧お姉様が握ったままです…夜で見えないのに、月明かりで……
……漆黒の機体に…赤い液体や、それ以外のモノが所々掛かっていました…そして、
「ははは…あはは…あははははは…!!」
…その場に相応しくない…笑い声が響きました…
「…なんて…事を……」
「…ぐっ…」
コウヤさんの呆然とした声と、何かが込み上げて来るモノを押し留めるのに必死な私の呻き声が響きます……そして…
「さて、気が済んだか?ミドリ…」
「はい…ですが、すみません…せっかく頂いたお召し物を汚してしまいましたわ…」
……この声は…まさか…
「洗えば取れる……さて、それじゃ…」
「はい、私の我が儘を聞いて下さりありがとうございます…」
……聞き間違えるはずもない、あの声は…
「……ルエスト様…」
私は、目の前にいる機体をかわすと…真っ先に隣にいる機体に向かい…先程拾ったばかりのハルバートを振り上げます…
しかし、ナイフで受け止められます…
「おっと…初めての『無国籍』の機体だな?…報告では見たが…なるほど…」
「…………ト…!!」
「あぁ…?」
「どなたですか?いきなり……」
「よせっ!早まるな!!」
「ルエストッ………シュヴァルツゥゥゥゥ!!!」
私は、今まで一度も出したことのない声を出した気がするけど、関係ない…だって…
「あぁ…あの時の二回取り損なったガキか…久しぶりだな?」
「お知り合い…ですか…?……でも聞いたことのある…」
…ルエストは、私の攻撃をナイフで受けとめ軽くいなしました……
「……何処に…ユエちゃん達を何処に!!」
「はっ…ユエちゃんユエちゃんと……飽きねぇな?てめぇは……よっ!!……ミドリ、手を出すなよ?…俺のお楽しみがまさかこんな極東にいるとは…ツいてるな…」
ルエストが、今度は鎌を使い私に向かいます…しかし、受け止めました…そして…
…だって…!あの日私達を襲った死に神が目の前にいるのだから!!
「てめぇもそう思うだろ?なぁ!?ガキッ!!」
「ルエスト・シュヴァルツ!!」
…そして、鎌とハルバートの打ち合いが始まった…
シズクの宿敵、ルエストが再登場しました。この章でやりたかったことです!さて、戦いは如何に。
それでは




