episode:019 破滅のマーチ
今回は紅条様視点。…遂に悪役令嬢物の定番が来ます
…此処まで長かった…
episode:019 破滅のマーチ
私は、今目の前の男子達と教諭、そして…
ー…今回の元凶である女子生徒がいる…。…ー
彼等は、訝しげに私を見る。けれど私は彼らを見据える……思えば、何故私は今までこうしなかったんだろう。もし、速くやっていれば二人も犠牲にならなくて済んだのに……後悔をしても、仕方ないけれど……だけど、そのために私は残った二人を助け出せた………。
「おい椿。今まで莉梨花に対しての非道な数々を俺達は知っている。白状するんだな。」
…テンプレね…馬鹿馬鹿しい。
「さて、貴女が庇っている二人も証拠があるんです。」
…神童と呼ばれた男が嘆かわしい…
「ホント~に、アンタって性格悪~い」
…貴男もたいがい悪いわよ?
「…さぁ、早く言うんだ」
…私が、何の罪で?…
「君は、同じ学園の生徒を苛めて恥ずかしいと思わないのか?」
…先生も、恥ずかしいと思わないのかしら?
「紅条さん、皆こう言ってるわ。私はもう許しているから罪を認めて?お願い…。」
…それ、断罪されている紅条 椿の対しての台詞そのものよね?…なら、貴女に付き合ってあげましょうか…。
私は、髪を払い不敵な笑みを浮かべる…。
「さぁ?身に覚えがないわね?人違いじゃないかしら?」
…愚かな男共が怒りに喚く…女は口に笑みを浮かべる…ま、台詞通りにいってるからね。さて、
「椿!!お前!!……まぁ良い!!お前とは今日まで婚約者だったが今此処で破棄する!!」
「そんな…厚君…!」
確か、紅条 椿はここでヒロインに罵詈雑言を浴びせて、赤皇 厚に冷たい目を向けられるのよね?
……此処までわざわざ演じて挙げたし、もう良いわよね?面倒臭いし…。私は、元婚約者に向かい
「その必要はないわよ?だって………」
私は、彼に向かって言い放つ…
「私から、赤皇家に破棄するように頼んだもの。…私が、理由を言ったら小父様は可哀想なくらい謝っていたわ。…バカな息子のせいで申し訳なかったって。…あぁ、大丈夫よ。貴方の家の方はある条件を出したら、小父様が了承してくれたわ?ちゃんと私の家は貴方の家を支援するから安心して。」
元婚約者は、唖然としていた…ま、後で話すとして私は、彼女達を手を打って呼んだ。…彼女達は私の合図に来てくれた…。燈樹さんは証拠を灰沢先生はカメラを持って……あぁ、黒瀬先生と黄院君が顔を余計険しくしたわ?ま、これで役者は揃った。
……そこで唖然としている、ヒロインさん?今度は貴女の断罪を始めましょう?覚悟は良くて?其処でポカンとしているけれど…さて、いきますか。
「…何のつもりだ…紅条…響…」
「…ちょっと…なんで、梓がいるのさ…」
二人は、数日前にあった婚約者に疑われて悲しみ、苦しんで、後一歩で絶望していたときの表情はしていない。……ただ、強い決意と真っ直ぐな瞳をしていた……。燈樹さんと灰沢先生は二人に一瞥もくれずに、彼女に言った…。
「まず、紅条 椿様が貴女にしたことを話します。…貴女は紅条様に階段から突き飛ばされたり、誘拐をされそうになって言いましたね。」
「……それは…」
「次に灰沢先生からは体育館倉庫に閉じ込められたり、殴られたと言いましたね。」
「……おい!…莉梨花の傷を抉るな!」
「ちょっと、何なのあんた達…」
「…続けて、燈樹さん」
「分かりました。…次に茶山 碧様には靴箱の嫌がらせや白崎様に近づくなと脅されて、カッターで腕を切られたと…」
「……貴方達…彼女をまだ虐めるのですか…」
「こんなに彼女を追い詰めて…恥ずかしくないのか!?」
「次は私、燈樹 梓に貴女はトイレで水を掛けられた挙げ句に、友達を使って体操服や教科書を引き裂かれて、髪を切られそうになった…」
「……いい加減にしろ!」
「…これで、最後ね。燈樹さん言って」
「最後に、蒼宮 雫さん。彼女には男達に貴女を襲わせるように仕向けさせた……。以上です。」
…私達は今、体育館ホールの前で全校生徒がいる目の前で彼等に上がらせられている。…このシナリオは、雫を覗くと逆ハレームルートの最終メインシナリオだ。……つまり、生徒会が定期的に行う行事に見せしめとして…そして次は灰沢先生が持っているビデオを先生に写して貰った。
因みに、このビデオは学園の至る所に設置されており小さくて見えない物もあり、学園の365日24時間が分かる。…彼女の事を写しているビデオは、私達だけでやるつもりだったのだが、私達の味方である人達のお蔭で短縮できた。
…紙に書いてある無実を示す証拠も別の味方の子達のお蔭だった。…彼女達には勿論お礼をした。…本当に助かった。そして、今日の事を伝えている。……味方には先生達や、雫の友達もいた…。
……感謝しても仕切れない…理事長先生にも……
そして、灰沢先生が映し出した映像が、流れた…。
…この事を知らないものも、知っていたものも、驚かずにはいられなかった…。
そして、ビデオに写っていたものは…




