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全部同じクラスって、これなんて罰ゲーム?

満開の桜の下、優樹と並んで見上げたクラス発表の掲示板。

 名前の羅列を目で追いながら、これは去年とどっちがマシなんだろうと思いながら、私は軽く石化していた……ような気がする。


「おぉ~、八年目にして漸く腐れ縁が外れたか、しかし、鳴木に一条に、鷲尾、平田、こりゃ凄いね、紗綾」

 同じボードを見つめて呆れたように言う優樹に

「カオスだ、考えただけでも頭が痛い」

 何とか言葉は返しつつも、私のの頭はグルグルしていた。


 塾での喧嘩相手の鳴木に、顔を合わせるたびにキツい視線で喧嘩を売るような台詞を私にぶつける一条、戸田はいなくなったけれど、戸田と一緒になって私の机を囲んではなんだかんだと云ってくる鷲尾と平田。

「……全部同じクラスって、これなんて罰ゲーム?」

「まぁまぁ、今回は私も同じクラスだし、お? 手塚さんも居るよ」

「そうだね、それだけが救いというか、それを支えに生きて行くよ……」

 がっくり肩を落として呟くとパンッと肩を叩かれ、振り向くと香織が居た


「あ~、おはよ」

「おっはよ~! 同じクラスになったね~、なにげに紗綾と同じクラスって初めてだよ! 日比谷さんも一緒なんだね、よく紗綾から話を聞いているよ、宜しくね!」

「優樹でいいよ、私も香織って呼んででいいかな? 紗綾から話はよく聞いているから、何だか昔から知っているような気がしていてね」

 声をかけてきた香織に優樹はくすりと笑ってそんな事を言うのに

「了解、優樹! ととっ、ちょっとあっちのみんなにも挨拶してこないと、じゃ、また」

 ぱっと快活な笑顔を見せて挨拶を済ませると、ダッシュで反対方向にいる彼女に似合いの華やかな集団に駆け込んでいく香織。

「相変わらず、賑やかだねぇ彼女は」

 その後ろ姿を見て、面白そうにそんな事を言った優樹は、まだ軽く固まったままの私に苦笑して

「ま、多少カオスだけど、同じクラスにあの顔の広い彼女が居れば去年みたいな事にはならないさ、一応私も居るしね? だから、そろそろ石化を解いてクラスに行こう」

 そう言って、新しい教室へとまだ若干固まり気味の私を引きずっていったのだった。

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