表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紗綾 ~君と歩く季節~   作者: 萌葱
三年生 二学期~
101/117

良かった着物直してもらったんだな

いつも読んで頂きありがとうございます。

そんな中、心苦しいのですが、少し構成に手を入れる必要がありここで一度更新をストップとさせて頂きます。


期間は二週間~一月の予定で居ます。

詳しくは後書きをご確認下さい。

 渡り廊下の突き当たりのドアを開くと、そこは外からは想像もつかないガラス張りのテラスになっており、中央のテーブルに色々なケーキが並んで、その横にお茶のセットが並んでいる。

 ところどころにテーブルと椅子があってくつろいで話せるようになっており、個人宅でこのような部屋になっていることに驚いた。

 広いテラスに思い思いくつろぐ人に、孫の恩人ですと軽い紹介してくれて、中央のテーブルへ案内して下さり

「好きな物を取って楽しんで欲しい、そちらの一角なら皆さん座れるだろう」

 そう差して下さる先には、丁度八人分の席があり、先ほどのご両親が準備してくれたのかなと思う。


 皆がケーキを楽しげに選んでいるので、私はお茶だけいただいて、席に座って一息つくと、たけるくんのお祖母さんがすっと隣に立った

「ケーキはいいのかしら?」

 不思議そうに私の前に紅茶しかないのを聞かれて

「ごめんなさい、甘いモノが苦手で……でも、とても美味しい紅茶です」

 飲んでいた紅茶を少し上げてみせると、驚いたような顔をしたけれど、気を取り直すように

「あのね、ちょっと一緖に来てくださるかしら?」

 小さく手招きされるまま、後ろを付いていく。

 すると、途中の小部屋へと案内されて

「少し、着物が崩れてしまっているようだから直してもいいかしら?」

 言われて、お願いしますと答えながら、視線の先をたどると確かに着物には皺が寄ってしまっている。


「私、どうも動きが大雑把みたいで……」

 恥ずかしさに、少し顔が熱くなるのを感じていると

「孫に視線を合わすのにしゃがんでくださったと聞いたわ、私も良くあの子と顔を合わすのにしゃがむとこうなってしまうの」

 そういって、着物の色々なところを少しずつ引っ張ったりしていき

「これでいいわ」

 満足げな声音に、視線を下ろしてみればママに着付けて貰ってすぐの時のようにシワが消えてピンとなった着物に驚いて、ありがとうございますと頭を下げた。



「私は、ちょっと行かなければいけないところがあるのだけれど、一人で戻れるかしら?」

 そんな私に優しい笑みを浮かべながら、何かを思いついたようにそう尋ねられて、大丈夫ですと答えると入って来たときとは違う扉から外に出て行くのに、私も元の扉から外に出ると

「良かった着物直してもらったんだな」

 何故か廊下に一条が立っていた。


「よく判るね?」

「しゃがみ込んだ時に、まずいかなと思ったんだ、だが、あの場合仕方ないしな? 直してもらえたなら何よりだ、しかし、おまえときたら……」

 呆れたように一条がくすりと笑うけれど

「ここって一条と伊達くんのお父さんのお知り合いの家なんだよね? かなり偉い人みたいなんだけど、迷惑掛けちゃわないかな?」

 それよりも、折角二人きりならばさっき黒田とこっそりしていた心配を聞いてみようと思った

「結構大きい総合商社の会長をしている人なんだ、例の会の会長でもある……が、別におかしなことをしている訳じゃないし、余計な心配はしないで良い」

 すると、いつもの冷静さできっぱりとそう言ってくれるのには安心したけれど

「それよりケーキも旨そうだぞ? 堪能していけばどうだ?」

「知ってるくせに……」

 可愛くない一言を加えるのに軽く睨むと、今度は含み無く楽しげに笑って、皆がいるテラスに続くドアを開けてくれた。


 席に戻ると、皆が幸せそうな顔でケーキを食べていて……甘いものは苦手だけれど、こんな風に幸せそうな顔をしている姿が見れるのならば、招待を受けて良かったのかなと思う。

 すると、すっと、給仕の人が来て、宜しければこちらも……とサンドウィッチをテーブルに置いてくれた。

 正直結構お腹が空いていたので、ありがとうございますとお礼を言えば優雅にお辞儀をして、ごゆっくりどうぞといってすっと下がり

「お前向きだな……」

 一条が呟くのに、もしかしてと、お祖母さんの姿を探すとこちらを見てニッコリと笑っていて……感謝の気持ちを込めて深く頭を下げた。


 お茶を御馳走になって、夕飯もというのを流石に固辞して帰路についた。

「子供届けて終わりって思ってたんだがな?」

「こんな事になるなんて思わなかったんだよ……」

「そりゃ判ってるが……今後もお前と居る限りこんな事になるってことか?」

「それは、私も勘弁して欲しい……」

 帰りの電車で隣に座る黒田と、そんな話をぼそぼそとしていたら

 反対側の松くんがくすくす笑っていて……

「一日がかりになっちゃった、疲れちゃったよね?」

 ごめんねって言ったら、ううん、と首を振って

「楽しかったよ……だけど、紗綾との高校生活は覚悟が要りそうね?」

 そう悪戯っぽい表情かおをした松くんに、流石にそんな事無いよ、とは答える事は出来なかった。

ここで初詣編が終わり、三学期編へと続きます。


ですが、先日から三学期編のお話の構成を確認していたところ、既に下書きが出来ている分と今回の終わりの間にエピソードが足りない事に気がつきました。


土日で何とか埋めようとしたのですが、三本ほど書き足したい所があるのと、4/1より暫くPC前には居られなくなりそうな事情もあり、申し訳ないのですが、一時更新ストップとさせて頂く事に決めました。


取り敢えず、少なくとも一週間は新作を手がける時間が無い為、早ければ二週間、上手く書き上がらなければ申し訳ないのですが一月、時間を下さい。

おおよそのエピソードは脳裏にはあるのでその時間内で恐らくは形に出来ると思っています。


少しお待たせしてしまう事にはなりますが、ラストに向けて残り一学期分丁寧に描いていきたいと思っています。


ここまで続いてきた紗綾の物語、残り少なくはなりましたが最後までお付き合い頂けましたら本当に嬉しいです。

宜しくお願い致します。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=623019519&size=88
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ