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dark eyes
「おじいちゃん!」
「そんなに急いでどうしたんだい。」
「またお話して?僕、毎日毎日おじいちゃんの話が楽しみなんだ!」
「そうか…ならしょうがない。」
「やったー!!今日は何のお話ー?」
「そうだな…今からするお話は、お前とこのわしだけの秘密じゃ。それが守れるのなら、お話をしてやろう。」
「わぁ…うん!わかった!僕とおじいちゃんだけの秘密!」
「お前は本当にいい子じゃ…さぁ、じいの膝の上に座りなさい」
昔々、大昔のことだ。
どこまでも続く草原
静かで美しいこの地には、かつて世界一の国があったという。
勢力を広げ、瞬く間に国は栄え
その栄光は瞬く間に消えた。
数々の伝説が残るこの地だが
今日は、そんな時代を生きたある若者達の話をしよう。
しかし今日限り。
もう決して語り継がれることはないだろう。
悲しい、悲しい愛の物語を。