夏の過ごし方。1
文月 二十五日
今は夏。だいぶん暑くなって参りました。
私は毎年、この暑さが嫌いなのです。でも、葉月の終わりになりますと暑さも半減して参ります。
もう少しの我慢です。
文月 二十七日
今日は、お姉さまから手紙が届きました。
私は嬉しくて、直ぐに見ました。すると、二日後にお姉さまの屋敷にご招待を受けました。
もしかすると「女子会」なるものでしょうか?私は今、巷で流行の菓子を持って行く事に致します。勿論、咲さんもご招待を受けられておられるでしょう。咲さん、どのような物をお持ちになられるのかしら?咲さんには負けたくないですわ。
文月 二十九日
今日、お姉さまのお屋敷に行って来ました。
お姉さまは、この世界の暑さに耐えられないご様子。
そして、「プール」なる物を御作りになられたいとか。私はプールはどのような物か分かりませんが、そのプールでお姉さまが暑さを乗り切れるのなら私は協力を惜しみませんわ。
そして、最初は咲さんのお屋敷に参りました。さすが、康紀さまは大貴族の方ですわ。
お庭が立派で池も大きくて見事なものでした。でも、お姉さまのお考えのプールは康紀さまの池では大き過ぎるらしいのです。だから友親さまの庭の池を見に来られました。
そして、友親さまの庭の池がお姉さまの思いに適していたようで友親さまの池に決まりました。
この時、私は康紀さまのお庭でなくて良かったと思いましたの。だって・・・・・
ただ、友親さまのお許しが要ります。私と咲さんがお姉さまに協力して友親さまから良い返事を頂きました。数日後に大変な工事をなさるようです。
私も今からプールなる物がどのような物なのか楽しみにしております。
それにしても!友親さまったら「美しい牡丹の花」って咲さんの事なのですか!!