お姉さま。
文月 七日
今日は、七夕さまです。
私は、小さき頃に七夕の日にお願い事をしたことを思いだしました。
「私の好きな殿方と結ばれますように」と思ったのは何時の頃だったのでょう。
そして、今、私の願いは叶いました。
今はとても幸せでございます。あの、友親さまの北の方になれたのですから。
今夜は良く星が見えますように・・・・
文月 十二日
今頃、お姉さまは如何お過ごしになられているのでしょうか?
鷹明さまと仲よくなさっておいででしょうか?
私、思いますの。鷹明さまは、お姉さまの事を好いておいでなのでは?と。
お姉さまは月の方。鷹明さまは宮中でも名が知れた方。きっと、仏様が引き逢わされた方々だと思います。いいえ!きっと、そうなのです。私は「許されない恋」だと思います。
でも、鷹明さまには是非、頑張って頂きたいですわ。
文月 二十日
今日、友親さまの気分が優れないとか。何があったのでしょうか?
心配しております。
文月 二十一日
昨日の友親さまは別人のようでございました。私、少し怖く思いました。
友親さまがお帰りになられてから私は思いきって昨日の事を聞いてみました。
凛さま。お姉さまの事だったのです。
友親さまがおっしゃるのには、お姉さまはこの世界の方では無いような気がしてならない。
だから、それを鷹明さまや康紀さまに聞いていたのです。
そんなこと、決まっています。お姉さまは「月から降臨されたお姫様」なのですから。
今更、何を仰っているのですか!友親さまは!!
だから、私は「友親さま。お姉さまは月の方ですわ!」と。
すると友親さまも「俺もそう、思っていたのだ。」と。
だから、わたくしは「お姉さまを私達が守るのですわ。」と言いました。
友親さまは真剣なお顔で頷かれておられましたの。
さすが、私の愛するお方ですわ。
友親さま。私と一緒に、お姉さまを御守り致しましょう!!