友親さまが・・・
水無月 二日
今日、友親さまが鷹明さまのお屋敷でお姉さまの何かの練習に立ち会われるそうで行かれました。
友親さまは何故か楽しそう。私は気になって、気になって。だから聞いてしまいました。
そして、最近、お姉さまは「お姫様教育」を始められたそうなのです。
でも、お姉さまは月のお姫様なのに何故?また、そのような事を始められたのでしょうか?
そして、お姉さまの「お歌」は中々のものだと友親は仰っておられました。
いったい、どのようなお歌をお読みになられるのか聞いてみたいと思います。
きっと、綺麗なお歌に違いありません。もし、機会があればの話しでございますが。
水無月 十日
私も今、歌の勉強を致しております。
だけど、上手く出来ないのです。一度、お姉さまに手ほどきをお願いしたく思います。
水無月 十二日
この前からずっと雨が降っています。
友親さまのお仕事は今は忙しく無いようで毎日のように屋敷におられます。
私はこの時とばかり友親さまにお姉さまの事を聞こうと思い「お姉さまは、いつも鷹明さまとどのようにお過ごしなのでしょうか?」とお聞きすると、友親さまは怒ったようなお声で「俺は知らん!」と仰るのです。私は友親さまが何故、お怒りになっておられるのか分かりません。
私は悲しいですわ。そして、恥ずかしい事なのですが、私は泣いてしまいました。
友親さまは驚かれて。私に「楓。俺は怒ってなどいない。おまえが・・・いつも凛殿の事ばかり言うから腹が立ったのだ。」と仰るではありませんか!これって「嫉妬」ですよね!
そんな友親さまが、少し可愛いと思います。すみません。友親さま。
しかし、嬉しいです。でも、本当は私も時々、友親さまに嫉妬しているのです。
だって、友親さまは麗しい方でお優しくて、全てがステキなんですもの。
宮中の女房様のお目に叶っている方ですもの。私だけの友親さまでいて下さいませ。
これは、お惚気なのでしょうか?