私の立場。
皐月 二十日
私は今日、友親さまとご一緒に康紀さまのお屋敷に伺いました。
咲子さまはお元気で過ごされていた様子。咲子さまは私を見て、凄い笑顔で出迎えて頂きました。
康紀さまと咲子さまを見ていますと本当に仲が御宜しくって!
何年か前の康紀さまと咲子さまの事で協力させて頂いた事が昨日のようです。
本当になんてステキなお2二人なのでしょう!咲子さまはとてもお美しいのです。私はこのような美しい方を見るのは初めて。康紀さまも見栄え麗しい殿方。
でも、私の友親さまには勝てませんけど。私も咲子さまのように美しく生まれたかったですわ。
その事を友親さまに話しました。友親さまは「何を言うかと思えば。俺は楓のほうが美しいと思うぞ。」と。まぁ!イヤですわ~~~!そのような事を仰って。恥ずかしいではありませんか!
だから、私も「康紀さまより友親さまのほうがステキですの!」と。
すると・・・フフフ・・・・優しく・・・・・これ以上は書く事ができません。
皐月 三十一日
咲子さまからの使いの者が私に手紙を持って来ました。
何だろうと開いてみたら、まぁ~~~!!お姉さまと咲子さまでお菓子でも食べながらお話しをする催しをするそうなんです。わたしは嬉しくって心待ちにしております。
水無月 五日
私が心待ちしていた日が来ました。
私は友親さまに送って頂きましたの。お姉さまのお屋敷にです。
もう、咲子さまは着ておいででした。私が最後。でも、お姉さまも咲子さまも笑顔で出迎えて頂きました。私、とても嬉しいかったです。
美味しい菓子とお茶を頂いて楽しくお話しをしていました。
すると、お姉さまが「女子会」と仰いました。女子会?ってどのようなものなのかは分かりませんでしたが、お姉さまは「このように気の合う友達と楽しくお話しをしたり、お茶お菓子を頂く事」だと教えて頂きました。
それにしても、咲子さまはあまりお話にはなりません。私とお姉さまの会話を笑顔で聞いておられるだけ。確かに、咲子さまはあの権大納言様のただ、お一人のお嬢様。それに、大納言様がお隠しになられていた程のお姫様。私がお目に掛かれないほどの高貴なお方。私の話しが下等なのでしょうか?
私は咲子さまが何を考えられているのか分かりません。
お姉さまは月のお姫様。咲子さまも高貴なお姫様。
私はただの貴族の娘。これから、どのようにお付き合いをしたらよいのでしょう?