嬉しい出来事ですの。
神無月 三日
お姉さまの御病気が治られました。
それが、変な治り方なので御座います。
私と咲さんがお姉さまの所へご様子を伺いに行った時で御座いました。
お姉さまは萩殿に声を掛けに行かれた時、廊下で転ばれました。
そして、気を失われて・・・私達はそのまま帰りましたが、私はお姉さまの事を凄く心配を致しておりました。
私に桐家からの吉報が届いたのは二日後。
それは、お姉さまの御病気が治った事でした。
私はもう、嬉しくて直ぐにでも、お姉さまのご様子を見に行きたかったので御座いますが友親さまは「今は止めたほうが良いぞ。楓。」と仰るものですから私は諦めました。
その後、咲さんと様子伺いに参ったので御座います。
それはもう、何時ものお姉さまで御座いました。
私は一安心いたしてので御座います。
そして、お姉さまは前に言われていた「観月会」を催される事になったのです。
お姉さまの御病気が治られた事もあり「御祝い」としてだと思っています。
本当に、観月会が楽しみなのです。
早く、お姉さまにお会いしたく思います。
神無月 十日
今日は待ちに待った観月会。
私は朝から浮かれています。友親さまは・・・「楓、凛殿に出会える事がそんなに嬉しいか?俺は嫉妬する。」と。キャー!いやですわ~~~!もう、友親さまったらぁ~~。
私だけの友親さまですのよ。御心配無く。
そして、今日は天気も良くて今宵は良き月でしょうね。
やっと、日が落ちました。
私と友親さまは咲さんのお屋敷に伺いました。もう、お姉さまは来ておられます。
勿論、鷹明さまも御一緒。でも、鷹明さま。お姉さまの傍をお離れになられないのです。
それ程、お姉さまに恋焦がれていらっしゃる事が良く分かりましたわ。
そして、私は見ましたの。あの、鷹明様がお姉さまの耳元で何かを話されておられている。
それに対して、お姉さまもホンノリお顔を赤くされて。
鷹明様!何を仰ったのですか?あのような・・お姉さまを初めて見たような気が致します。
そして、私は月を眺められているお姉さまを見てゾッと致しました。
だって、お姉さまは月を恋しがられているように見えましたものですから。
でも、お姉さまの世界はあの月で御座いますのも。やはり恋しいですわよね。
私、同情致します。そして、お姉さまが月を恋しがらないように私がして上げなくては!
これも、私の務め。
鷹明さま。早くお姉さまと御夫婦になって下さいませ。
私が言うのも何ですが、鷹明さま。男でございましょう!
友親さまのように男らしくなさって下さいませ。
本当に・・・・じれったいですわ!!




