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王妃様の苦悩  作者: 睦月
10/15

第10話

しばらく更新せず、すみませんでしたぁ!!


さ、最終話です。


先に謝ります!!ご納得いただけない作品ですみません!!!

「キャロル様!!」


よく通る声で私の姿を見るなり大声で呼び止める男。


「・・・・今度は何!?やっともらえた休みでしょう!?」


「いいですか!?必ず本日の夕方までには戻って下さいよ!?」


久しぶりにもらえた1日休み。朝早くから私はとある場所に出掛ける為にわくわくしているところ、この男に捕まった。感情が素直に出る事はとても好感が持てるのだが、幾分素直に出しすぎてこの様に多々口うるさくなるのはちょっと頂けない。


「わかっているわ。心配しなくてもちゃんと夕方には戻ってくるわ。それに私が行くところはすぐそこなのだからそんなに心配しなくても大丈夫よ」


そういうと、目の前の男はしぶしぶ私の言葉に頷き私を見送った。


「まったく・・・・」


肩で溜息をつきながら、私は馬車に乗り込み目的地まで目指す。

先程も言ったが、場所はすぐ近くだ。

しかし、郊外に立っている為とても静かで綺麗な場所だ。


「・・・・大分ご無沙汰をしてしまったけれど、元気にしているかしら?」


ふと、昔を懐かしむように場所の外を眺める。

流れる景色と同じように昔の思い出が走馬灯のように蘇った。

しかし、思い出に浸る間もなく馬車は目的の場所に到着した様だ。

扉が開かれ、私は馬車を降りると、そこには私の到着をまっていた目的の人物の姿が見えた。


「キャロル!!久しぶり!!元気にしてた!?」


腕に抱える小さな赤ちゃんとともに出迎えてくれた彼女に私はとびきりの笑顔で微笑んだ。


「えぇ!もちろん。忙しくて中々これなかったけれど、コーラルも元気そうで何よりだわ!それに、リーガルもね!」


つんと、コーラルの抱える赤ん坊の頬をつつくと、赤ん坊はにっこりと笑った。


「さぁ、こんな所で立ち話もなんですから、屋敷へどうぞ?現王妃兼宰相様?」


にっこりとそういうと身を引いて入り口に先導してくれた。


「あら、ありがとう。前王妃様?」


私たちは2人して顔を見合わせるとくすくすと笑った。







****************************












あの後・・・・・・。


私は宰相の言うとおり別の部屋へ移されたかと思うと1週間もしないうちに王妃をやめさせられた。

もちろん、王子とも離縁する事となった。

そして、身元引受人として公爵家が私を引き取った。公爵家からはコーラル様のおっしゃった通り私を養女にとおっしゃって下さったのだが、さすがに、養女は私から断った。これ以上公爵家に迷惑をかけるわけにはいかなかったから・・・・。

その事で、後々コーラル様に散々怒られてしまったのだけれど・・・。


そして私が侍女として公爵家で働きその仕事になれる頃に、コーラル様は王妃となった。

もちろん、私が城を出ていった後に色々と問題となったみたいだが、そこはなんとあの王子が頑張ったらしく、コーラル様を王妃として迎えたというのだ。

・・・やれば出来るならなぜ、私の時に頑張らなかった!!!(まぁ、今更だが・・・・)


そんなこんなで、収まるべきところに全てが収まった。

・・・たまに、コーラル様が公爵家に戻られては王子の愚痴を散々吐き出されていた事は、夫婦が仲のいい証拠だと思いたい。


・・・・なんて、思っていたのも束の間。

やはり王子は王子だった。


あの馬鹿王子・・・いや、陛下が倒れられ我が国は一時騒然としてしまった。

(やっと落ち着いたのに倒れるとかないから!!ないからっ!!!!)


陛下が倒れられたことで、陛下は余世を楽しみたいとかほざきやが・・・・・げふんげふん!!

おっしゃられその地位を譲る事にした。

え?誰に譲るかって?

・・・・いや、私も知らなかった。

まさか、アイツ王位継承権を持つ人間だったなんて・・・・あの鬼畜っ!!


「鬼畜とはひどい言い草ですね?愛しい夫に対して」


どこから湧いて出たのだろう・・・・。今しがた思い浮かべていた人物がいつのまにか私の背後に立っていた。


「何を言っているのですか。愛しい妻が向かう先に夫が居なくてどうします?」


にっこり笑うその笑顔に怯みながらも私は言ってやった。


「いや、王様がひょいひょい出歩いちゃダメだから!!てか、仕事は!?護衛は!?」


キョロキョロと周りを見渡すがそれらしき人物は見当たらなかった。


「だから、何言ってるんですか。私が仕事を放り出してくるわけないでしょう?誰かさんとは違うんですから。もちろん本日の分は全て昨日のうちに終わらせてありますよ。護衛だって外に待たせてありますよ」


そう答えられて一番心を痛めたのはきっと、存在感0でソファに座っている元王様だろう。


「・・・宰相・・・。いい加減王子で遊ぶのはやめてあげたらどうですか?」


「何を言っているのですか?少しの間でもあなたを妻とした男になぜそんな情けをかけてやらなければいけない?それよりも、私のことを名前で呼びなさいと何度も言っているでしょう?ほら、呼んでごらんなさい」


そう・・・。何を隠そう今の旦那は元宰相だ。

え?そんなこと分かりきってたって?あぁ・・・・鬼畜っていったらこいつ位しかいないよね?


「こらこら、現実逃避してないで、ちゃんと夫の名前を呼びなさい」


くっ・・・。なんだ、この男。どこまで私に羞恥プレイを望む・・・・!!


「・・・・・ケ・・・ケイル・・・・」


「はい。なんですか?愛しいキャロル?」


そう言って奴は肩を抱いてきた。

もう・・・勘弁してください。一体何なんですか。今日、確か休みだったよね?

ゆっくりコーラルと話するために来んだよね?


「ふふ、ご夫婦仲がよくて羨ましいわ。これなら跡継ぎも問題ないわね。・・・それにしても、宰相様がキャロルにそんなベタ惚れだったなんて、全く気づきませんでしたわ」


そう!!そうなのだ。この男、事もあろうに王座についたとたんその権力を振りかざして私を呼び寄せた挙句、いつのまにやら結婚に至っていたのだ!!

そんなそぶり一体どこにあったぁ!?


「はは、それは仮にも王妃様でしたからね。もちろん、そんな不埒なマネはできませんでしたよ?だから、あの時あなた方のお話を聞いて私は足が宙に浮いた思いでしたよ」


いつの間にかがっちりと腰に回された手は一向に緩む気配がない。


「懐かしいですわね。そんなこともあったわね。そうそう、それで私たちの絆はかけがえのないものになったんですものね」


懐かしむようにコーラルは瞼を閉じた。


「・・・いや、ほんと。まさか再び王妃になるなんて夢にも思わなかったよ・・・」


がっくりと肩を落とす私に、ケイルはにっこり笑って言った。


「あなたほどの逸材をそう簡単に手放しませんよ。何より、王妃という場所はあなたにとって最も輝ける場所なのでしょう?」


ケイルは鬼畜の笑顔とはちがう暖かい笑顔で私をみた。

そう・・・。

以前は苦痛でしかなかった王妃という立場。

だが、今の私にとって王妃という立場はこの国に住む人々を笑顔にできる最高の場所だと、改めて思う。

この喜びを教えてくれたケイルに、そして、いつも私の相談相手となってくれるコーラルに心から感謝したい。

え?王子はって?

あはは、感謝してるよ。だって、一応最初に王妃という立場を与えてくれたのは彼だし、彼と結婚したからケイルとも出会えたからね。

まぁ、100%中2%位はね(笑)


とにかく、今は宰相業と王妃業ですっっっごく忙しいけど、立場がある事で出来ることも増えてとってもやりがいのある楽しい時を過ごしてるよ。

ケイルも・・・・なんだかんだいって優しいからね/////


「・・・お前が幸せなら良かった・・・・」


今まで黙っていた元王様 兼 元夫はポツリとそう言った。

その言葉に私達全員彼を見た。そして、コーラルとケインはこれでもかってくらいに文句を言い始めた。

責められる彼に苦笑しつつ私は言った。


「・・・・うん、幸せだよ!」


やっぱり、最後はお姫様は幸せになりました!!

で、終わらなくちゃね!!






ここまで読んでくださった皆様。

お付き合いくださり誠にありがとうございました!!


本編はこれにて完結といたします。


後日、番外編 ダメダメ王子視点を掲載予定ですので、まだ付き合ってやろうという奇特な方がいらっしゃいましたらそちらも読んでいただけると幸いですm(_ _)m


ここまでの稚拙な小説にお付き合いいただき誠にありがとうございました。


睦月


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