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「ジャングル突破は中止になった。クラスター爆弾をぶちまけるそうだ」


「何それ、正規軍は環境破壊とか考えてない訳?」


「考えてない事もなさそうだが、"仕方ない"の一言で片付けたよ」


時計の針が7つほど進み、午後6時の夕食時。もともと親しい相手もいなかったし、何より傭兵部隊は全滅したので、例の3人と同じテーブルについている


どうやら長身青年な熱血漢(?)レオンが情報伝達を含む後方支援も受け持っているらしい。日中ずっと指揮所に詰めていた


「…………」


話し合っている2人から視線を外し、正面の人物を見る


マリアン・キャンベル。黒系の髪を見て同じ人種かと思ったが、完全なクランフォール出身とのこと。眼光が鋭く、正面から見据えられるのは避けたい


そのマリアンが口へ運んでいるのは明と同様の支給品の集団レーション。50人分の食事をひとまとめにしたもので、ポケットサンドイッチ、パウンドケーキ、ターキースライスなど数種類の料理が巨大なトレーや缶詰に詰められている。正直に言うとあまり美味くはない


しかし戦場ではよくある事であり、それだけなら何でもないのだが


食事開始直後、マリアンがおもむろに取り出したのはモラセスという調味料。サトウキビから砂糖を取った後に出る廃液で、とにかく甘い


その甘いシロップを料理すべてにかけ、さも美味しそうに食べているのである。ミックスベジタブルがモラセス浸けになった時は思わず目を逸らしたが、難無く完食


甘党なんだろうか


「……?」


そうして見ていると、視線に気付かれた


「…やらんぞ」


「いやいらない」


思わず即答


悪いが甘ったるいターキーソテーを食べる気にはならなかった


その即答っぷりにマリアンは少し訝しげな顔をし


「……やらんぞ」


「だからいらないって」


念のためもう一度確認、その後食事に戻った


案外そこまで恐くないかもしれない







「明日は装甲車を使う」


レオンの親指が遠くの車両群を指差す。最終的に送られてきた増援は1個大隊500人と戦車4両、装甲車8両、その他自走砲やら輸送トラックやらが陸路からやってきて、ヘリも数機停まっていた


「完全に戦力を分散しての挟撃になる、俺達の分担は南だ。だからぐるっと回って進軍することになるが、徒歩ってのもきついし、正規軍とトラック同乗もトラブりそうであれだからな」


「運転は誰が?」


「追加で傭兵が来る。ああそうそう、戦時中の臨時編成として班から分隊に格上げされた。運転手と俺達で5人な」


「ふぅん、どんな奴?」


「まだ来るまでわからんよ」


たぶん使えない人材を押し付けてくるだろうがな、と付け足し、レオンが立ち上がる


「先に休むぞ、こちとら午前3時から仕事入ってるんだ」


言って、離れていった


「……忙しそうだな」


「ああうん…なんて言うか、司令官に気に入られてるのよね。こっちの待遇良くなるから別にいいけど」


カラン、と、プラスチックフォークをトレーに落とす


周囲を見れば兵士数人がトランプに興じており、その奥ではタバコの煙。各々リラックスタイムのようだ


作戦開始は午前7時だが、寝るにはまだ早い


「武装の紹介をしておきましょう、いきなりじゃ陣形がどう動くかわからないでしょうし」


思い付いた暇潰しがそれだったらしい、自己紹介ではなく武装紹介というあたり戦場らしいというか鉄臭い


「私は主武装にSCAR−H、護身用のP230と、使い捨てのロケットランチャー2本。回りくどい事苦手だから、基本的に正面火力担当ね。ロケットランチャーっていっても2発だし威力もそこまで無いから車両相手には逃げる」


それでユリアナの紹介は終わったらしい、どうぞとマリアンへジェスチャーを送る


「……MG4軽機関銃とM1911拳銃、徹甲弾を使用すれば兵員輸送車程度は破壊可能だ。状況によりFIM-92対空ミサイルも携行するが、重いからあまり持ちたくない。弾幕担当だ、それ以外の事を求めるな」


終わりらしい、静かになった


じゃあ次は自分の番かと明は思う、といっても今日が初陣だったので、担当もクソも無いが


「えー、SG552アサルトライフル、ストックをたためばサブマシンガンとしても使用可能です、自立記念にプレゼントされました。それと中古のデザートイーグル50AE、弾薬供給ルートが無いと聞いて困ってます。手榴弾2個は正規軍から貰いました」


「誰が入手法を教えろと…」


「新兵にいきなり聞かれても」


一応訓練は受けた、しかし所詮は訓練だ


実戦経験となるとクレイモア喰らったのみ


「特訓が必要ね…」


「え?」


「ついて来なさい」


「えー……」


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