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crawling chaos















・全試射実験評価




主性能は次の通りである



・弾体初速

最低5400m/s

最大9100m/s

平均8200m/s


・弾道弾撃破有効射程

高度120km

距離150km


・地上目標撃破有効射程

距離630km


・必要電力

50MW



総体として要求性能は達成、残る問題は軽量化のみであるが、構成材質の見直しにより解決可能と予想される。また必要電力に関しては、連続射撃能力を妥協すれば30MW程度でも十分な性能が発揮できる


保守管理の件については、基本構造がレール2本と電源のみであるため、メンテナンスが必要な装置は自動装填装置のみ……








・破損したファイル








・例のあれの賭け金額



マーク・ヤングス

500D


テラム・シュナルツァー

300D


リッヅ・ペンバー

800D


ゼオン・ラフベルク

チキチキボーン50パック








・破損したファイル








・破損したファイル









・撮影画像

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・移転先情00000

#08456

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「まぁ、ディスクとしては頑張った方か」


例の橙髪が持っていたHDをパソコンに差し込み、中身を確認した所、保持されていたデータは全体の1割未満で、欲しい情報はほとんど破損していた


OSソフトを探してパソコンを動かし、更にネットワークへの経路を工面しつつHDリカバリソフトを落とすという苦労に見合うかどうかは微妙な所だが、その前に加えられた衝撃を考えると諦めもつく


これ以外に情報は残ってなさそうだ、書類関係は一切見当たらず、何かパーツが残されている訳でもない


「…ん……」


上から微かに土木工事音が聞こえる


ようやく味方が辿り着いたか


本当に何も残されていないかもう一度確認し、立てかけておいたSCARを担いでユリアナは上に向かう。血生臭さは完全に消えていたが、各所に赤色がまだ残っていた


「…………」


地下12階、僅かに硝煙臭い


食堂だろうか。扉がひとつあるのみで、後は小さい掲示板のみ。内部はまだ調べていないが、どうせ惨状はわかりきっている、いくら慣れているといっても百単位の死体など見たくない


11階から上は目立った場所は無い。全体として居住施設がメインで、最下層に研究所がくっついている感じだ



地下5階に着く頃には人の話し声も聞こえていた



「どう?開通した?」


「お……いやもう少しって所だが、これ大丈夫か?崩落しそうだぞ」


「大丈夫でしょ、成形炸薬弾の直撃に耐えるんだから」


「あぁ…そういえば誰かがロケットランチャー撃ってたな…」


そこから見回した限りでは廊下に出ているのは明のみ、残りはいずれかの室内だろう。とことん戦争に向いていない連中だ


上の様子は、作業音を聞いている限りでは人力作業らしい。時折プラスチック爆弾の爆発音が聞こえるが、運び出せない瓦礫を破砕しているだけと思われる


「例の子たちは?」


「あー…?エレナは完全に回復したが、もう1人は牛缶食ってギブアップした」


「そ」


缶詰だけでも食べたならまだマシな方か


「どうやって餌付けした?」


「餌付けじゃねえよ」



無線機を取り出してスイッチを入れる、まだ電波は届かない


この様子では開通までまだかかるだろう


「……牛缶しか食べてないの?」


「ああ」


そうか


ならばアレがあるはず


「クラッカー残ってる?」


「すべてエレナが」







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-------

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「こんちきしょうがーーーーッ!!!!」


「ふえぁうはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


ユリアナがエレナの頬を思い切り引っ張っている


倉庫に行けば同じものがあるだろう、だがそれをするくらいなら上の仕事を待つ方がいい。誰だってクラッカーよりパンが食べたいのだ


「まぁまぁ、これやるから我慢しろ」


「え…あ、うん、ありが……グラニュー糖かよ!!」


スティックシュガーが投げ捨てられた



「…………楽しそうだな…」


「そうか?」


マリアンもだいぶ回復してきたようだ。といっても未だ体育座りしたままだが


結局ユリアナが口に入れたのは圧縮シリアルバー。堅そうだ



「で、各員の収穫物は?」


言われたため、集めた紙束をユリアナへ。何か信じられないものをみた、という顔をされた


「報告書数種類と研究所移転先の書かれた手帳」


「………………」


「……なぜつねられなきゃならんのだ」


「10階近く階段上り下りして無収穫だった時の気持ちってわかる?」


「そりゃすいませんでした…」














































まずクランフォールの兵器調達事情から説明しておく


アルメリアから兵器供給を受けていた頃はそれに依存していたが、今は輸入という形を取っている。破格の値段とはいえ有料であり、自国開発やライセンス生産をした方が安くなる場合もある。特に航空機は単価が高いため、その傾向が顕著に出ていた


その過程で需要を手に入れたのがツーリーズエアクラフトを中心とする国内の航空機製造会社で、ライセンス生産品を含めると軍用航空機シェアの60%を持つ事になった


結果、国産と外国産を混ぜ合わせた状態で軍を構成する事になり、現在空を飛んでいるのは国産の戦闘爆撃機ラファールと、輸入、またはライセンス生産したF−15、F−16の3機種が大半を占めている。変わり種としては盧獲したSu−27が数機いるが、今回それを上回る変わり種がいるためにあまり目立っていない


『イアンテの撃墜を確認、訓練空域より離脱しろ』


管制機が模擬戦の結果を伝え、少ししてラファールが1機、戦闘機の群れに合流した


クランフォール製マルチロール機、クロースカップルドデルタという無尾翼デルタ機で、機体全長の半分を占める主翼を持つ。その外見は一般的な戦闘機のイメージとは合致しにくいかもしれないが、最近はこのタイプも珍しくなくなってきている。コンパクトにまとめられるのが最大の利点だろう


『駄目だ、どうやっても3分なんてもたねえよ』


「いくつだ?」


『42秒』


戦闘開始した直後に後ろに付かれてるだろ、その数字は


ラファールと入れ代わりでF−16が飛び去っていき、同じく撃墜され戻ってくる。ラファールが勝てないのだからF−16が勝てる筈がないのはわかりきっていたが


『アストラエア、出番だ、移動を開始しろ』


「了解」



操縦桿とラダーを操作してF−15Cイーグルを訓練空域へ向かわせる


全長18メートルの大型制空戦闘機だ。かなり古い型だが、各種の改修を受けているため戦闘能力はラファールと同じかそれ以上、と自負している。少し前まで最強の座にいたし


訓練開始前に操縦桿を一回りさせて動作を確認、次いでエンジンも最大まで吹かし、簡単に点検を終わらせた


その後すぐに指定された空域に到達


『準備完了だ、アストラエア及びネメシスは模擬戦を開始しろ』



敵の姿はまったく見えていない



レーダーは何の反応も示さないし、辺りを見回してもあるのは雲のみ。それが敵機最大の特徴とは聞いていたが、実際見せつけられるとどうしていいかわからない



「ッ!?」


ロックオンアラートが鳴り始めた


レーダーには何も映っていない、管制機とのデータリンクをアドバンテージにしてもこれだ、何の意味も無いじゃないか


思い切り首を振って後ろを見ると、菱形の翼をした戦闘機が微かに見えた


相手が上にいるなら逃げるべきは上だ、とにかくあれの正面から外れてロックオンを外さなければならない。模擬戦では15秒、ロックされ続けると撃墜と見なされる


「飾りじゃねえんだぞ…!?」


アフターバーナー点火、思い切り機首を上げて上へ昇る。その間にレーダーを操作し、正常動作を確認


ある程度まで上昇してから更に機首を引き、敵とすれ違うように後方へ。すぐにロックは外れた


左旋回でもう一度反転しながら、レーダーを見てもやはり変化無し。本当にただの飾りじゃないか


「畜生……」


姿の見えない敵というのは気味が悪い、幽霊と戦っているようだ。レーダーに映らないだけならまだいいが、相手パイロットがちょこまか動き回るせいで目視すらできていないのだ。どう戦えばいいかまったくわからない



そうこうしている内に再びロックオンアラート



「どっからだよ!!」


姿は見えない、ならばこちらの死角である下方としか考えられないが、どの方向から攻撃されているかで対応が変わる


ゆっくり考えている時間は無い、後下方に敵がいると推測しブレイク行動へ


攻撃するなら後ろからが基本だ





『15秒だ、アストラエア撃墜』


アラートは止むことなく、そのまま撃墜判定まで持って行かれた。最後まで姿は見えず


時計を見ると、戦闘開始から1分23秒。間違いなく最高記録だろうが、カップラーメンすら作れないとは情けない


「っ……」



待機空域に戻るべく進路を合わせて低速飛行していたら、左側にそれが現れた


灰色で塗装された菱形の翼と、上下に潰れたエンジンノズル。従来のステルス機のイメージを覆す比較的従来通りの外観で、こんなものがあの化け物じみたステルス性を出していたとは思えない



機体説明を簡単に言うと、アルメリアから実戦データ収集という名目で送り込まれた最新鋭ステルス戦闘機


形式番号F−22A、愛称はラプター


数ヶ月前にロールアウトされたばかりのそれが送られてきたのは1週間前で、機数は3。うち1機は空力及びステルス研究のため民間会社へ払い下げられ、1機が内装研究と予備パーツ確保のため解体。残った1機がこうして前線に送られてきた


「…………」


見せ付けるように横を飛ぶラプターを一通り眺めた後、キャノピーへ視線を合わせる。ヘルメットに隠されてパイロットの顔は見えず


だが、少し小さい?


「……離脱する」


少しスロットルを開けて加速すると、ラプターも訓練空域へ戻っていく



結局、1分23秒は今日の最長タイムとなり、懸賞はビール1ダースだった


群がってきた同僚にほとんど飲まれてしまったが

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