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片想いから始まるHappy ends  作者: 卯月はる
先輩に片想い
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後輩に片想い -side KOHEI-




大事に…してきたつもりだった。


好きでもないのに家に上げないし、好きでもないのに休みを一緒に過ごしたりしない。

そもそも、自分が好きでもない人と付き合うのなんか無理なタイプなのは、とっくに知っていたのだ。

高校の頃ヤケで付き合った子には悪いことをしたと思ってる。


ユメへの感情は、はじめは恋愛の好きではなくても、少なくとも異性としてそれなりには好きと思えていたということで。


“仮カノジョ”なんて言ってるけど、恋人とやることは大差ないし、関係に名前を付ける意味がわからないと思ったから訂正もしなかった。


俺も周りもこんなに長続きすると思っていなかったから、友達のような関係のままなのにラブラブだねぇと何度言われたことか。


曰く、「洸平は誰とも長続きしなそう」らしい。


何なの、幸せになるなってこと?


ユメが楽しみなのーとアピールしてくるから、クリスマスやらバレンタインやらは好きなようにさせて付き合った。

友達と馬鹿騒ぎするのが楽しいイベントくらいの認識で、こだわりはないから喜ぶならいいかって。


アレコレやろうとするけど、…料理は美味いから作ってもらったが、家政婦みたいに都合よく家事とかやらせたりもしてないだろ。


手を出すからには、それなりに大事にする覚悟は持っていたつもりだ。


当然よそ見もしてない。

大人数で夜を明かすことはあっても、女子と2人でなんてことは誓ってやってない。


…ちゃんと好きだった。


そんなこと、言わなくてもわかってると思ってた。

負けん気強くて、自信過剰だし。


…いや、俺はアイツの何を見ていた?


あんな思い詰めた表情するくらい、ずっと悩んでたんじゃないの?




◇◆◇





「なんか…あった?」

「あー…ユメとちょっとね」


学の結婚式の準備のために打ち合わせをしていたら、学がそう切り出した。

まゆみんのことがあったから学は迷っていたようだけど、挨拶も余興もやりたいと俺が押し切った。


親友の晴れ姿を祝わないほど薄情じゃない。


とっくに吹っ切れているのだ。


美術館デートとか水族館デートとか、できないし俺には。

お似合いだよ、付け入る隙もないくらい。


「喧嘩?」

「…というか、別れた」


そう、別れた。振られた。


あれから日を置かずに、ユメの部屋に置いてた私物がまとめて送られてきて現実を突きつけた。


いいか、仕事も忙しいしちょうどいいなって、言い聞かせようとする俺もいて。


「えっ!?あんな仲良かったのに!?」

「はは、そんな驚くー?」


まあ、3年も大きな喧嘩もなく付き合ってたように見えるだろうから、無理もないか。


「うん…織本さんと付き合ってるって聞いたときは、…まぁちょっとびっくりはしたけど」


まぁね。アイツの狂言だったしね。


「お似合いだと思ったんだよね。」

「えー?」

「あんなに楽しそうに1on1して子どもみたいに笑って戯れてるの見てたから、納得だったっていうか」


本気でかかってくるから大人気なくこっちも本気になった。女子だしちまいしと舐めてると、一瞬の隙で奪われる。

体格も何もかも有利で点数は負けてないはずなのに、一本でもそれをやられると悔しくて熱くなった。


拳で語り合うというか、そんなコミュニケーション取った後なら自然とポンポン言い合えたわけで。


「うん。広く浅くの付き合いが上手いけど、深い付き合いしないじゃん」

「あー…」

「親しい人には気が向いたときしか喋らないし」


だから言わずとも察してくれる学が付き合いやすいのだが。


「織本さんといるときはオフモードって感じだったし、あんま本心見せないからよかったと思ってたんだよね」


そうだ。

気分のまま付き合える人は多くない。

周りを楽しませてナンボ。自分の不調で周りが心配するなんてもっての外。


気分のまま接しても、勝手に楽しんで寛いでるユメは気にしなくて、楽だった。


「おれは付き合い長いから、まあなんとなく言いたいことはわかるけど」


学は小さい頃からバスケを一緒にやってたし、小学生の頃には口論も殴り合いの喧嘩も相当している。

今や言わずとも考えていることがわかるまでになった。


「…で、今ほぼおれしか喋ってないの気づいてる?」

「……え、マジ?」

「マジ」


苦笑する学。


え、嘘。


「おれに言われたくないと思うけど…洸平は織本さんに思ったこと伝えてるのかなって」


話してなかったわけじゃない。

聞いてなかったわけじゃない。


でも、知ろうとしなかった。


「わからないけど、必死で喰らい付いてくれてたんじゃないの」








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