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2週間ぶりのカフェイン!ひゃっはー!カフェインだあああ!そして、ひとさし指が動く!動いた!キタコレ!あと、関係無いけど、パン焼いてくんない施設はクソだから。

入院1週間目くらいで、俺は診察を受けた。

MRIの画像を見せられて、俺は衝撃を受ける。

何せ、ゴルフボールくらいの穴が、脳味噌に空いているのだ。

体や頭自体が、どうかしてしまうのも納得だ。


車椅子に、呂律が回らない状態ではあるが、医師とコミュニケーションは取れた。

医師によれば、比較的足の回復は早いらしい。きっと長年走ってきたおかげだろうとのこと。


医師は、リハビリ専門の病院への転院を進めてきた。

脳卒中のリハビリでは、できるだけ早く、急性期の病院から、リハビリ専門の病院へ転院することを勧めているから、セオリー通りだ。

何が違うかと言えば、リハビリはこの病院でもできるのだが、リハビリ専門病院の方が、設備、リハビリの絶対量、スタッフのノウハウにおいて、圧倒的に優れているのだ。

いちおう転院先のパンフレットを渡されたが、俺は転院希望一択だった。

ただ、残念なことに、転院先は年がら年中、満床状態で順番待ち状態。1ヶ月近く待たないといけなかった。


3か月という、タイムリミットを意識しているから、正直あせる。だが、こればかりは仕方ない。


ところで、コロナの制限もあるが、母親はほぼ毎日面会の来てくれていた。

2週間目からは、医師に確認してカップのコーヒーを買って来てくれるようになった。

この病院の自販機は上等らしく、2週間ぶりのカフェインということもあって、すごく美味だった。

(転生系の登場人物が、久方振りの現代の食品に感激するヤツだ。)


ちなみに食事は、2週間で、ぺーストから、刻み食へ。刻み食から常食へ復帰している。常食へ復帰した時は、弱った胃腸には刺激が強かったらしく、消火不良に難儀した。

ちなみに朝食はパン食を選べた。

看護師さん達は、さも当然のように、パンをトーストしてくれた。

俺はパンを焼いてもらえることに、少し感動していた。


え?なんで感動してるの?そんなの、あたりまえじゃん?

こういうところで、パンを焼いてくれないトコなんか、あるのかって?

・・あるんだな、これが。


俺が勤務してきた介護施設では、パンを申し訳程度にレンチンであっためることはしても、トーストはしなかった。

ヒラの頃勤務していた、いけてる施設ではトーストしていたから、サービス提供責任者として、パンのトーストを改善点として提案したことがあった。

だが、エリアマネージャーは「過剰介護」だと一蹴。


余談だが、もし家族を入居させる時、サービスの質を見極めたかったら、朝食のパンをトーストしてくれるかを確認することをお勧めしたい。

有効なバロメーターだ。

いけてない施設では、たかだかこの程度のことですら、嫌がり、削減すべきコストと見なしてしまうからだ。


(どうも、最近出来た施設は、一見新しいが、安普請だし、機材が「安かろう悪かろう」な上、スタッフが寄せ集めで、サービス自体が全然イケてない。

特に食事はセントラルキッチン方式のところは、豚の餌が出てくる。これが、きちんとした所だと、同じ値段で工夫してくれるし、中には飲食店経験者まで居て、それはもう食事の質が全然違う。


一見古い施設の方が、ベテランの「神」スタッフが居たりするが、逆にお局様が居たりする。

だが、新しい施設よりは、外れを引く確率はマシだと、個人的に思う。


あくまで俺個人の経験だけど、管理職として、新しい施設を4カ所ほど転々としたが、揃いも揃ってクソだった。俺の力量ではどうにもならないほどに。)


さて、足のリハビリは、平行棒を使って、僅かながら歩けるところまで、1週間で到達していた。

そして、ヨチヨチと、慎重に理学療法士の見守られつつ、30メートルほど歩けた。


たかだか30メートルの歩行。

だが、たったこれだけのことで、右ふくらはぎが、丸1日使い物にならないくらい筋肉痛になってしまった。

リハビリというより、別物になってしまった自分の体を、作り直している気分だ。


歩行が可能になったことで、看護師に見守られながらではあるが、トイレに自分で歩いて行くことが許可された!

グッバイ!ポータブルトイレ!


足は順調だったが、手は僅かに持ち上げられる程度、相変わらず指はピクリとも動かない。


ちなみに、リハビリは先述のとおり、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるものが、それぞれ1日に30分。彼等のシフトの都合で、毎日あるというわけではない。


これが、リハビリ専門の病院の場合、それぞれ1時間になり、かつ、毎日だ。


入院してきた時は、リハビリルームの眺めの良さに感動したが、直ぐに飽きる。

異動は車椅子だ。

入院が2週間に達したその日も、担当の作業療法士に車椅子を押してもらいながら

「いやー、足は順調だけど、指が全然っすわ。」

という会話をしていた。

だが、彼は

「え?指、動いてません?」

と言ってきた。


マジか!


右手を見ると、右ひとさし指が、わずかに、かすかに動いていた!


マジで動いてる!キタ――(゜∀゜)――!!

いや、もう。ここ10年で、最高の感動でしたわ。


俄然、リハビリへの意欲と希望が湧いてくるのですYO!


教訓:仕事もリハビリも、進捗を実感できない時は、やっててつらいよね。あと、朝食のパンも焼いてくれないような施設はクソだから、信用すんな。


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― 新着の感想 ―
[一言] >特に食事はセントラルキッチン方式のところは、豚の餌が出てくる。 そうなんですね。 私の親族が入っている施設の食事(食事の大部分がセントラルキッチン使用)で、親族に、 「試しに食ってみな…
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