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「ほんでお前。なんでまた、まだ若いし、メタボでもないのに脳出血やらかしたんよ?」「酒カスだからですが、何か?」

さて、先にオチを書いてしまうと、3か月の入院によるリハビリの結果、俺はまずまずの回復を果たして退院している。

当初は「走るのは無理」と言われた足だが、ランニングが可能なまでになっている。

腕の方は、「簡易上肢機能検査」というやつで、100点満点中69点を出し、在宅生活にほぼほぼ問題も感じず、車の運転もOKだ。


入院当初は、ろくに喋ることができず、右の手足は全然動かなかったのだから、まあ、頑張った方だろう。

「若いから、きっと良くなる」という医師の言葉を信じてリハビリを頑張った結果だと、自分を褒めてやりたい。


だが、疑問が一つ残る。


俺は若いから、比較的リハビリが上手く行った。

だが逆に「なんでまた、まだ若いのに脳出血になったの?」いう疑問が。


これも自分の中では結論が出ている。


酒カスだったからだ。

しかも、中途半端に運動習慣があり、一見、健康体に見え、油断していたからだ。


ここからは、リハビリの詳細と回復の過程をダラダラと書く。似たようなハメに陥った、中年諸氏の参考になれば、と思う。

だが、その前に、そもそも脳出血に陥った過程を書いてみることで、予防の観点を提供したい。俺は医者じゃないから、あくまで素人考えでしかないけれども。


結論から言うと、俺の場合飲酒のせいで「微妙に高い下の血圧」を長年に渡って放置していた。その結果、「動脈硬化」が進行していたのだ。

そこへ、ここ数年で上の血圧も悪くなったところ、進行していた動脈硬化のおかげであっさりと脳の血管が破れたというわけだ。


健康診断で血圧が異常値を示すようになったのは、30手前。

上の血圧は何ともないが、下の血圧が微妙に高く、BやC判定を出すようになった。


ネットで調べたところ、下の血圧が高くなる原因の一つは「過度の飲酒」とあった。俺には十分すぎる程の心当たりがあった。

周囲には自分が高血圧だというと「冗談だろう?そんなに走っているのに?」という反応が返ってきた。

当時の俺は、日に3~5キロのランニングの習慣があった。さらに、週末には関西圏の山々にトレイルランニングをしに出かけていた。十分すぎる程の運動習慣があったのだ。

そのせいで「いざとなったら酒をやめれば、血圧は下がる」となんとなく思いこんでしまった。


はい、ブーッ。

下の血圧が高い状態を放置すると、抹消の血管が伸びたり、傷んだりで「一生」元通りになりませーん!!

なんでもそうだ。異常が発生したなら、早いうちに真剣に対処することが大事なのだ!

この時点で真剣に生活習慣の改善に取り組んでいたら、と思うが、もう遅いよね。


その後、リーマンショックで仕事を失った俺は、食っていくために介護職員になった。

ストレスの大きい仕事で、酒量が増えだす。

健康診断で医師は「血圧計を買って、血圧をモニターすることから始めなさい」と、アドバイスをくれた。

だが、自分の運動習慣に過剰な自身をもっていた俺は、その程度の助言すらまともに聞かなかったのだ。


40代になると管理職になり、職場を何度か変えた。

困った部下だらけ、おまけに上司は部下以上に困った方々で、酒量はうなぎのぼり。

俺は健康に悪いとされているストロング系も割と飲んだ。なにより芋焼酎を濃いめに割っては、浴びるように飲んでいた。


一方、ランニングの習慣は少しずつ減っていった。


そんなこんなで、3年前。「さすがにやばい」値を健康診断で出した俺は、医師に相談しに行った。

気がついたら、下の値は100を超え出し、上の値も急に上がって150~160。下手をすると170を超えるまでになっていたのだ。

ちなみに数値がヤバイのは血圧だけ。他の血糖とか脂質とか、腹囲とかは、肝臓すらもA判定だった。

だが、これも俺の勘違いを助長していた。


なんといっても、この状態でも俺はメタボリックシンドローム「ではない」のだ。


取り敢えず、俺は薬を飲み出し、血圧のモニターを始める。

だが、酒は飲み続けたので、数値はそんなに良くならない。


2年前に家庭事情で実家に帰った俺は、ストレスマッハな仕事から解放され、思い切って酒を辞めた。

だが、かかりつけ医を地元で探すのも、薬を継続するのも止めてしまった。


酒を止めたおかげで、ようやく数値が落ち着き出す。


だが、それに浮かれて、俺はまた直ぐに酒を飲みだした。しかも、血圧のモニターをさぼって。

1年前には、手足のしびれを感じるようになる。動脈硬化の明らかな兆候だった。

それに気づかない俺は、だんだんと酒量を増やし続け、入院1ヶ月前に「たまには測ってみるか」と計測した値が、177/129。ヒッと思って測り直しても168/117。


でもって、俺はその数値を見ても、何の手も打たなかったのだ。馬鹿なの?死ぬの(いやマジで)?


そして、その1か月後に、10年以上の負担でボロボロになった俺の血管は、破局を迎えたわけだ。ああ、恥ずかしい。


教訓:たとえメタボでなくても、肝心なのは血圧です。高血圧を放置したら、そりゃヤバイ病気になるよ!!

高血圧放置。ダメ。絶対!!!



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― 新着の感想 ―
・・・。(自分も高血圧)
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