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皆さん2024年のゴールデンウィークは楽しまれましたか?私は病院でカンヅメでーす!自業自得だけど!それはそうと進行する拘縮!だけど、これがまたびっくりするくらいネットに情報が無いなんだな。これがまた。

5月になった。

病気になるまでは、指折り数えて楽しみにしていたGWも、病気療養中の身では、意味が無い。びっくりするくらい、淡々と過ぎて行った。

介護の仕事をしていた時は、長期休暇を取るのは難しかった。

だから、Uターンで介護の前に、元々居た業界に復帰してから、初めてのGWは、自分にとって、久々の長期休暇になるはずだったのだ。


え?入院している間は、毎日が休み、みたいなモンだろうって?

うん。確かにそうとも言える。

毎日、食っちゃ寝して、ひたすら体の回復を目指す日々だ。


だが、結局、いくら整えられた環境とはいえ、言うことを聞かない体を抱え、自由に行動できないのだ。

安心してリハビリに専念できる以上のものではないから、あんまり羨むようなモンでも無いだろう。

始めは、病棟内の違う階の自販機、病院の外のコンビニへ行けただけで、月面に着陸したかのような満足があった。だが、俺は贅沢なのだ。

あっという間に、それらの気晴らしでは満足できなくなった。

だから俺は、本来の自由な生活を思い描いて、そこに近づけるように、リハビリを頑張る。



ところで、この頃。俺は、だんだんと違和感を感じることがあった。

というのは、リハビリによって、神経が活性化したことにより、体は徐々に動くようになった。ところが、5月に入った頃から、微妙になってきた。

つい最近、できるようになったことが、再び出来なくなってきたのだ。


例えば、入浴中に背中を洗うために、タオルを背中に回す時のことを想像して欲しい。

その時、泡のついたタオルを、両手で頭の前から後ろに回すとする。

健常であれば、何でもない。

だが、病後1か月くらいの、スタッフに見守られながら入浴していた俺には、これが難しかった。

腕が十分に伸ばせないので、頭の上から、泡の着いたタオルが、べちゃりと頭に触れてしまうのだ。

だが、それも、リハビリの進捗と共にクリアできた。

俺は、一度洗った頭に、再び石鹸の泡を付着させずに済むようになった。はずだった。


しかし5月に入ると、再び頭にべちゃりと、タオルを触れさせてしまうようになったのだ。

他にも、服を脱いだり着たりが、つい1週間前と比べて、ぎこちなくなってる気がした。

これは気のせいだろうか?


気のせいではなかった。

俺は気付いて無かったが、拘縮が進行した影響だったのだ。

拘縮によって、固まり、動かなくなった筋肉が、あちこちに出て来たことで、せっかくリハビリで実現した動きが、再び出来なくなりつつあった。


拘縮はとても厄介だ。

というのは、自分でマッサージやストレッチで対応するのが、とても難しいからだ。

特に、ストレッチをしようにも、体が動かないのだから、満足に出来ない。

そうして、どんどん固まる箇所が増えてゆき、それによって、また動かない箇所が増えて、また固まって、という悪循環に陥るのだ。

そして最終的に、腕の場合、体の前に曲げた状態で固まる。

分かり難い例えで恐縮でが、宇宙戦艦ヤマトの敬礼のポーズのまま、固まる感じだ。

(ただ固まるだけでなく、痛みが出るので、この状態まで拘縮が進行してしまった人は、三角巾のような装具を身に着けている。介護現場ではよく見かける。)

ちなみに俺は、右半身が動かないこの状況を「ガンダムのミカや、ケリイ、それに炭次郎みてえ」と思っていた。



とくに、右腕が麻痺の影響で、体の前でねじ曲がって、固まってしまう現象を、後に世話になる整体クリニックでは「巻き込み」と呼んでいた。


何とか歩けるようになった頃、俺は必死こいて、ナースステーションの周りをくるくる歩いて、歩行できる距離を伸ばしていった。

その時、既に「巻き込み」の兆候はあった。右腕は、歩くときに腕振りをすることが出来ず、体の前にズレてくる。

力が入らないので、そのまま歩く。右腕は、歩行に合わせて、ぽこん、ぽこんと、体の前で弾き飛ばされながら付いてくる感じだ。

俺はともかく歩くことにだけ集中していたから、右腕の有様には注意していなかった。

だが、この、歩くときに顕著な「巻き込み」が、拘縮の第一歩だったのだ。

拘縮は、少しずつ、外堀を埋めるように、右半身の筋肉を一つ一つ固めて行っているのだが、当の俺は、体の変化になかなか気づかない。


病院のリハビリスタッフも、拘縮については当然認識していただろう。

だが、入院中に彼等から拘縮に言及されたことは、殆ど無かったように思う。

彼等は、まず3か月弱の期間の中で、最大限、神経系のリハビリを図ることに注力していたのだろう。

となれば、拘縮の問題にリソースを割く余裕は無かったのかもしれない。


だから俺は、まだ拘縮を拘縮と認識出来ていない。原因不明な、右腕の痛みとしか認識出来ていなかった。

痛みの原因を何とかネットで探す。キーワードは「脳出血」「腕の痛み」だ。


主に出て来たのは、整体クリニックのストレッチを紹介する動画だったが、ほんのさわりだけしか紹介していなかった。

「この先を知りたければ、お金払って受診してね(はあと)」というわけだ。


医師に「整体」利用について相談してみるが、彼の専門外なので、あんまり好い返事は

貰えなかった.

俺は結局、退院した後、しばらくしてから整体に通うことで、拘縮を何とか解決しつつある。

その経緯は改めて語るとして、いよいよ退院が近付いていた。



教訓:拘縮は発病と同時に進行している。だけど、気をつけようにも、どうにもならない。

だからスタッフを信じて、まずは言われた通りにリハビリに集中。

だけど、理屈ぐらいは知ってた方がいいかもね。


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