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病院の紹介を軽くするよ。ほんでリハビリの話に戻るよ!足のリハビリは、そりゃもう順調さ!コンビニにいけるくらいにね!だが、足より腕の回復の方が難しいんだ!そして忍びよる拘縮の恐怖!

さて、俺が入院していた、リハビリテーション病院について、軽く触れておこう。

立地は、国道から少し離れた埋め立て地。どちらかと言えば、高級な住宅地にある。

とても静かだった。

それに土地とスタッフを十分に、いや、むしろ贅沢に使っている。


俺は正直、この点に羨望を感じた。


大阪で俺が見た介護施設は、狭い土地に施設をえげつなく押し込み、しかも、安普請で機材も安物。(クズみたいな)スタッフの人数も介護報酬が安いから仕方ないといえ、仕事量に対して、かつかつ。

そして、いくら頑張って働いたところで、給料も上がらないどころか、誉め言葉すらもらえない。

そんな施設ばかりだった。正直、余程仕事に困ってない限り、働く理由は無かったね。


無能な氷河期負け組の俺は、そんな施設で働いていくしか無くて、気がついたら社会主義国家の人間になっていた。

つまり、一生けん命働くだけ無駄だから、手を抜いて働くことばかり考えていたんだよね。てへっ。


利用者さんの「ありがとう」がやりがいだって?「やりがい」って食えんの??おいしいの???

(とまあ、このように介護の暗黒面に堕ちた、俺の心には根深くダークサイドヘルパーが棲みついていている。彼はスキあらば顔を出すのだ。)


病院の話に戻ろう。


建物は2階建て。土地が広いから、2階建てでも十分な面積がある。

1階は、事務関連の部屋、併設されてるデイサービス、レントゲンやら車の運転のシュミレーター、厨房、会議室、休憩室、診察室、厨房などだ。

基本的に、入院している人間にはあまり用が無い。


入院患者は2階で生活する。

全て個室だ。

個室は全てトイレ付。ベッド以外に、机と椅子。箪笥が一つある。6畳くらいの広さだったかな?

2階の中心には、理学療法と作業療法のトレーニングを行うための大部屋、ナースステーションがある。

それらを取り囲む形で、広い廊下が配されている。


さらに、廊下の外側に約60部屋の個室、言語聴覚のセッションルーム、浴室、食堂がある。

ちなみに俺の食事は居室配膳だった。


理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、15~25名が在籍。1日のリハビリの時間は、急性期の病院が1コマ30分だったのが、倍の1時間。

しかも、急性期ではシフトの都合で週に二日は「お休み」になっていたのが、ここでは毎日だ。

3か月のゴールデンタイムを有効に使わないといけないから、有難い。


各1時間のリハビリの合間に、さらに自主トレをするとなると、けっこう忙しい。

しばらく後になると、最大1時間の外出を許可されるようになる。

俺はこの時間で、午前と午後に1時間の歩行やランニングを入れていたし、残りの時間はPCでタイピングのリハビリをしていた。だから、9時から17時までの時間は割とパンパンだったのだ。


さらに、看護師と介護士が50人くらい配置されている。

患者には、それぞれ主担当の看護師が付く。

俺の担当は、まだ若いが熱心な女性看護師だった。(彼女には大変にお世話になったので、この場を借りてお礼を述べたい。)


2F勤務だけで、総勢100名のスタッフが居たわけだ。だが、これだけスタッフがいると中には変な奴、困ったスタッフが居るものだ。

ある日、俺の介護士レーダーは「いけてないスタッフ」の反応をピンッ。っと探知してしまったのだが、その話は後にするとしよう。


週末に転院して来た俺は、週明けには居室内を自由に歩き回ることを許可された。

足の方は、トントン拍子で回復している。

週明けから、理学療法士の兄ちゃんと二人で、施設の周囲を散歩することから始め、距離を伸ばしていった。

右足は動くけれど、充分に上がらない。気を抜くと、右足がつまずきそうになる。


それでも、1日経るごとに歩行は安定しだし、すくすくと距離は伸びた。

病院の建っている、埋め立て地の外周2キロの遊歩道。ここを歩行して、その距離500メートル、1キロ、2キロと伸ばしていく。

リハビリだけでなく、病院の廊下を自主トレで歩く。


転院してから1週間。病院の2Fなら、自由に歩いても良いことになったので、1週120メートルの廊下を黙々と歩くのだ。

それも、4周、5周と増やして行き、10周~15周にまで距離を延ばす。


こうして順調に足のリハビリを進めていき、転院してから2週間が過ぎるころには、1時間以内の外出と、病院から500メートル離れたコンビニへ行くことが許可される。

そう。コンビニだ。俺の中では、転生系の主人公が、元居た世界の名残を求めるのに等しい。


一方で、腕の調子はイマイチ。

腕そのものは、少しずつ動くようになっている。だが、たとえば腕を上げると妙な痛みが走る。これは、脳からの信号が、行きと下りとで衝突しているために起こるらしい。この痛みはクセになるらしく、腕を動かすのは痛みが出ない範囲で、と指導された。


すると今度は、右腕が動かせない範囲で固まり出して、深刻な可動範囲の狭まりを生む。そして痛みを生むのだが、これはどうしようもなかった。

だって、腕がそこまで動かないんだもん。

俺は、動く範囲でひたすら自主トレをするが、それでも転院1カ月目から、腕が固まる「拘縮こうしゅく」に悩ませられることになる。

拘縮との闘いは、退院して4カ月たった今も続いているが、この時点では、そんな展開は知る由もない。


ちなみに指の力もまだフニャフニャ。ある日、エレベーターの使用を許可されて、ルンルンで1階の紙コップの自販機へ向かった時のこと。行きはいいが、動く左手で紙コップを持って、2階に戻ろうとすると。

右腕の指は、エレベーターのボタンを押せなかった。触れて、押し込むだけの力が入らないのだ。

いやー、あせったあせった。ちなみに、左手でコップを持ちながら、ボタンを押したよ。



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