表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/61

第19話 百人長アーサー

「組長、今度の隊長は少し様子が変ですね」

「お前もそう思うか?」

「だって、剣聖の言うことすら聞かなかった、あのガラハッドのやつを手なずけてますよ?」

「そうだよな? 夢じゃないよな?」

「そうですね。確認のために日頃の恨みをこめて殴っていいですか?」

 バゴッと音が鳴り、騎士が一人頭を押さえる。

 もちろん、組長ではなく、平の騎士がだ。


「アーサー兄さん、次は何をしましょうか」

「ちょっと、兄さんはやめてくれよ。恥ずかしいよ」

「いやぁ、妹の世話を見てもらうんだから兄さんですよ」

 そう、この、ガラハッドという男はだれの言うことも聞かない、乱暴者で有名だったらしい。

 僕にもすぐにカラミに来た。

 そこを、『ピュア』で本音を聞き出したら、どうやら妹が重い病で薬を買う金を稼ぐために、ダンジョン内で暴走をしていたらしい。

 僕が「僕の部下として働くなら薬代くらい面倒みてもいい」と伝えたとたん「兄さん」と呼びだしたのだ。

 部下の面倒くらい見て当たり前だと思っていたから、逆に申し訳ないんだが、これはこれでいいだろう。

 

 ガラハッドのおかげで学んだことは、コミュ症をこじらしている僕がされてうれしいことは、多くの人が喜ぶということだ。

『ピュア』を使えば本音を引き出せる。

 本音を引き出せばその願いをかなえてやれば信頼してもらえる。

 簡単なお仕事だな。

 問題は『ピュア』と『催眠術』を合わせて12回しか使えないということだ。

 部下は百人いるのに。

 まぁ、単純計算で十日あれば解決できるので、なるべく部下と話すようにしよう。

 

 今日は早速、ダンジョン攻略の日らしい。

 千人長としてのガーベラの手腕を見せてもらおう。

 あと、心配していた、僕の方がガーベラより地位が低くなる問題は、先送りにした。

 解決方法としては、結婚までに僕の方が出世していればいいだけだ。

 百人長は問題なくできそうなので、それを足掛かりに千人長まで上がればガーベラに並ぶ。

 そこまで行けば少なからず体裁は保てるだろう。

 まあ、最悪、結婚直前に近衛騎士へ転職するって技もあるんだけどね。

 それは最後の手段としてなるべく使いたくない。

 できることなら、自分の力でガーベラの結婚相手としてふさわしくなりたい。


 あ、やっぱり、さっき、『ピュア』を使ったおかげかな?

 なんだか、ポジティブな気持ちになっている。

 そんな効果があるなんて知らなかったな。

 相手だけがピュアになるんだと思っていた。



 さて、これからダンジョン攻略だ。

 うまくできるといいのだが、僕も戦いたい。

 レベリングは途中で終わっているのだ。

 それに、アイリスのレベリングは全くできていない。

 だから、僕のメイドというポジションで連れて来た。

 サイトはめんどくさいので置いてきた。


 勇者パーティのプロデューサーというポジションもおいしいが、今は真面目に頑張りたい時期だ。

 サイトのようにふざけた存在がいると気が散る。

 隊長というポジションだが、先頭で戦うつもりだ。

 がんばろう。


「よし、アーサー隊、僕に続けぇー!」

「おおおーー!」

 百人がついてくる。

 なんか隊長っぽい。

 いいね。


 まずは、前回同様、4階層の階層主であるオーガをテイムしよう。

 それまでは、アイリスの『盾』と僕の『剣聖』スキルのコンビネーションを試す。

 ガーベラから教えてもらったが、100%の『剣聖』スキルを発動することは滅多にないそうだ。

 逆に、どれだけ抑えられるかで勝負は決まるらしい。

 100%で使うと腕が使い物にならなくなるので、半分くらいの力で使うのが通常攻撃らしい。

 僕も百人長として隊長の仕事をしながら、アイリスと練習を重ねた。

『剣聖』スキルは半分の力でなら使えるようになった。

 100%か50%かの二択だ。

 ガーベラや、先代剣聖クラスになると、1%単位で調節できるらしい。

 それは、長年の鍛錬が必要なので、僕にはまだ無理だ。


 ちなみに、『剣聖』スキルはパッシブスキルなので、常に使える状態にある。

 ゆえに、気を抜くと100%を出してしまう。

 発現するだけで非常にレアなスキルである。

 しかしながら、ストライク家の血筋のものにはなぜか発現しやすい傾向がある。

 逆に言えば、ストライク家でもないのに、発現したアーサーが異常と言わざるを得ない。

 よって、僕は『ピュア』以外のスキル情報をオープンにしていない。

 これは、多くの者がそうであるので、問題ではない。

 そもそも、ベーススキルに吸収されてしまうため、本人以外には見えなくなるのだ。

 本来であれば、ベーススキルになりえる『剣聖』が、なぜか僕には派生スキルであった。

 これが『ピュア』がいかに規格外なスキルであるのかを示す証拠となる。


 僕は『剣聖』スキルを得てから自信を持つことができた。

 あのガーベラ・ストライクと同じスキルが手に入ったのだ。

 剣聖の名は国内外を含めて有名である。

 もちろん外国にも剣聖はいるが、その情報も僕たちは持っているくらい有名だ。


 そう、僕は自信をもって何かに取り組むことなんて、前世を通しても一度もなかった。

 今回のダンジョン遠征では、隊長として、『剣聖』保持者として、自信をつけることができるだろう。


 必ず成功させて帰ってこよう。 

かなり、話数の順番がぐちゃぐちゃでした。

PCをつかって整理しました。


まだ、間違いあるかもしれません。

誤字も多いかもしれません。


間違いあればご報告いただけると幸いです。


読みにくくて申し訳ございませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ