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9、一途な想い

.....。

大会の応援に行く事になった。

因みにだが鈴はかなりスポーツマンで動きまくっている。

その為に大会に出る資格を得た様だが。

正直.....何故俺はこんな事をしているのか分からない。


俺はそんな気分じゃないが.....でも。

これを逃したく無いという思いがある。

何故だろうな。


「お兄」


「.....どうした?環」


「今日は.....大変な1日だったね」


「.....そうだな」


勉強をしていると部屋に環が来た。

それから漫画を捜索してからそのまま俺のベッドで読み始める。

環は足をバタバタさせながら漫画に読み浸る。

俺はその姿を見つつ苦笑いを浮かべながらそのまま勉強を続けていると。

環がとんでもない事を言った。


「ねえ。お兄。もしだよ?もしまた女性と付き合うとなったら鈴さんと鈴香さん。どっちを選ぶの?」


一気に崩れ落ちた。

俺の姿勢が、だ。

何言ってんだコイツはいきなり。

シャーペンの芯が折れたじゃないか。

俺は思いながら環を見る。


「.....何故そんな質問をする。そして何故、鈴と鈴香だけ?」


「いや。お兄はどっちが好みかなって」


「.....どっちも良い奴だけど俺は付き合う気はない。そしてもう二度と恋はしない」


「そう.....まあ例えばで答えてくれない?」


「何でだよ」


「良いから」


環は漫画を置きながら笑みを浮かべる。

俺はその姿を見ながら、どっちも良い子だ。.....だから決めない、と答える。

それからシャー芯を拾った。

ゴミ箱にぶち込む。


「.....そっか。.....分かった。お兄の意思を尊重する」


「.....何故そんな事を聞くのか全く分からないんだが」


「それはまあ.....うん。何でもない」


「.....???」


意味が分からないんだが。

俺は首を傾げながら目をパチクリした。

そして環を見ると環は、恋って不思議だね、と苦笑する。

それから、大変だから。こんなに、と言った。

そうだな.....。


「まあでも全部春香が悪いけどな」


「.....全部ね。.....確かに。春香さんとは.....あまり口聞けない」


「.....そうだな。.....お前の様な奴だったら好みだったかもな」


「.....意味が分からないし気持ち悪いよお兄。それは無い」


「.....そ、そうだな。例えばの話だって」


ジト目で睨んでくる環。

悍ましい目をするな。

俺は汗をかきながら必死に言い訳する。

すると環は、あはは、と腹を押さえて笑う。


「お兄。必死すぎ」


「お前が言うからだろ」


「.....そうだね。.....私が悪いね」


「全く」


そう言っていると環が、でもねお兄。周りは.....全てが悪い世界じゃないよ、と言葉を放ってくる。

闇じゃ無いから、とも。

俺は!と思いながら環を見る。

すると環は、じゃあね。漫画借りるね、と去って行く。


「.....変な事ばっかりだな」


俺はそんな事を呟きながら天井を見上げる。

そして翌日になってから.....起き上がる。

それから横を見ると.....愕然とした。

何故かと言えば。



「.....!!!!?」


「すー.....スー.....」


何故.....鈴香が居る。

こんな至近距離に.....。

俺のベッドで寝ている。


何をしているんだこの馬鹿野郎は。

目をパチクリしながらゆっくり起き上がって頬を抓るが。

夢では無さそうだ。


「.....オイ。鈴香.....」


すると、うーん、と言ってから鈴香が上を向いた。

胸の谷間が見える。

俺は!と思いながら赤くなる。

流石に思春期の男には辛いものがあった。

付き合ってないとは言え。


「鈴香!おい!」


「.....うーん.....あれ?おはようございます。せんぱい」


「お前はアホか!何しているんだ!」


「何ってモーニングサービスです」


「馬鹿か!」


俺は鈴香の額を弾いた。

それからジト目で鈴香を見る。

鈴香は、痛いですよ!?、と涙目で見てくる。

コイツ馬鹿なのかマジに。

何考えてんのか。


「お前な.....俺のベッドで何を.....」


「先輩の寝姿見ていたら眠たくなって寝ました」


「.....」


「.....大丈夫です。余計なことはしてないです」


「そういう問題か。馬鹿が」


「.....先輩。.....せっかく来たんで朝ごはん作りました。食べて下さい」


何でそんな事までするんだ、と俺は額に手を添える。

すると鈴香は、それは勿論。先輩だからです、と答えた。

意味が分からん勘弁して。

俺は考えながら、着替える、と立ち上がる。


「.....先輩」


「.....何だ」


「.....私は決めました」


「.....何を」


「私。春香先輩を忘れられるぐらいに貴方を幸せにします」


何を.....。

俺は見開きながら鈴香を見る。

鈴香は赤くなりながら俺を見てきた。

そして、私は先輩の隣に居ます。裏切らないです、と言ってくる。


「.....何でそこまでするのか理解が全く出来ん」


「.....理解しなくて良いです。私が勝手にします」


「いや.....あのな?俺は浮気されたって知ってるな?そして女性が信頼出来な口なったってのも知っているな?だったら余計な.....」


すると鈴香が勢い良く立ち上がった。

俺の胸ぐらを掴む様に駆け寄って来る。

何をする気か、と思ったが。


そのまま上を向いた。

俺の唇を自らの柔らかそうな唇で塞いでくる。

俺は愕然として動きが取れなくなる。

固まってしまった。

頬を掴みながらキスを.....き、キス!!!!?


「.....先輩。.....これで信頼出来ますか。私の事」


「.....お、お!?お前.....好きでも無い相手に対して.....何考えている!?」


「.....そうですね。いや。違います。.....私はもう隠しません」


「.....は、は。は!?」


「.....私は先輩。貴方が好きです」


真っ赤になってこれ以上無いくらいに真っ赤になって。

俺を必死に見てくるすz.....ウソだ.....。

そんな馬鹿な.....事が!?

俺は真っ赤になる。


「.....す、鈴香。.....そんな馬鹿な、馬鹿な事が.....」


「.....私は信頼してもらうならこの気持ちも曝け出します。全て隠しません。恥ずかしい事も。この体も全部曝け出します。今この場で何なら裸にでもなります。.....好きです。貴方が大好きです」


「.....」


そして、でも先輩からの返事は今は要らないです。いつか.....先輩が私を見てくれたら。返事を下さい、と言ってから。

そのまま去って行く。


正直.....春香ともキスはした事が.....ない。

あくまでこれはファーストキスだった。

あり得ない。

順列がこんな.....、と思いながら俺は気が抜けた。

.....。

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