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回復魔導士は私だけ  作者: たまごがわ
第7章
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第74話 新たな味方に

 予想外の声にアマリリスとリュウは驚き、声がした方に目を向ける。彼らの視線の先には、何故かタケルがいた。

「どうしてここに……」

 驚く二人に、タケルは軽く頭を下げる。

「ごめんなさい。あなたたちの後をつけさせてもらったの。あなたたちなら、彼を見つけてくれると思ったから」

 そしてタケルは肩に乗る程度の大きさの、白い猿のような動物を召喚する。白い猿は牢獄の扉の鍵穴に七、八センチの長い爪を入れて、しばらくカチャカチャする。すると、カチャリという音が鳴って鍵が開いた。

 リュウが牢獄の扉を開けると、ふらふらと歩いて牢獄から出てきたスグリをタケルが抱きしめる。

(たける)……」

「待たせたわね、正吾(しょうご)

 タケルの表情は今まで見たことがないほど穏やかで、抱きしめられたスグリも安心しきっているのを感じられた。

「色々聞きたいことはあるけど、あまり時間がない。こちらの状況を簡単に説明させてもらうけど、構わないかな?」

「ええ、勿論よ」

 リュウの言葉にタケルは頷いた。



「―――つまり、スミレちゃんとチヒロ君も味方ということね?」

 タケルの確認にリュウとアマリリスが頷く。

「うん。二人が教えてくれなかったら、あたしたちは何も知らないままだったからね」

 そうだ。彼らに教えてもらわなければ、ここに本物のスグリが囚われていることも知らないままだったし、一緒にいたスグリが偽者だったことにも気づけなかった。

 そして少しの間、考えていた様子のタケルが、何かを決意したようにアマリリスとリュウに言う。

「この世界の時間が巻き戻っているというのなら、今度はその水晶がある隠し部屋に、アタシも連れて行ってもらうわ。正吾をこれ以上、苦しめたくないもの」


 その直後、時間は巻き戻り、十三回目のループに突入した。



 すみれたちは水晶から手を離すと、顔を見合わせる。

「タケルさんは、あの人が偽者だって分かっていたんですね……」

 きっとタケルは自分から語ってくれると思うが、自分たちにあのスグリが偽者だと言わなかったのは、己以外に誰を信用していいのか分からなかったからだろう。本物のスグリと親しい間柄なら尚更だ。

 だがこれで、タケルがこちらの味方になってくれそうなことが分かった。本物のスグリが囚われている場所も分かったのはかなり大きい。

「よし。明日にでもタケルさんをここに連れて来ましょう」

 千尋の言葉に、異を唱える者は誰もいなかった。



 翌朝、イウスティオの監視をリュウとアマリリスに頼んだ後、すみれと千尋はタケルが寝泊まりしている宿舎の部屋を訪れていた。

 タケルは突然来たすみれと千尋に驚きつつも、追い返そうとはしなかった。

「タケルさん。私たちと一緒に行ってほしい場所があるんですが、良いですか?」

 すみれの言葉にタケルは頷く。

「それは構わないけど……理由を聞いても良いかしら?」

「本物のスグリさんに関わることです」

 千尋がそう言った直後、タケルの顔色が変わる。

「……分かったわ。すぐに準備するから、待っていてちょうだい」


次話は8月18日に投稿予定です。

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