第52話 情報収集1
翌日。しばらくの間、すみれにボディーガードをつけることになった。つくのは交代制で二人。できるだけ最強の七人が担当するようにした。
これはスグリが提案し、他の最強の七人たちも同意した。すみれは、さすがにそこまでする必要はないと言ったが、襲われた姿がよほど衝撃的だったのか、誰も頑として譲らなかった。
「んで、今日はあたしたちの担当だから、よろしく!」
「よ、よろしくお願いします」
そう言ってアマリリスとエニシダが、支度を整えたすみれのもとにやってきた。
ボディーガードと言っても、そこまで重苦しくはならず、すみれたちはいつものように依頼を受けたり、会話をしたりした。
簡単な依頼を受けた帰り道、すみれはふと気になったことをアマリリスとエニシダに尋ねる。
「そういえば、お二人ってよく一緒にいますけど、どういうご関係なんですか?」
自分にボディーガードがつくことが決まってから、すみれは千尋以外、最強の七人のことをあまり知らないことに気づいた。
あまり疑いたくはないが、スグリのように、自分たちの敵がプレイヤーに紛れ込んでいる可能性がある。だから今のうちに、少しでも情報を増やそうと考えたのだ。
すると、すみれの質問にアマリリスが答える。
「そういや言ってなかったね。あたしたちは、同じ会社の先輩と後輩なんだ」
アマリリスがそう言った後、エニシダの方を見ると、彼はそうだと言うように小さく頷く。
「部署がたまたま同じでさ、最初はあんまり話してなかったんだけど、同じゲームしてるのが分かって、気づいたら一緒にいるようになったんだよね」
アマリリスによると、流行りに乗って「リレヴァーメン」をやり始めたが、あまりロールプレイングゲームをやったことがなかったので、序盤でつまずいてしまったという。
誰か教えてくれる人はいないかと探していると、同じ部署にいるエニシダが、ちょうど自分と同じ攻撃魔導士だったので、教えてもらうことにしたそうだ。
「エニシダのおかげでこんなに強くなれたんだよ。あたしの恩人だよ」
「そ、そんな恩人だなんて……大袈裟ですよ……」
エニシダは頭を軽く掻きながら、顔を赤くしている。
その後も、アマリリスはエニシダがプレイの仕方を丁寧に教えてくれたとか、気づいたら夜中まで一緒にオンラインプレイをしていたなど、話をしてくれた。
アマリリスの横にいるエニシダは、彼女の話をどこか嬉しそうに聞いている。アマリリス自身も、エニシダの話をする時、いつもよりも楽しそうに話している。
その様子を見て、すみれは察した。
二人が自覚しているかは分からないが、きっとそういう間柄なのだ。
次話は9月30日に投稿予定です。




