栄光に向かって
見たことの無いものを見、戦ったことの無い好敵と戦わん。
翌日、俺はキユの家に来た、銃弾を量産してとお願いしたのだ。
トントン、ドアをノックしたが返事が無い。
「入るぞ」
「あ、兎角さん」
なんだ居るじゃないか。
「どうした、出来てないのか?」
「それがー、作りすぎちゃいました」
まあ、後々使うだろうからいいか。
「それとー」
まだあるのか。
「色々アレンジしたのも作っちゃいました。」
最後にてへっ、とつけたした、まあ頼んだ方は文句は言えないが。
「左が火炎弾、真ん中が徹甲弾、右が榴弾...だと!?」
「すいません...」
「いや、ありがとう」
こうして俺は新たな物を手に入れた、特徴なども教えてもらった。
そして冒険者のことを本格的に皆に伝えた、村長からは資金、皆からはエールを貰った。
「それじゃあ、行きましょう」
「ああ」
そして今日は重要指定都市のジャンルノという町にキユとナカフと行く予定だ。
何故かというと...。
「冒険者はギルドという協会に所属した方がいくつか利点があるんです」
一つ目としては知識、ベテランもいるため体験談を聞いたりアドバイスしてもらったりと俺のようにまったく知識が無い人にとってはとてもありがたい。
二つ目としては報酬、ただ旅をして廻るよりもきちんと依頼を確認でき、報酬では受けるか受けないか決めれるのだ。
三つ目は支援だ、遠い所に行くことになった場合馬車を貸してくれたりするらしい。
「ジャンルノは歴史ある町で主に鋼鉄業が盛んな所なんです、ついでに防具も見てみたらどうですか」
気が進まない、このパーカーは一見普通のパーカーに見えるが暗黒飛竜というモンスターの素材で鋼以上の硬さを誇りなおかつ機動力の妨げにもならないので堅牢なる軌道鎧に化している。
そしてこのズボンも稀少なモンスターの素材をふんだんに使っており、しなやかに動くことが可能。
この外套も風牙雫龍という存在自体が天災のモンスターの素材から作っており今まで傷一つついたこと無い、首元にくっ付いてる口を隠せるネックウォーマー的なこれは毒や睡眠ガスなどを防いでくれる。
「この服...いや、この防具は俺の生きた証で、ずっと支えて貰ったんだ、あまり変えたくは無い」
「すみません、そんな事とは知らず」
「そういえばこれを強化することは出来るのか?」
「ええ、出来ますよ」
強化してもらうか、金は村長から貰ったものを使うか、いつか返さないとな。
他にもキユも用事があるらしい。
さあ新たな一歩を踏み出そう。
さあ今こそ血と汗だらけになり培った力を魅せつけろ。