黒い兎が夜を駆ける
さらなる光へ向かって。
どうせいつかはばれるものだ、隠していたことも含め話そうと思う。
「昔話してやるよ、ただ隠してた事もあるんだがいいか?」
「うん、いいよ」
「私も興味があります」
「キユさん...まだ居たんだ」
「失礼な」
さてまたかと思う人もいるかもしれないが少し付き合って欲しい。
俺は幼い時から扱われ方が酷かった、親は怒鳴り蹴り倒してきた。
そんな環境で育ったせいか俺はあまり人を信用出来なかったのだ、そのせいで学校生活でも苦労した。
そんな自分が唯一信用出来たのが力だった。
努力すればするほど報われなかった日もあったが報われた時の達成感などがたまらなかった。
しかし金もかかる学校に行かせたくなくなった親は俺を捨てたのだ。
この世界と似ているように元の世界も無数のモンスターがひしめいていた。
「別の世界から来たんですか」
「ああ、そうだ」
だがそんな時モンスターの巣を見つけた、奇跡的に俺は生き残った。
そして生き残り続けた、そうするうちに力と技の他にその素材を売ったりしてわずかな金も得た。
地道な努力のおかげか俺はいつしか最強と呼ばれるようになっていた。
「そしてなんらかの影響でこの世界に飛ばされたんだ」
「戻りたいですか?」
「さあ、どうだろうな」
さあ今日はもう休もう、また来る明日の為に
大空へと願い込めてこの足に力を込めていつしか空を飛んでみたい。