努力の結晶
努力と結果の反比例、これが一番辛いと思う。
その日の夜。
「村長、これではっきりしましたね」
「自分の武器を見せるなどわしはそんな暗殺者は見たこと無いな」
「それが罠のようには到底思えん」
「すごい重かった」
「それに兵士にも気付いてなかったしな」
「そうかな、ダーク」
恐らく気付いていただろう、結構警戒していたし、恐るべき状況把握能力。
「まだだ、もっと速く」
その頃兎角は森を走っていた。
(魔法のことは仕方ない、俺には俺の長所がある。)
今までもそうだった、努力して努力して泥にまみれて培ってきた。
新しい物にとらわれず今の能力で。
「そろそろ戻るか」
村に帰ってる途中ナカフに出会った。
「兎角さんも修行ですか、私も毎日魔法の練習をしてるんです」
「そうか、地道な努力ほど難しい物は無い、諦めずに努力することだ」
そう言い帰ろうとした時。
「あの聞いてもいいですか、今までのこと」
気になるのだろう、仕方ない。
「いいが、あの見せてもらった袋を貰えないか」
「すいません、あれは本人しか開けなくて、上魔法だと誰でも使えれる物があるんですけど、達人とかじゃないと作れなくてそれに...」
「高いのか」
「ええ、少しですが、作れる人が少ないもののたくさん作っているので」
なるほどな。
「ところでなんで今までの事を聞きたいんだ」
「えっと、その」
「すいません、そういう子なんですよ」
「あ、キユさん、...居たんだ」
「ひどいですよ!」
どうやら俺が村に来た時には居たが警戒して出なかったらしい。
「キユさんは国お抱えの魔術師なんですよ、今は修行中なんです」
「初めまして。」
だからか、兵士を配置してまで警戒してたのか。
元の世界に戻れるのだろうか。