罪人
「被告を能力抑制と終身刑とす」
裁判官の思わぬ言葉に動揺して、
「なんでだよ宰相の孫で大臣の息子の俺に終身刑なんてふざけるな」
自分の怒りと共に魔力が集まり始めるはずが、
「アンチマジックエリアか」
魔力をカーペットの下に隠された魔方陣で集まらないようにしており用意周到と言うことかとさらに怒りを思えると、
「レイノルズいい加減にしないか、大人しくしろ」
じいちゃんの声と思いながら振り替えると白いローブを着た王国の宰相であり大魔導師そして私のじいちゃんがこちらを見ているので、
「何でだよ今までと同じことをしただけなのに助かったんだから良いだろ」
「お前は分別と言うものを学ばなかった様だな」
そう言うとスリーブの魔法を詠唱し始め私はそんな初級の魔法には楽勝であがなえると意識を集中しようとしたが何故か意識が集中できずに意識が飛んでしまった。
「いたたた」
意識を集中させない何かが神経に負担を与えたのか頭がいたい、体はまだ動かすことはできずに目も開けず声は小さく出せる。
「こりゃ本気なんだろうな、能力抑制ってあれだよな」
じいちゃんが英雄と魔王を討伐に向かったが魔王は不死であり倒すことができない、そこで倒して再生している間に体の魔法で言うマナを取り込む場所に聖痕を刻み魔法を唱えてマナを圧縮すると魂に激痛が走り詠唱をする集中力を切らせる。
大きければ大きいほど激痛は大きく魔王でさえも肉体が崩壊してさいど再生を繰り返していると、人間にすれば死を意味すると言うことをじいちゃんが教えてくれた。
「どうするか聞いてるから緩和か出来れば無力化したいが体に痕跡を残せばじいちゃんは気がつくよな」
そう思いふと考える。
「魂を一時的に入れ換えれば」
禁呪であるがこのままと言うのは絶対ごめんだ、
私は周囲を魔法探知してみると隣の牢屋に誰かがいたのでそれの魂を縛り私の体にいれ私はその男の体に移った。
「気持ち悪いと言うかこの感覚は不味い、でもこれを耐えなければ」
そう言い聞かせていると隣の牢が開かれて連れていかれた。
どのくらいかわからないがこの気持ち悪い魂が周りに直接触れている鋭敏な感覚が時間さえも忘れさせるとようやく戻ってきた。
「レイノルズよ、自分のしたことを一生ここで悔やむがよい、せめてものじいのなだけだ」
じいちゃんの声と共に閉められ静かになった。
急いで自分の魂をもとに戻す。
聖痕は体とその男の魂に刻まれており不安定な状況にあり先ずは初級魔法を唱える。
マナが少しだけ集まった瞬間、隣の牢の男が悲鳴をあげ私の体にも痛みが走る。
こんなものならまだ大丈夫と牢屋の壁に設置されているアンチマジックの障壁の1点に解除の魔法を叩きつけるとお互い対消滅して消え隣の男の悲鳴は消え魂もそこから無くなった。
「逃げよう」
ただの壁にリコンポーズの呪文をかけて分解した。
「いてえ、焼けるようだがまだ耐えられる」
マナを集めた瞬間、片割れの魂が消滅したので何割かはこちらに戻ってきているが耐えられない訳じゃないと言い聞かせ脱走をした。
「さすがにばれるのが早いが何とかなる」
散々王都は遊びまわっていたおかげで裏道や下水道まで把握していたので隠れ家の一つに向かう、下水道を走り抜けると貧民街でありよそ者は入れないが私は悪友と出入りしていて全てを遮断したい時の場所を持っていた。
部屋に入ると準備していたお金や携帯用の食料や服を鞄に積めおわると、
「さすがに早い、もう囲まれたか」
急いで鞄を担ぎマッチに火をつけて導火線につけるとタンスを動かして飛び込んだ。
前に見つけたのを何かのためにと暇潰しに作った脱出路で滑り落ちていく、しばらくすると上では次々と爆発が起きてこの路ごと消し飛ばして目的の場所へおりた。
「先回りか、さすがは大魔導師お見通しか」
目の前には冷たく見つめる身内だった年寄りが立ちはだかり何時でも発動できる準備をしていた。
「ここで消えるがよい」
予想通りで無詠唱でマジックミサイルが無数飛んでくる。
痛みと暑さを感じながらアンチマジックシェルを展開して無効にしながら隠れ家から持ってきた水晶をポケットから出すと魔力を込めた。
水晶はマナを吸収し決められた量に達すると光を放ち飲み込まれていく、
「このかりは必ず返すからな、覚えてろ」
消える瞬間に捨て台詞と共に眉間にしわを寄せた大魔導師を睨み付け転移した。