第7話 先生が唯我独尊すぎてヤバい!
書けなくなるとは一体…ウゴゴ
話完全に変わるのですが、1〜6話を見直して我ながら酷いなぁと感じたので、全話修正させて頂きました。
大まかな流れは変わってないのですが、宜しければ読み直して頂けると幸いです。
これからは3回見直してから投稿しないとですね。申し訳ございませんm(_ _)m
マリアが席に座ると同時、先生が満面の笑みで拍手をしてきた。
「うんうん、やっぱりレイ君から初めて正解だったわぁ。みんな負けてたまるかって顔してるしぃ、うんうん≪ヒト族≫の子が諦めて無いのに他の種族の子が諦めれる訳ないもんねぇ」
ふとクラスを見回してみると全員が決意の固まった表情だった。
少なくとも俺が宣言した時の信じられない者を見るかのような表情ではない。
──流石マリアだ。この学院に入学出来るのはエリートのみ。それも15歳という枠組みでそれぞれの種族のトップ20というエリートだ。だからこそこの学院に入学出来た彼らは総じてプライドが高い。
そんな彼らですら負けても仕方ないと思わせるほど強いマリア。それに挑む≪ヒト族≫
俺が言った直後のマリアの宣言は絶対に負けないという宣戦布告。それも数でしか戦えないはずの≪ヒト族≫に対する。
プライドが高い彼らが除け者にされることを許せるはずがない。
俺こそが、私こそが、ランキング1位を倒そうと
つまり彼女はたった一言でこのクラスのモチベーションを最高潮まで高めた。
「レイ様の宣言無くしてこの状況を作り出すのは不可能ですわ。期待してますわよ?」
前を向いたマリアの小さく、ぼそっと言われた言葉がレイに聞こえることはない。
マリアは窓に移る群青を眺めながら、全力を出し切り、それでも負ける相手が現れることを願うのだった……
「せっかくだからぁ席順でもいいんだけどぉ、もうちょっと競争心煽りたいしぃランキング順でいっちゃいましょうかぁ。えぇっと次の子はぁ」
そういいながら教壇から真っ黒な縦長の薄い帳簿とりだし、めくり始める。
えっ生徒帳簿がなんでそんなヤバい色合いになっちゃってるんですか
「あっ、この帳簿はぁ、先生以外の子が触っちゃ駄目だからねぇ? 死にたいなら直ぐ逝けるらしいからその時はお勧めよぉ」
ひえっ明らかにやばいやつだ。てか何を書けばそんなオーバーセキュリティになるんだ…
「はぁい次はミリアちゃんねぇ。それでは行ってみましょぉー」
やる気の奪われそうな言い方でゴーサインを出し、斜め前に座っていたマリアが立ち上がる。
座っていてもちっこかったが立っていてもちっこいな
「ランキング8位 ≪エルフ族≫ マリア=アルフヘイムです。えっとみなさんと仲良く出来ればと思います。目標はそこの1位と2位を蹴落とすことです。よろしくお願いします」
ぎこちない動きで座るミリア
朝のヘッドバットした威勢はどこへやら、微妙に内弁慶の気質あるんだよな
「はぁいありがとねぇ、それじゃあ次はシロちゃん行ってみようかぁ」
まさかのクラスの上位4人が端っこで固まったいたとは、隣の席のシロが立ち上がる。
相変わらず尻尾をふりふりしていて愛らしい
俺の親友は癒しだなぁ
「ランキング17位 ≪獣人族≫ シロです。 えぇっとこの学院に入った目標は今日達成されちゃいましたので」
そう言いちらっと俺の方を見る。どこか熱っぽさのある視線で少し困惑。そういう視線は将来の彼氏ちゃんに向けなさい。あっでも俺以外の奴がシロの隣を歩いてるって考えると少し胸がもやもやした気持ちになるな。
「全力でレイさんの為に動こうかなぁと思います。あっでも来年もレイさんと同じクラスになりたいので、ランキング戦では潰しますのでよろしくお願いします」
そう言い終えるとペコリと一礼し、席へと座る。
これはちょっと後でシロと話し合わないと、親友とはいえ流石に全力でというのはまずい。嬉しいのだが、彼女にも彼女の学生生活があるだろう。シロなら本気でやりかねん。
……それからも自己紹介が続き最後の子が言い終わった。
取りあえず全員マリアの名前を出していたため、対マリアへのモチベーションは完全に取り戻されたと見ていいのだろう。
「はぁいみんなありがとねぇ、先生こんなにやる気に満ち溢れたクラス持ったの初めてだから楽しみぃ。
それじゃ、最後に先生の自己紹介ねぇ。まず先生の名前はぁ「ちょぉぉぉぉぉとまてぇぇぇぇぇ」あらどうしたのぉレイ君?」
「どうしたもこうしたもねぇよ何が『もう先生皆さんに自己紹介したので後で他の子から聞いてくださぁい』だ!やってねぇじゃねぇか!」
思わず立ち上がって全力抗議
「お前らもお前らだ!先生の嘘だって分かってんだろ!なんで教えてくれねぇんだよ!」
そういいながらクラスを見回すと全員から目を背けられる。中には必死で笑いを堪えてる奴も……あっヤバいちょっと心折れてきた。
「もういいよ……」
とぼとぼと椅子に座る様は正に負け犬のそれ
いいもん後でシロに慰めてもらうもん……
「あらあらぁ、これはちょっと虐めすぎちゃったかしらぁ? ほらレイ君あとで先生がぎゅーってしてあげるから元気出してぇ」
先生からハグ…だと…!? あの母性溢れる女性らしい柔らかそうな肌…膨よかな胸…
「はい!今すぐ元気になりました!先生今すぐでもぜんぜ「レイサン」ん――」
地獄の冷気が生温く感じるほど冷えた声、発信源は真横
ギギギと首を動かした先には透き通った水のように蒼い瞳を底の見えない泥のように淀ませ、後ろに般若を呼び出したシロそこにいた。
お、おいシロ? 癒しキャラだったお前はどこにいったんだ? お、俺の心のオアシスがそんな枯れ果てた砂漠みたいな救いのない表情をするんじゃない
「後でレイさんにはシロがたっぷりとぎゅーってしてあげますから、先生なんて、キョウミナイデスヨネ?」
有無を言わさぬ威圧感を放つシロ
いつもの無垢な人懐っこい犬の面影はなく、その表情は正に修羅場を乗り越えた野生の狼のそれ
余りの威圧感に思わず背筋を伸ばしてしまう。
「は、はい! 勿論です!」
「ですよね! もーレイさん浮気はメッですよ? あんまり浮気しちゃうと……エグッチャイマスカラ」
無垢な笑顔に戻った直後に再び般若を呼び出すシロ
親友ってここまで拘束されるもんだっけ…? 例え万が一もしも恋人とか夫婦だったとしても結構ヤバい気がするが
……何気にえぐっちゃう場所を指定してないのもヤバい
「痴話喧嘩はその辺で終わって貰っていいかしらぁ?」
「何が痴話喧嘩だ! 大体原因はあんただろうが!」
「あらぁ? 先生をあんた呼ばわりとはいい度胸ねぇ。ちょっとイラっとしちゃったしぃ、ランキング1位さんに立ち向かうのは勇気だけどぉ、先生に逆らうのは蛮勇よねぇ?
ほんとぉはぁ、ランキングの恩恵の説明をしてからにしてからにしようと思ってたんだけどぉ……」
言い終わるや否や、教壇から教室のドアまで歩き出し、そしてドアを開いてから改めてこちらを向く。
「先生逃げちゃいまーす。最初に先生を捕まえれた子にはぁ……んー、マリアちゃんの弱点教えちゃいましょぉ、頑張ってねぇ。本棟からは出ないであげるからぁ……必死こいて探しなさぁい」
言い終わるや否や先生の姿が靄のようにぼやけてゆき、そして数瞬後には消えてしまった。
ここまで読んで下さった皆様に格別の感謝をm(_ _)m