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「く、来るなあ!汚い人間・・大人を信用できるかっ!絶対!お前の奴隷なんかにならないぞ!」
『何を勘違いなさっているのですか?あなたはそこいらの売り物と同じ『商品』。食べ物や玩具が買い手に反抗しますか?口を聞きますか?聞かないですよね?それに・・勘違いしてはいけません。奴隷?ああ。そんないいものではありませんよ?あなたはに24時間手錠で拘束し・・『性奴隷』になって頂きます。ムフッ。人間らしい暮らしができると思ったら大間違いですよ?それどころか・・一切の自由を与えませんので。廃人になるまで頑張って頂きますよ?わたくしの見立てでは廃人まで3ヶ月といったところ。あなたのメンタル次第ではもっとでしょうか・・・』
「ヒッ・・・!」
「い、妹に手出ししたら・・ボクが黙っていないぞ!!」
『?何を勘違いしていらっしゃるのですか?あなたもろとも『性奴隷』ですよ?見れば兄妹揃って美形のエルフ。しかも若い。非常に珍しい商品ですよ・・・クク・・たんまり稼いで頂きます。あなたは男性ですからね?その道の男の人達に需要は大いにあるんです。クク・・妹さんよりもっと過酷なーーー』
「あのー・・・あちらの方はお連れ様ですか?」
『いえ。知りません!知らない方です。全然知らない方。』
「そ、そうですか。ど、どうです?こちらの女性。それはもう美しい髪でーーー」
『俺の要望をしっかり聞いていたのか?こんなたっかい金額の奴隷がいるフロアじゃなくてな。捨て値同然のクズ奴隷が欲しい、って言ってるんだ。いや。お前じラチがあかない。トップを出してこい。トップを。金ヅルがやってきた、とな』
「い、今すぐにーー!」
『フン。国に一つある奴隷市場、ね。しかし・・この規模はどうだ?小国とは思えないほどのデカさ。どうやらこのスワ国。本当に末期も末期だな』
「おや・・美しい我がスワ国をそのように言われるとは・・心外ですな」
『おー。ようやくおでましか。奴隷商の親玉。俺の要望は聞いてるんだろう?くだけて言うと質より量。それも大量だ。ビックリするくらい大量に買ってやる』
「それはそれは・・奴隷商冥利につきますゆえ。ところで・・ぶしつけですが・・・その・・お代のほうは・・」
『即金だ。』
「そ、即金ですか?」
『ああ。嘘はつかねえ。ただしな。これだ。これで払う』
「これは・・・!魔力鉱石?しかしこの輝きこの純度・・!」
『純度だけじゃねえ。この魔力鉱石はな。水にうるかせば極上の酒として。火で炙れば10倍程に膨張し最上級の肉になる。新しいだろ?』
「古来より魔力鉱石は・・武具作り、薬品作りにおいてのみ活用されてきましたが・・『食用』に転用できる、と!?世界の常識さえも覆しかねない・・・」
『ああ。そして。これと同等のモノを大量に持っている。持ってきている・・・といったらどうだ?』
「!!」
『コレだけ大きい奴隷市だ。そしてお前さんはそこのトップもトップ。当然・・・黒いコネクションとやらはあるんだろう?このとびっきりの魔力鉱石を。お前なら存分に有効利用できるはずだ』
「クフ・・・しかしこれほどの魔力鉱石。一個人で持つにはいささか・・このような大商談。気の弱いわたくしめは正直ためらってしまいます・・・」
『あー。買い叩くつもりなら別に構わないぜ?それを見越して大量に持ってきたんだ。だから言ったろ?金ヅルが来たって。誓って盗品ではないがな。とにかくこっちは大量に奴隷が欲しいんだ』
「クフ・・クフフ。どうやらあなた様は本当に良いお客様のようだ・・」
『お互い納得したうえで。早速商談だ。下から順に。金額の下から順に買えるだけありったけの奴隷が欲しい。重病患者だろうが精神疾患だろうがかまわねえしガキだろうが老人だろうがなんでもいい。値段もな。この魔力鉱石で悪いが。そっちの言い値でいいや』
「・・・っ!あなた様はこの世の神か!?奴隷界の神がここにっ!?」
(神ってか神なんだけどな。奴隷界の神ってなんだよ)
『これだけ大きい奴隷市だ。俗にいう始末に困った『不良債権』とやらは大量にいるんだろ?一式買い取るぜ?一式。ああ。余りにウマイ話だからといって警戒するなよ?こっちは使えようが使えまいがとにかく人手が欲しいんだ。それも緊急にな。お前さんは急いでいる世間知らずの客をカモにしたと思えばいい。まさに利害の一致ってヤツだ』
「クフ・・クフフフ!神様!おおこの世神様!!このコルネト。一生着いていきます!!」
(うん。これは一応・・神バレにはならないみたいだな)
「ところで・・あちらの麗しき女性のお方はお連れ様でいらっしゃいますか?見ればこの高級フロアの奴隷達を・・・片っ端から泣かせているように見えますが」
『あ、知らない人です。出禁にしたほうがいいんじゃないですか?店のためにも』
「ははっ!わかりました!神様!!おいっ!つまみ出せ!!」
『おやおやあ?もう泣いちゃうんですかあ?言っておきますが・・・本当の地獄はこれからですよ?『性奴隷』としての本当の絶望をーーーーっ!あなた達!なんですの!?わたくしを帝国アロンダイトの姫と知っての狼藉ーーー』
バタバタバタッ・・!
バタバタッ・・!
バタッ・・!
(あの店っ!やめたほうがいいですよっ!サービスがよくないっっ!)
(いや・・・アレだけハメはずしてたらそりゃ追い出されるだろうよ・・・しかもお前。大体性奴隷パターンじゃねえか。ワンパターンの荒らしかっ、つー)
(ただでさえ絶望の色が濃い奴隷の人達。その人達に親切心から本当の絶望というものを教えてあげてるんですよっ)
(お前本当に【創造と平和の女神】か?まあいい。神器【ブラックボックス】渡したろ?こっちで実体化して・・神技使えないから、と保険で持ってきた神器。アレ使うからな?)
神器【ブラックボックス】!
神界でのみ創られる幻の超レアアイテム!
【ブラックボックス】は生物以外の物体を無制限に収納できる魔法の箱だ!
さらにさらに収納した物体は腐ることなく保存されるオマケつき!
これはまさしく・・・幻の超レアアイテムだ!
(ムフッ)
(まあ適当に時間潰しておいてくれ。すぐ終わるから。会計の時、また呼ぶ)
『ああ。悪い待たせたな』
「いえいえ。神様。わたくしめ愚民ごとき気になさらずに。さあここが・・ゲホッ・・最下層・・・底辺奴隷のフロアです」
『その神様ってのヤメてくれない?なんかヒヤッとするんだよ。おーおーいるねえいるねえ。しかも高級フロアとは違って檻すらもらえずにまとめてタコ部屋ってか。ハハッ。こりゃあ感染病とかヤバそうーーー』
「では、まずはじめに。労働待遇から。伺いましょうか」
『んっ?』
「聞こえなかったのですか?買主様?私達には買われる以上、健康で文化的な生活をする義務があります。権利があります。当然。当然今現在病にかかっている者は全て治して頂くとして。話はそこからーーー」
(これはもしや・・!)
「こらっ!底辺奴隷のガキがっ!うちの神様になんてクチをっ!」
「?私はもう買われる身、なんですよね?仮契約中。ですので以前の奴隷主であるコルネト様は今はもうヨコから口を挟むべきではない。今は大事な労働契約の場です。ああ、ここにいる100人の総意として私が代表してますから」
『ほう・・これはこれは。ご丁寧にどうも。貴重な政治キャラっぽいな・・・どれ』
ゼント・アカシ(12)
格付け:C
職業:奴隷
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政治 6
武力 7(-3)
→『ステータス』
Lv:1
Hp:22/22(-3)
Mp:5/5
武勇 8(-2)
統率 9(-2)
魔力 6(-2)
『スキル』
土魔法(1) 話術
『ユニークスキル』
名将
『経験値』
5P
状態:高熱
『ダメじゃねえか!!お前!ステータスてんでダメじゃねえか!ダ・メ!!』
「ス・・テータス?ハアッ・・ハアッ一体なんの話です・・か?私達奴隷は労働環境をーーー」
ーーードサッ
「フンッ。失礼致した・・神よ。あらかた病で勝手に倒れたのでしょうが。このように頭の狂ったガキから喋れない老人。果ては病といったどうにも始末に困った不良債権どもでございますれば。本当に全て買い取って下さるのでありますか?」
『ああ買う。全員だ。それとな・・』
「それと?」
『このガキは狂ってなんか、いねえよ。こんな政治力でまして高熱状態で・・・ただただ必死だったんだろ。それこそ怖くて仕方ないのに。なけなしの勇気を振り絞ってな。チッ・・まあいい。ここにいる全員。これでいくら分だ?』
「は、はい。なんせ数が数ですからな・・この手のひら大の魔力鉱石の・・・できれば・・20個程頂ければ・・・」
『ああ。それでいい。この『サンプル』の魔力鉱石50個分は持って来てるんだ』
「ほ、ほんとでありますか!おお神様!大切に!大切に使わせて頂きます」
(フン・・真っ黒なコイツのことだ。せいぜいこの魔力鉱石の素晴らしさを権力者どもに広めてもらうために一役かってもらおうか。欲深い権力者どものことだ。おいそれと1個で満足するはずもねえ。クク・・・大切に使えよ?コレが無くなったらお前の存在価値は無くなるんだ。言わば命の麻薬。お前の命のな)
『商談成立、だな。したら今とってくるから。残った分はそうだな・・中層の奴隷でめぼしいのを何人か・・・』
その時!
自身の体に戦慄が走る!!
『もしかして俺は・・・大事なことを見落としていないか?』
ガタッ!
ドタドタドタッ・・・
ドタドタッ・・・
ドタッ・・・
『さあさ!飲めや唄えの無礼講!!ここに用意し至極の酒に万物の肉!!こんにちだけはこの世の苦を忘れ去り!飲めや唄えの無礼講!!』
「ねえちゃんっ~!いいぞいいぞ~!」
「酒足りねえぞ~酒~!!」
「母ちゃん・・お肉おいしい・・」
「よかったねえマサル・・・ホントに・・・よかったねえ」
「俺は一生ねえちゃんについていくぞー!」
『・・・』
『あ、どうもっ』
『・・・』
『ムフッ』
『残して・・くださったんですね・・・』
『ヤだなあ。当たり前じゃないですか~!ほらほら10個は残ってますよお?』
『ありがとう・・ございます・・』