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『へへっ。本日は忙しい中でのお目通り、非常に感謝するぜ。といっても非公式だがな。急な来訪で悪いが。話は聞いてるんだろ?まあ今日は・・・ぶしつけで悪いがな。その返答。返答伺い、ってとこだ』


「こちらこそ・・このようにスダレ越しで・・・コホッ・・魔王様の使者の方に・・失礼なることお詫び致します・・」


『あー。気にするなよ?病床なんだろ?これから裏同盟・・お互い深い仲になろうってもんだ。失礼の1つや2つ。で、その裏同盟だが・・・返答は?』


(ぶっちゃけ、あなたのほうが失礼なんですがね~。ホジホジ・・・仮にも1国の姫君にむかって。使者の言葉使いか?それ?っていう)


(うるさいよ。つかお前も飽き飽きしてんじゃないか。こういうかしこまった場は早々に切り上げてだな。本題の奴隷買いにいくぞ。なあに同盟はどうせ成功だ。成功。結果の見えてるくだらん儀礼通過、ってヤツさ)


「ス、スマン!!」


『え?』


『ワオ』


「我らは昨夜この国・・スワ国に帰投し。すぐさまここのスワ姫に報告した・・・事細かにな。魔王殿の深い慈悲の心にスワ姫はたいそうお喜びになったよ・・・本当。本当だ!」


『えっ?ええっ??』


『ムフッ!この流れは・・もしや!もしやああ!』


「そこから先はワタシが話します・・・コホッ・・ワタシは明朝すぐに我が父・・・スワ様に詳細をお話しました・・・もちろん魔王様より承りし貢物・・・『神剣フェニックス』を持って・・」


『う、嘘ですよね?この条件で断る・・・断るバカってい、います?で、溺愛されてますよね??』


『ムフッ!ムフフッ~!!』


「コホッ・・ワタシの力が至らぬばっかりに・・・!」


「この非礼!かくなる上はこのクロエ!腹を切るしか道は・・・!」


「クロエ。コホッ・・・あなたはワタシのためにそれこそ・・・骨身粉身となって必死になって働いてくれました!あなたにそのようなことだけは!」


「スワ姫・・・」


「使者様!どうか!関係ないものの命だけは!悪いのは・・コホッ・・全てこの国の姫たるワタシにありますっ!ワタシの身はいかようにでも・・・!」


『ムフッ!じゃあまずは性奴隷から、ですね~!聞けば絶世の美女。需要はいくらでもーーー』


『お前は黙ってろ。どんだけ性奴隷堕ち好きなんだよ。ああ・・・ったく。ま、まあ。姫さんよ。昨日の今日でこんなフッてわいた話・・・それも胡散臭い【魔王】様からだ。そりゃああんたのオヤジじゃないが・・警戒するのも当然ってヤツだ』


(断られるとは思わなかったけど)


『なあに同盟はどうせ成功だ。結果の見えてるくだらん通過儀礼、ってヤツさっ!キリッ!』


「使者殿!?いかがなされたっ!?」


『あ、ああいえいえ。とても残念至極、ですわ~』


(~~~!)


「ワタシ個人・・コホッ・・個人としましては非常に有難いお話だったのですがーーまさに絶望の淵から手を差し伸べてくださる夢のような・・・!」


『ほ、本当にな。ウチの魔王様はバカ・・優しいお方だからな。スワ姫のことをただ助けたいと思ったのよ。本当だ。しょ、正直この裏同盟はそちらさんにデメリットは無い筈だから・・・』


「ーークロエ。コホッ・・スダレをあげなさい。せめてもの謝意を示したいのです・・・」


「っ!それはっ!それだけはっ!!」


「・・・いいからあげなさい」


カラカラカラ・・・

カラカラ・・・

カラ・・・


『んー』


『んー』



アイ・スワ(20)


格付け:D

職業:巫女

------------

政治 27


武力 1(-3)

→『ステータス』 

 Lv:3

 Hp:7/7(-14)

 Mp:6/6


武勇 1(-1)

統率 2(-2)

魔力 7(-3)


『スキル』

風魔法(1) 不運 慈愛 

『ユニークスキル』

薄幸の美女


『経験値』

 0P


状態:重病(天然痘 肺結核 赤痢) 



『お前死にかけじゃねえか!!!SI!NI!KA!KE!』


『ちょっ!声が大きい・・・』


『あ!ああ・・取り乱してすまん。いやあしかし。絶世の美女とやらが・・ハハッ。見る影もねえなこりゃ。顔中湿疹だらけでひでえもんだ』


「いくら魔王殿の使者といえど姫様にかような暴言はっ!姫様は!姫様はなあっ!」


「・・・よいのですクロエ。コホッ・・このようにワタシは明日とも知れぬ身・・どうか今回の件の不義はワタシの身をどうとでも・・・!」


「くっ・・・!姫様!!」


「魔王様のおかげで・・コホッ・・一時でも夢を見れました・・・とても美しい夢を。それだけでワタシはもう・・」


『ハァ~・・・』


(・・・オイ。女神。アレを出せアレを。どうせ。しこたま持ってきてるんだろう?)


(ムフッ?アレ、とは?)


(しらばっくれるなよ。ホントに。嗜好品に目がないお前のことだ。異世界神移するにあたって・・持って来てない筈がない。お前がな。一つくらいいいだろ)


(わたくし・・・チラッ。神界の地獄巡りのポイント券。苦節10年・・・あと2枚。あと2枚で・・地獄巡りの一日優待券がもらえますのっ!これ!!実は、実はですけどね~)


(ん?ああ??この前閻魔からもらった券のことか?閻魔。嘆いてたぞアイツ?地獄巡りツアー過疎ってるって。ゴミのようにあるポイント券をどうしたもんかと。しかしまあ・・地獄巡りにご執心だとはな。お前本当に【平和と創造のーーー)


ガタッ!!!


『ただちに!それをよこすんだあああっっ!!今すぐにだあっ!!!』


「使者殿!?いかがなされたっ!?」


『あー・・・。なんでもない。コイツも病気なんだ。頭の病気。それこそスワ姫よりよほど重い難病だ。そんなことよりな。今コイツの懐から落ちた瓶の液体よ。元々姫さんに献上するために持ってきた魔王国の妙薬だ。アルテミスの水・・・だったっけ?』


『正式名称は・・・ホジホジ・・んー・・・ジュースですね。多分ジュース。神界のアルテミスさんが作ってるヤツ。大量にパクってるんでまだまだ在庫はーーー』


『あああああーー!!とにかく薬だよ!ク・ス・リ!それも万病に効くとびっきりのなあ!』


「なん・・・だと!?」


「コホッ・・感謝のしようもございません・・・ワタシは既に手遅れですが・・最後の最後でこのような人達にめぐり会えて・・・本当に良い夢をーーー」


『いいから飲め。今すぐにだ。無理矢理にでも押し込むぞ』



コクッコクッコクッ・・・

「にがっ!!!これめっちゃにがっ!!!」


「ひ、姫様!?いかがなされた!?」


「ああ。大丈夫ですクロエ・・使者様・・・今回の件。ワタシはこの先一生忘れまーーー」



シュオオオオン!!



「こ、これは・・!?」


「ひ、姫様のお体がっ!お顔がっ!あの美しかった頃に・・・も、元に戻って!?」


(スゲエなこの水・・・即効も即効かよ)


「か、体だけではありません・・!胸が・・呼吸が全く苦しくないのです・・・これは一体!?」


『だから妙薬っていったろ?まあ同盟が成らなかったのは残念だが・・魔王国の姫さんに対する姿勢は変わらず、ってところだ。分かってもらえたか?』


「ひ、姫様あ!姫様ああああっ!ウエッ・・ウワンウワンワンッ!!」


「ありがとう・・・ございます・・」



(んっ・・・?)



『れ、礼とかいらねえからな?その代わりといっちゃあアレだがここで奴隷を買う際の問題をだな・・・』


「元よりそのつもりでした。ワタシの名前でも・・多分大丈夫だと思います」


『へへっ姫さんよ。分かってるじゃねえか。俺らは一介の奴隷商。魔王の使者と姫さんの謁見なぞ無かった』


「・・・クロエッ!今すぐ紙と筆をっ!」


「ウエワンワンワンッ!!ウエワンワンワンッ!!」


『ワオ!まだ泣いてる!!ムフフッ・・どんだけ忠犬なんですかあー』


『ま、まあ奴隷商の手形さえもらえりゃこっちは充分だ。同盟不締結にしては充分すぎるくらいの収穫。あとは・・そこのクロエと桜華騎士団の今後だな。これはあんたに任せる。元よりこの姫さんの忠犬ハチ公、こっちにはどうとする権利もないしな。魔王討伐失敗でダグダ家に怪しまれるようなら一時的にこっちに亡命してくりゃいいってもんだ。』


「度重なる配慮。誠に感謝致します!・・・それだけが心残りでした。ここのクロエを初めワタシの騎士団は本当に・・見ての通り真っ直ぐで。いつもワタシは守られているばかりでした」


『ふうん。で、だ。ここからが新提案。きっと驚くぞ?よければだが姫さん。あんた魔王国1回来てみないか?遊びに。その早速健康になった軽い体で、だ。魔王国は小さいけどな。物資は豊かなんだ。もちろんお忍びで来りゃあいい。同盟不締結でこんな申し出、どうよって話だがな。元より魔王国と姫さん個人の密約みたいなもんだったしな。てかこれ。実質同盟だよなあ!こっちはもらうもんもらってるワケだしよ』


「それが叶ったら・・・とても楽しく・・幸せなことになるのでしょうね」


『へへっ。だろ?なあに政治的な問題は簡単にクリアだ。あんたは言っても絶世の美女だ。魔王に拉致られた、ってことにでもしときゃあいい。もしあれだったら騎士団連れて日帰りツアーとかでもいいしな。あー魔王国のヤツらなら大丈夫だ。基本脳筋だけど大事な客にちょっかい出す野蛮なヤツはいないから』


「ウフフッ・・・世界を絶望へと陥れるはずの魔王国へ楽しくツアー、ですか。とてもいいですね」


『よ、よしっ!そうと決まれば話は早い。早速魔王のバカにこの話を持っていってだなーー』


「少しワタシのお話を。何の疑問も持たずにワタシは物心ついた時から・・そこのクロエに守られてきました。ワタシにとっては姉も同然。いや。姉以上の存在です。やがてクロエは義勇を募り。桜華騎士団を立ち上げました。ワタシには家族が増えました。大事な大事な家族が。時には笑いあって、時には泣きあって。本当に今まで・・・守られているばかりでした」


『んっ?』


「今回の件にしても元はーークロエ達が命を賭けて、この・・魔王討伐という自殺行為。ひどい勅命を受けてくれたからこそ。あなた方のような素晴らしい人達にも結果的に出会える運びとなりました。こんな薄汚いワタシに命まで賭けて」


『・・・』


「・・今度はワタシが守る番です」


『・・・!』


「とても大事な・・やらなければいけないことができました。全てをあきらめていたワタシの体にこのような奇跡。あなた方との出会い。きっと神様が天から贈ってくださったのでしょう。どうか桜華騎士団・・ワタシの家族。何とぞ。何とぞよろしくお願いします」


『っ!おいっ!姫さん?あんたはそれでーーー』


「さようなら。旅の・・奴隷商のお方。良い旅を。最後に一時の夢を見れた。それだけでワタシはいいんです。嬉しかったのです」




ーーーーーー




『チッ・・』


『では早速!地獄チケット。ああ!夢にまだ見た地獄巡り!ついにこのーー』


『どこが美しい国だよ・・ったく』


『えっ?』


『スワ国だ。小国にしてもな。あんな末期だなんて聞いてねえぞ。そしてあの・・・年端もいかねえ姫さんだよ』


『神眼で見ましたが。あの姫。ものスッゴイ決意と・・・がんじ絡めの禍々しい因果でしたよね』


『ああ。あそこまでいっちゃあな。神界からの神技でさえ受け付けねえよ。人間の『決意』。そして、あの『因果』だ。どうやったらあの歳であんなになるんだよ』


『あなたの最後の提案・・アレ。ダメもとだったんですよね?』


『あ、ああ。いや実をいうとな。アルテミスの水で姫さん。治った後、ヤベーってなったんだよ』


『ムフッ。まあ死にかけでしたからねえ』


『気まぐれでうっすら寒いクソ善意とやらを出したらこれだ。やっぱ神様。良いことはするもんじゃねえ』


『しかし・・あのステータスにあの因果。そしてまさかの同盟不締結。わたくしのこの予想が・・・事実だとしたらドン引きですよ。ド・ン・ビ・キ』


『・・・まあ察してるよな。お前。バカだけど頭いいし。これが事実だと仮定してだ。仮定して。さすがの俺もちょっと引いたよ。クズでゲスな俺でさえもな。姫さん病気の時、全く『決意』と『因果』が見えてないのもマズかった。いやこれは後付けになるか。俺が蒔いた種だ。何とかしてやりたい、と思ったけどな・・・』


『所詮わたくし達は神ですから。一個人の強い『決意』と『因果』なんぞに介入しよう、っていうのがおこがましいってコトですかね・・』


『フン。まあいい。こんなクソ国。人口、兵力確保以外、元々用はねえ』


『そーいう主旨でしたっけ?そいえば』


『奴隷集めだよ奴隷。買うための手形ならある。ここにちゃんと。あの美しい・・・内心に火のような強い心と優しさを持ってる姫さんに書いてもらった・・・お手製の大事な奴隷手形だ』

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