序
「おめでとう。あなたは神になりました。本当に本当に幸運なことなのです。名誉なことなのです。」
「どうも。秋葉原の交差点でトラックに轢かれて・・気付けば・・こんな真っ白な空間に居てあんたみたいなキレイな女にそんなこといわれた日にゃあ、まずテンパって混乱するのが普通ってヤツだ。だがあんたの言ってることは真実で俺が神になったのも真実なのだとわかる。何故かわかるんだ。これも神の恩恵ってヤツか?」
「そ、そうですね!わたくしがキレイと感じるのはまさに、真実!わたくしをキレイと感じるのはまさに、真実!ああ、わたくしはあなたと同系統の神・・【創造と平和の女神】ですね。普段はわたくしの世界を日々眺めて過ごしてます。あと・・わたくしはやっぱりキレイですよね?」
「イマイチ要領を得ない回答だが・・質問を変えて。この眼前にある箱庭のような球体はあんたの世界ってヤツか?」
「それはあなたの世界ですよ。あなたは神ですから。とりあえずこの世界の神として色々やってみてください。よくある剣と魔法の野蛮な世界です。科学を発展させるのもよし、戦争のない平和な世界をつくるもよし。それが神に与えられた暇つぶ・・使命みたいなもんです」
「いいのか・・?」
「えっ?」
「もう一度いう。いいのか?俺はクズでゲスだ。それもとんでもなくな。【神】の資格を剥奪するなら今だぞ?あとからこんなことならお前なんかに渡すんじゃなかったーとかこんなヤツ神の風上にも置けないーとかグダグダいわれたらダルイからな。いいのか?俺が神で」
「いーんじゃないですか?」
「え」
「だからいーんじゃないですか?クズでゲスとかまあ・・お尻にホクロがある、とかラノベが好き、とかそんなレベルのいわゆる個性みたいなもんでしょう。神の選定要素には些細過ぎることですよね?そんなことよりわたくしのどの辺がキレイですか?宝石より美しい瞳ですか?初雪より白い肌ですか?」
「フン。生前、クズでゲスで散々蔑まれていた俺がこんなところであんたにそう言われるとはな・・」
「あの・・何故か感極まってる感じになってないで質問に答えてください。わたくしのどの辺がーー」
「あんたの世界とやらは平和なのか?日々眺めて過ごしている、と言ったな?」
「えっ?・・ああ、平和ですよ!始めこそ異国同士争いの絶えない紛争国家だったんですけどね。最初は大変でしたよー!応援してる一国が間違った内政をしようとしてるから天候を操作して中止にしたり軍事国家の侵略から守るためミスリル鉱山を国のまわりに作ったり・・南からの蛮族の侵攻が起こった時は最大のピンチでしたねー。そこは異世界から勇者を召還したりしてくいとめましたが。」
「で・・今はその応援してた一国が世界を統治して超平和と。」
「そーですね。超、平和。ですね。」
「いいのか?」
「えっ?」
「だからいいのか?日々眺めるくらいしかもう・・全知全能の神様がだ。やることないんだろ?完全な失敗じゃねえか、それ」
「・・あなたは、このあなたの世界をどうするおつもりですか?あとわたくしのどの辺がキレイーー」
「俺がクズでゲスだといっただろ?」
「わたくしのどの辺がーー」
「俺が見せてやるよ。千年以上に渡って争いの続く紛争世界をな。世界のいたるところでだ。生きていることさえイヤになるようなこの世の地獄を世界のいたるところでだ。平和な国など絶対作りはしない。絶妙の国力バランスになるように各国微調整しつつ常に争いが起きるように悪意を振りまいてやる」