表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シグマ君の転位奇憚  作者: 葛之葉
シグマ君の転移忌憚
2/29

始まりのゲーム神

 目の前で断っても断っても同じ台詞を繰り返す王様を前に、僕は少し前の出来事を思い出す。


ーーーーー


「痛ってぇっ!」


 マンホールの蓋が開いていた事に気付かず、スマホで【小説家になっちまおう】の小説を読んでいた僕【浅影士紅馬あさかげしぐま】は見事にマンホールに落ちてしまった。

 まるで漫画だよ!


「‥‥‥って、ここどこ?」


 マンホールに落ちたはずの僕は、何故か六畳一間の畳部屋に居た。

 よく見れば、目の前にレトロなRPGゲームをプレイしながらポテチをむさぼる謎の美少女が居た。

 ゲームに夢中で僕に気付いて無いみたいだけど、ここが何処なのか知ってるかも知れない。

 僕は勇気を出して声をかけてみた。


「あの! すいません!」


 しかし、ゲームに集中している美少女は気付いてくれない。

 その後何度か声を掛けたんだけど、ひたすら無視された。

 痺れが切れた僕は、美少女とテレビの間に飛び込み視界を遮って声を掛けた。


「話を聞いてください!」


 僕が飛び込んだ先には足元にゲームの本体があったらしく、旧式のゲーム機に刺さっていたカートリッジ式のカセットが揺れてしまう。

 結果、ゲームは見事にバグった。


「う、ヴォォォアェィォッ!」


 とても美少女があげるとは思えない奇声をあげながら凄い勢いで立ち上がった。


「おまっ! 何してくれちゃってんの!? あのダンジョン、セーブポイント無いんだぞ!? 私の三時間無駄にしてくれちゃって何してくれちゃってんの!? バカなの? 死ぬの?」


 美少女が一気に捲し立てながら詰め寄る。

 余りの剣幕に僕はへたれ根性が出て土下座で謝った。


「謝れば済むとか、警察舐めてんのか!? 警視庁24時上等か、あぁん!?」


 まるでヤクザに肩をぶつけてしまった様な訳の解らないセリフをぶつけられる。

 警視庁24時上等って、どういう意味だよ。


「この私【ゲーム神】のゲームライフを邪魔して只で済むと思うなよ小僧!」


 ゲーム神【?】の怒りを一身に受ける僕は、聞きたかった事も忘れて謝り続けた。

 その時、謝る為についた右手が何かを押し潰した。


「‥‥‥あっ」


 ゲーム神【?】のポテチだった。


「‥‥‥」


「おのーれ! 七代までもー祟ってくれるわぁ!」


 こうして僕は、訳も解らないまま、ゲーム神【?】により、レトロゲームの世界へと無理矢理叩き込まれたのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ