第一話
「来たか…」
老人は、玉座から腰を上げた。
「私は…。この日を待っていた。お前に出会う日をな…」
戦い。
僕は勝った。僕の、鍛え抜かれた剣が、魔王の心臓を刺し貫いていた。
「ふっ。終わったな」
老人は笑っていた。
「しかし、物語が終わったわけではない。お前は間違っている。本当の敵は私ではない。お前に知恵を授けた賢者であり、お前の武具を作った職人であり、お前が私に勝ったという吉報を待つ庶民どもであり、唯一のこの世界のお前の味方が、私だということをな」
魔王は膝を折ってよろけた。
「では、また会おう…」
老人は絶命した。
…まだ、何かあるのか?平和な世界が来るわけではないのか?
私は、魔王の王宮の、外に、以前なら、魔王の軍団に檄を飛ばしたであろうバルコニーに出た。庶民たちが、僕を待っていた。
僕は魔王の首をかざした。
歓声が起こった。
平和な世界。笑顔の庶民たちの、のんびりした生活。そんなことを考えていると…。
僕は自分の部屋にいた。
…夢、かあ。
僕は平凡な高校生、ケント。
あの夢は、ゲームのやりすぎのせいかな?
朝飯を食って、いつもの登校路を歩く。さあ、現実の旅に出発だ!
学校をテキトーにすませて、彼女のマコと繁華街を歩く。
歩き疲れて、学生の集まる、飲食の店に入った。
「ねえ?」
「なに?」
「この世界が偽物って知ってる?」
マコが楽しそうに言った。
「ゲームのやりすぎじゃないの?」
「魔法、使えるようになりたい?」
「できるならね」
マコがデコピンした。
「これでいいわよ。簡単な魔法なら使えるわ」
「例えば…」
彼女はわからない言葉をつぶやいた。
お冷の水があふれてきた。
「ネっ?」
マコがウインクした。
「で、なにが始まるんだい?」
「楽しい冒険の世界よw」




