第5話
そっと雅は語り始めた…
『実は、姫様のお父様が…
「そろそろお前も年頃なんだから、結婚を真面目に考えなさい」っとお見合いの話を持ちかけられました。
でも好きでもない人と結婚なんてできませんよね?
姫様に恋人でもいれば逃げられたんですが…
姫様には恋人どころか、好きな人さえいらっしゃらず
「私は雅を愛しています」と勢いで宣言しちゃったんです』
『そっかぁ…
でも何で最初っから私に相談してくれなかったの?
私達親友でしょ?
水くさいじゃない…』
『ゴメンね…
けど何処で秘密が漏れるか分からないじゃない?
だから念には念を入れたいのよ』
『なるほどねぇ〜
つか雅くんって良い子だね。
ノゾミのお世話をさせておくのが勿体無いくらいの好青年だわ。
うちの厳しいお世話係と変わってほしいくらいよ(ボソッ)』
『ルキ…
何か聞こえたが、俺の聞き間違いだよな?』
今まで無口の聞き役だったハルカが、突然突っ込んできた!!
『あっ…ハルカ様…
お元気でしたか?(焦)』
『なにオカシナことを言ってるんだよ!
ちゃんと聞いてるんだからな!!』
二人の夫婦漫才(?)を見つつ、雅は羨ましそうに言ってきた。
『お二人共、すごく仲が良いんですね。
息もピッタリだ!
俺なんか身分の違い過ぎで、姫様になんて見向きもされない…』
『雅くん…
もしかして…』
雅はルキの言葉が終わる前に、ノゾミに気付かれないよう…
人差し指を唇にあてて
「シー」というポーズをし、小さく笑った。
それと同時に雅の気持ちを理解するルキであった。