第2話
緑の葉が風に揺れ
暖かい光に包まれながら、少女はお花畑で眠っていた。
その寝顔は美しく、どこか無邪気さを感じる、まさに天使の微笑であった。
『くちっ!!』
なんとも可愛らしいクシャミと共に目覚めた少女は、辺りを見回し何かを思い出したのか、慌てて何処かへ行ってしまった…。
その様子を怪しくうかがう2つの視線…
『あぁーあぁ〜
行っちゃったぁ〜
しっかし可愛かったですねぇ
城下にもあんなに可愛らしい女の子が居るとはなぁ』
レイナが振り返ってみると…
そこには、だらしない顔をしたトモが立っていた。
『おぉ〜い!
王子ぃ〜!!
聞こえてますかぁ〜!?』
レイナの呼びかけは届かず、一人の世界に浸っていたトモの口がようやく動き出す…
『レイナ…
僕、あの子が欲しくなっちゃった。
何処の家の娘かな…?
探しておいてくれ。』
『もぉ〜
面倒くさいなぁ〜
これじゃ〜
まるでシ〇デ〇ラですわ』
『とにかく、あの子に特別な何かを感じたんだよ。
こんな気持ちは初めてだ…』
『ビビッ!!ってヤツですか!?
松田〇子じゃあるまいし』
レイナは馬鹿にしたように笑った。
『お前…
今、笑っただろう?
今月の給料から減給決定な!(笑)』
『ちょ、勘弁してくださいよぉ〜。
必ず、さっきの子を見つけだしますからぁ〜。』
『女に二言は無いな?
期待してるよ。』
しかし、情報不足というのもありどんなに探しても…
その女の子は見つかることはなかった。