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空隙の境界戦線  作者: アルカナ
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プロローグ 空に浮かぶ都市

ホバーグライダー。

俺が今またがっている乗り物の名前だ。

外見は、タイヤのないバイクの両側にリング状の羽が付いた飛行型車両だ。

なぜ、飛ばなければならないのか?そう思う人もいるだろう。なんたって、わざわざ飛ばなくてもタイヤを付けて転ばせばいいのだから。実際、昔はそういう車両が主流だったようで、むしろ飛行型の乗り物の方が珍しかったそうだ。

だが、今はこの飛行型でなければ使い物にならない。なぜなら今の時代、道路という物が存在しないからだ。いや、道路だけではない。地面というものその物がなくなっている。

だってここは……。


「空中浮遊都市だからな」


この都市の名はエルドギア。

人類が持てる技術の全てをつぎ込んで造り上げた上空2万フィートに浮遊し続ける空中浮遊都市なのだ。

都市と言っても街その物が浮いている訳ではない。

浮遊建築物、そう呼ばれる建物。見た目は、白くて巨大なキノコみたいなビルが大量に集まり、集団を形成しているのだ。

必要な施設は、全てこの浮遊建築物にあり、その建築物間を移動する特に使われるのが飛行型車両ホバーグライダーだ。


「それにしても、よくこんな物つくったよなぁ」


人類がこんな所に街を造ったのは、ちゃんと理由がある。

今からおよそ80年前、地上で致死性のウィルスが大流行した。

これにより人類の7割が死に絶えた。

そして、多くの犠牲を出してついに地球で最も安全な場所エルドギアを完成させた。

だが、当然生き残った人類全員を連れていくことができなかった。

故に浮遊都市に行って生きる人間と地上に残って死んでいく人間に分けられた。

そして、生き残った人類は今日を生きている。積み重なれた屍の上に。


「生きることの罪深さか……」


昔、エルドギアに移り住んできたある人が言った言葉だった。

その時。


『ピーピーピー。侵攻警戒警報が発令されました。ただちにシェルターに避難してください。繰り返します……」


突然、ホバーグライダーの操作ディスプレイに赤い警告メッセージが表示された。


「おい、嘘だろ……こんな朝っぱらから」


急いでシェルター用の浮遊建築物に進路を向ける。

この警報は、エルドギアに外敵が攻めこんできた時に発令される物だ。

外敵。

ウィルスの驚異を乗り越えた人類に課せられた次の試練。それが外敵の存在だった。

その正体は、地上で致死性のウィルスに対する抗体を持ち、さらにその過程で別の種へと変異した人間のことだ。

連中は、人知を越えた能力を秘めており単体だけでも凄まじい驚異となる。

そして、連中は俺たち人類を攻撃してくる。まるでエルドギアに入れなかったことの復讐のように。

人々は、彼らをこう呼ぶ。

人間から『次』の存在に進化した存在。

NEXTネクストと。


「よし、着いた」


目当ての建築物のドアの前にたち認証機の前に立つ。

機械が即座にスキャンを開始する。


如月挂きさらぎけい。認証完了。ゲートを解放します』


俺の顔が写し出され、ドアが開く。

中に入ろうと足を踏み出したその時。


カツンッ


何かが鉄の床を踏む音がした。

振り返ってみるとそこには。


「女?」


セーラー服を着て赤い髪をポニーテールに結った少女が立っていた。


「あんたも避難してきたのか?」

「…………」


少女は、無言で手を振り上げる。

そして、次の瞬間少女の手から真っ赤な炎が吹き出した。


「なっ!?」


間一髪でそれを避ける。


「ネクストかよ!?」


人類を超越した存在がそこにいた。

再び少女が手から炎を繰り出す。

それをまた横に飛んで回避する。


「危ねぇ!……てアレ?」


しかし、勢いを付けて横に飛びすぎて思わず床のない部分に飛び出してしまった。

当然、体は重力の命令に従い落下を始める。


「嘘だろぉ!」


そう言って俺は落ちていき意識を失った。

初めてのSFです。

楽しんでいただければ幸いです。

銃とか超能力とかバンバン出るお話しなんでどうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

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