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覚醒 中編

前編から結構間隔が空いてしまってすみませんでした

建物の中は薄暗い。

長い間誰も使うことがなく、掃除をされていなかったためなのか高い位置に取り付けられた窓もホコリだらけで本来の透明度からほど遠い。

建物の立っている間隔が少し狭いと感じたのも薄暗い原因なのだろうか。

大きな棚がいくつも置かれている。

そのほとんどが倒れて通路を塞ぎ、ホコリを被っていた。

「ここかなりホコリっぽいな」

陽一は持っていたハンカチで鼻と口を軽く塞ぎながら呟く。

「そこがいいんじゃない。こういうとこのほうが吸血鬼は住みやすいのよ、きっと」

なんの根拠があってそんなことを言っているのか。

愛梨は制服が汚れることなどお構いなしに歩けそうな所を見つけて、どんどん奥に進んでゆく。

棚が置かれた通路抜けると地下に続く階段を見つけた。

「この下に吸血鬼がいる気がするわ」

変なものを見つけるアンテナでもついてるんですかね。

そう思った。



2人は塗装が剥げ、錆び付いた階段を降りてゆく。

階段は古く、ギシギシと音がなり今にも足場が壊れそうだ。

そのわりに壁につけられた明かりは真新しい物のように思えるくらい白い光を放つ。

階段の1番下まで降りると黒く重たそうなドアがあった。

愛梨は迷うことなくドアノブを掴み、押し開ける。

しかし、ドアはまったく動かない。

体をドアに押し付けて体重をかけてみるがダメだ。

試しに引いてみるがこれまた動かない。

「陽一、ちょっとやってみて」

さすがに自分じゃ無理だと思ったらしく陽一にやらせてみる事にした。

ドアノブに手を当て、全体重をかけると同時に力いっぱい押す。

開いた。

愛梨が開けようとしたときは少しも動かなかったという言うのに陽一が力いっぱい押すと勢いよく開き、バランスを崩し転んでしまった。

「いてて、何だよ開くじゃんか」

立ち上がりながら言う。

「陽一大丈夫?」

「大丈夫だ。それにしてもここなんにもないな」

ドアを開けた先は足元に非常灯が設置されていて、大きな柱が何本もあるだけの広いだけで何にもない空間だった。

明かりは足元の非常灯だけのせいか少し薄暗い。

「何かないか調べましょ」

そう言うと愛理は5段ほどの短い階段をカツカツと音を立てて降りてゆく。

その後を追いかける。

愛理が陽一の少し前を歩いて、柱の横を通るたびに左右を見るが何かが影に隠れている気配はない。



ただ、ここを歩いていると少し頭に靄がかかったような感じになる。

何かを思い出しかけると頭が痛くなり、思い出すことが出来ない。

何か重要な事だった気がする。



「そこにいるのは誰だ?」

後ろから男性の声が聞こえた。

一瞬ビクッとなってから2人はゆっくりと振り返る。

振り返ると懐中電灯の光が顔にあたり、眩しさのあまり手で顔を隠しながら相手を見る努力をした。

男は作業着らしい物を着ている。顔がよく見えないため年は検討もつかない。

2人の顔を確認した男は足元に懐中電灯の灯りを向ける。

「なんだ、子供か。君たちここは立ち入り禁止だ。今すぐに出て行きなさい」

さすがに出ないとまずいと思い愛理の顔を横目で確認する。

案の定不機嫌な顔をしていた。

今にも何か言い出しそうだと思い愛理が口を開く前に陽平はしゃべり出す。

「すみませんでした。すぐに出て行きますんで」

不機嫌な顔はさらに悪化し、陽一を睨みつけていた。

これは後でひどい目に会いそうだ。

愛理の手を取り、急いで元来た道を戻ってゆく。

男の横を通ろうとしたその時、男が何かしゃべった気がした。

ちらっと男の顔を見ると口から牙のようにとがった物が見える。

「牙?」

陽一の口は勝手に一言発した。

そして、陽一の体に強い衝撃が走った。

陽一は顔を下に向けると、すぐ横にいる男の腕が陽一の腹に突き刺さり貫通していた。

腹を貫通した男の指から血の滴がぽとぽとと落ちてゆく。


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