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捜索

全ての授業が終わると愛梨は机に掛けておいたカバンを持ち、陽一のクラスへと向かう。

陽一の元にたどり着いた愛梨はなぜか青い顔をして、怯えているように見えた。

「あんた、なんでそんな青い顔してんの?」

声をかけられ、愛梨に気づく。

「お前があんな写真渡すからだろうが」

私のツインテール写真が気に入らなかったのだろうか。

陽一はツインテールが好きだったはずなのだが。

「私のツインテール姿が気に入らなかったの?」

陽一はその場で叫びたくなったがあの写真を他の誰かに見られてしまう事を避けるため、無言で愛梨の手を掴み教室から連れ出す。



教室を出た二人は屋上へと続く階段を上り、誰も居ないことを確認してから外に出た。

封筒から問題の写真を取りだし、愛梨に渡す。

「あれ?なんでこの写真が封筒から?」

本人も理解してない。

どうやら単なる間違いで脅しのために入れたものではないようだ。

「お前がこの写真を入れるから俺は今日1日をびくびくしながら過ごすハメになったんだぞ!」

少し涙目になりながら叫ぶ。

愛梨はごめんごめんと適当に謝るだけで反省しているようには見えなかった。

「ところであの写真どうして愛梨がもってるんだ?」

朝から思っていた疑問を聞いてみる。

「ひかりさんから貰ったんだよ。陽一の写真貰えませんか?って聞いたらあの写真を渡されたの」

姉ちゃん、たくさんあるなかでどうしてこの写真を渡したんだ。

心の中で泣きながらそう叫ぶ。

「その写真は処分しておいてくれ」

本当は自分でやるのが1番確実なのだがあの写真に写る自分の姿を見たくないのだ。

愛梨はわかったと言い、写真をカバンの中にしまう。

「さて、ちょっと時間がなくなっちゃったけど探しにいくわよ」

やはり探しにいくのか。

吸血鬼などいるわけがないと言うのに。

あまり乗り気ではないのだが愛梨が暴走したときの為にブレーキ役としてついていくことにした。



とりあえず変死体の見つかった川原へと向かう。

偶然にも現場は2人の通う高校のすぐ近くだった。

「愛梨、現場にいっても吸血鬼に繋がる物は何も見つからないと思うぞ」

証拠になりそうなものは警察がチリも残さず持っていくはずだ。

その後の現場で何かを探しても重要な物は出てこないだろう。

現場に到着するとそこはいつもと変わらない川原だった。

「で、一体何を探すんだ?」

「さぁ?」

何も考えずに来たのかよ。

吸血鬼を探すなんて言っていたのだから何か情報とかあるものだと思っていたのだが何も考えずに探そうとしていたようだ。

「このへん適当に探せばなんか見つかると思って」

無計画すぎる。

とりあえず適当に探して諦めさせる事にしよう。



川原に生えている雑草の中を探してみるが何も見つからない。

警察の来た後では何もないのは当たり前だ。

あるのはビンなどの破片や紙くずなどのゴミばかり。

「なんもないな。愛梨、そっちはなんかあったか」

「何もみつかんなわよ~」

見つからないのが普通だ。

「そろそろ帰らないか?」

探しても何も見つからないのは分かりきっているので早く帰りたい。

「もうちょっと探す」

そう言うと思っていた。

だが、吸血鬼の存在を確かめる為の証拠など霧を掴めと言われるくらい無理なことだ。

そう思っていた時、何か光るものに気づく。

ただのガラスの破片だと思うが一応見てみることにした。

それは朝、陽一が手にしていた宝石にどことなくにているものだった。

正八面体の宝石の中には陽一の持つペンダントと同じく、何かが閉じ込められているように見える。

だがはっきりとは見えない。

「何か見つけたの?」

愛梨が後ろから抱きつき、顔を出す。

「なにそれ?」

「さぁな?俺にもわからい」

「ふーん。じゃ、今日の収穫はそれだけね」

どうやらやっと帰る気になったようだ。

時刻は6時ちょっとすぎだったがまだ少し明るい。

正八面体の宝石は見つけた陽一が持っていることになり、今日の所はここで解散することになった。

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