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701.~710.

701.「毎月14日はツイノベの日お題:人工知能(AI)」

最近の機械はAIの搭載が普通だ。核家族どころか独身や独居老人が増え続ける中、家には人間よりもはるかに多くのAIが住み、主のために最適の環境を整える。#twnovel ベッドに寝たきりの老女の前で、AI搭載芝刈り機が人体を切り裂く。断末魔の瞬間、彼女は僅かに微笑んだ。


702.

シミュラクラ現象とは、点が三つ集まると人の顔に見える、人間の脳の働きのことだ。心霊写真の大半がこれで説明できる。これもだ。うちの可愛いカメレオンの腹に浮かび上がる顔はシミュラクラ現象だ。断じて、一昨日カメレオンを踏みそうになって避けて転んで死んだ母の顔ではない。


703.

肌荒れが悪化してニキビができると、夜中に妖精がやってくる。可愛らしいものじゃない。異常に眠くて、まともに起きられないが赤い三角帽子を被っているのは見た。きっと鋭い爪もある。ニキビをそっと抉って、中の膿を啜っていく。翌朝ニキビは綺麗に治ってるけど、やめてほしい。


704.

音楽にあわせて、マネキンの首を生やしたダチョウが華麗に踊りながら、信号を渡ってくる。一列に並んで。「一緒に来ますか?」先頭のダチョウ?に訊かれて、私は首を左右に振る。ダチョウ?は頷き、踊りながら他の人にも問う。何人か列に入って華麗に踊りながら、去っていった。


705.

靴下に穴が開いていた。脱いでゴミ箱に放り込む。暫くしてゴミを纏めようとビニール袋を持ちあげると、妙に重い。少し探ってみる。さっき捨てた靴下。穴から、人差し指が出ている。ド派手なネイルが施された、太い指。母の指に似てる。私は袋の口を縛ってゴミ捨て場に持っていった。


706.

母が懐妊した。父が死んで五年、恋人かと笑って訊くが母は青くなって首を振る。覚えがないと怯えきっている母の姿に私も恐怖を覚えて、病院で精密検査をして貰った。病ではなかった。確かに孕んでいた―杉を。数十年苛まれた花粉症が突如治ったのは、想いが遂げられたからだったのだ。


707.

郵便ポストに指を食い千切られる事件が多発している。手紙が少ないことがポストの飢餓の原因だ。実務的なものではなく、他愛のないもの、或いは切実な想いを書き連ねた手紙がポストの栄養だったのだ。指を失ったら手紙が書けなくなるって?確かにそうだが天敵のメールも大打撃だ。


708.

冷たい風と霧雨が吹きこむ駅のホーム、身を縮めて立っていたらツーっと鼻水。慌ててごわごわのティッシュで鼻の下を拭うと、緑色だった。鮮やかな新緑色だ。わあ春の色だなあ。じゃないよ。愕然としていると悲鳴。ホームになだれ込む人々と、襲いかかる、山羊。緑色の体液が飛び散る。


709.

病院の待合室は、実は一番危険だ。なにしろ感染源となる人達が狭い空間に密集しているのだから。マスクをして極力隅の方に座り、念を凝らして結界を張る。ばちっと頭上で結界に触れた何かが焦げて消え、黒い靄のような何かが私を避けて隣の人の鼻の穴に這い込んでいく。


710.

カッとなって彼女を絞め殺してしまった。心優しい素敵な女性だったのに、俺はなんてことをしてしまったんだろう。でも自首して逮捕されるのは嫌だ。また檻の中なんてまっぴらごめんだ。仕方ないのでぎゅっと抱きしめて全身の骨を砕き、頭から丸呑みにした。証拠隠滅かつ腹いっぱいだ。

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