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491.~500.

491.【エイプリルフール】

邪神が言った。「人類滅ぼすのやめます。」邪神を崇める神官や巫女、霊波を受け取った能力者たちは戸惑う。なんで今日なんだ。やっぱり冗談なのか。でも人智を越えた存在だからマジなのか。悩み過ぎて、彼らの大半は発狂した。


492.

花粉症の時期は辛くてたまらない。何年か前に体に合う薬が見つかり、日常生活に支障をきたすことは減ったのだが、やはり一日屋外にいた日は悪化する。特に酷いのは頭痛だ。割れるように痛いと苦しんでいたら額が割れて芽が出た。檜の若葉だ。スギ花粉アレルギーじゃなかったのか。


493.

試着室にお客様が入るのを確認しつつ、別のお客様の品物をプレゼント包装した。頭を下げて送り出すと、レジのすぐ隣の試着室でゴンッと凄い音。「大丈夫ですか?」「すみません、だいじょうぶです」程なく出てきたお客様は、さっきとは違う人だった。


494.

「きみを死なせるわけにはいかない」そう言って彼は去っていった。私は体の水分を全て涙で流さんばかりに泣き続けた。彼を連れ去った海が憎い。憎んで呪って、でも少しでも彼に近づきたくて毎日海へ潜り、深みの魚を捕まえては食べた。長く永く潜れるようになった頃。「迎えに来たよ」


495.【#滅亡colors】参加作品

海はどうして青いんだっけ?確か空の青さとは違う理由だ。酸素が足りなくてぼんやりする頭はどうでもいいことを考える。海水が空から降り注ぎ、あっという間に地上のどんな建物も凌駕した。宇宙から今の地球を見たら、きっと本当の青い星になってるんだろう。


496.

「今日はグラタンよ」母に呼ばれて大喜びでテーブルにつくと、白いお皿に湯気をたてるグラタン。「いただきます!」「火傷しないようにね」ふうふうしながら食べ始めると、人間の小指が入っていた。母の手を見る。ちゃんとついてる。ホワイトソースを探ると、七本の小指が入っていた。


497.

雨脚が強い。今日は外出は控えよう。次の日、横殴りの雨が降っている。急ぎの用でもないし家で過ごそう。その次の日、霧雨のように雨粒が舞う。こういう日は傘を差してもびしょ濡れになる。家にいよう。次の日も次の日も雨。傘を手に扉を開く。雨の中に家が没す。やむまで帰れない。


498.

木の枝、電線、そして家の鳥籠に、鳥ではなくて生首がいてギャーギャー喚いている。基本は人の悪口だ。そりゃヤな奴だなと思える内容もあれば、言ってる奴の考え方が偏り過ぎてて気持ち悪いのもある。一方道行く人の頭は雀や、金糸雀になっていて愛らしく囀っている。


499.

ふと立ち寄った古本屋。レジでは老人が船を漕いでいる。「…」囁くような声がした。誰かいるのだろうか。奥は蛍光灯の明りも薄く、平積みの本の山。「私を読んで」はっきり聞こえた。「お嬢さん、貴方にはこちらがお薦め」いつのまにか老人が探していた漫画を差し出し微笑んでいた。


500.

警報が鳴り響き、子どもを抱えた母親が防御呪壁の地下室へ駆け込む。男たちは盾を手に入り口を見張り、俺たち有象無象の一般兵士と邪神殺しの歴戦の戦士たちは武器を手に屋外へ。海の匂いが鼻をつく。夜空に浮かぶ青い天体―地球という呪われた星から今夜も邪神たちが攻めてくる。

めでたや、500話

これも邪神の皆さまの加護のお陰でございまする

今後も霊感をお与え下さい、いあいあ

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