↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/100

301.~310.

301.

照明のカバーの中に、なにかいる。最初は大きな蛾でもいるのかと思ったが、両生類に見える。太ったイモリって感じ。消灯すると豆電球の橙色の光の中を不器用に泳ぐ。放置するうち育ってきて、間違いに気づいた。両生類じゃない。そういえば堕胎手術をした筈の彼女から未だ連絡がない。


302.

最近彼女が妙に大人しい。監禁してから約1カ月。初めの頃はあんなに激しく抵抗したのに。僕を油断させようと優しくなったこともあったけど、あの時のような性急さもない。僕の真剣さが伝わったのかな。思わず鼻歌を歌っていると彼女がすっと立ち上がった。あれ、足切り落としたよね?


303.

一体何が悪かったのか。会社に真面目に仕え、家族を愛し養ってきたつもりだった。リストラされ、僅かな退職金は殆どが一方的に離婚を望んだ妻に。もう誰も私に関心を示さない。唯一、風呂のタイルの目地から出てくる黒い小人だけが夜な夜な私の肉を齧っていくだけだ。


304.

クリオネは実際見るととても小さな生き物だ。流氷の天使と呼ばれて話題になってだいぶ経つから、この生き物の捕食方法を知る人も多いだろう。バッカルコーンという頭部の六本の触手で近縁の翼足類を襲って喰う。私の前に浮遊する、人間大で血錆色をしたクリオネ似のコレも同じようだ。


305.

幼馴染から届いた自撮り写メには渦巻く銀河が映っていた。上京したが夢破れて一月前に実家に戻ったが、引き籠っていると彼女の母親に懇願され家を訪ねたのが三日前。すっかり太った彼女はゴミだらけの部屋の真ん中にいた。片付けようとすると「宇宙を壊さないで!」と叫んでいたっけ。


306.

今迄聞いた事のない音がした。振り向くと、人が平たくなっていた。周りの人たちも茫然と見ている。誰かが、飛び降り?と呟いた。いや、でも。周りには高い建物が、ないんだけど。再びあの音。確認する間もなく次々同じ音。動けずにいると首根っこを掴まれ、ふわりと空へ浮き上がった。


307.

緊急事態だったし、医者もなにも言わなかったので、大丈夫だと思っていた。数ヶ月前車に轢かれた私に輸血してくれた親友は泣きながら謝っている。泣きすぎて体が溶け始めてる。ああ、カーペットが…。私はといえば、髪の毛が自由自在に動くようになって、実はちょっと楽しい。


308.

アパート全体が揺れたようだった。階上の夫婦喧嘩だ。食器の割れる音や叫び声が凄まじく、何度も通報されている。ドアを開けると両隣も顔を出し目を丸くしている。暫くして警察が来た。言い争う声がして、窓の外を粉々の窓硝子と共にエプロンをかけた猿に似た生き物が落ちて行った。


309.「毎月14日はツイノベの日(一日遅れ)お題:珈琲」

珈琲は苦いからミルクと砂糖をたくさんいれるといったら大笑いされた。甘いもの好きで何が悪い。「でもお前の作る砂糖漬けは美味しい」「…」「睨むなよ。あ、蓋開いちゃう」振り向くと、保存瓶に生きたまま漬けた人間が逃げそうになっていた。活きがいいから美味しくなるだろう。


310.

頬のにきびが赤く熱をもってしまって、痒い。でも掻くと治らないし、後になるからと我慢して、軟膏を塗って寝た。けれど、眠っている間に掻いてしまったらしい。起きると僅かにぬるりとした感触。手の爪を見ると、血と白い膿に塗れた極小の、烏賊。顔が熱い。鏡を見たくない。

307話は、たまに出てくるなにがしかの人外と、そのお友達の人間のお話。


309話も、たまに出てくる人喰いさんたちのお話。同じやつらなのかはわたしにもよくわかんない。(おーい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。