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021.~030.

021.

巨大な目玉を縁どる無数の触手を蠢かせ、封じられた邪神は解放の喜びにぱちぱちとまばたきした。すると自分を見つめる者達に気づく。この惑星の人間という生物の幼生たちだ。「あ、これアメリカ妖怪のボスだ!やっつけろー!」一斉に砂とか塩とかぶつけられ、再び神は目を閉じた。


022.

そのダンサーはボロボロの黄色のパーカーを羽織り、フードを目深にかぶっていた。異様な姿だったが輪の中に入ってきた瞬間に「何かが違う」と感じさせた。輪の中心にいたダンサーが退き、黄色のパーカーが踊りだす―凄い。聴衆は熱狂し、次々と素手で自らの喉を掻き破った。


023.

あたり一面蛇が絨毯のように群れている。縞蛇、青大将、山楝蛇に蝮。数多の蛇が集う中に私は立ち尽くしていた。コンビニでビールとつまみを買って帰ろうとしただけなのに…。ひと際大きな、パニック映画の怪物並みの蛇がニンマリ笑う。「酒と肴が揃った」私は葱を背負った鴨らしい。


024.

庭で草花の剪定をしていたら見たこともない蜘蛛に咬まれた。外来種なのか、傷口は膿み、全身を激痛と高熱が襲い、緊急入院することになった。三日三晩生死の境を彷徨い、私は生き延びた。脳を吸い終えた看護師の体を投げ捨てると、偉大な母の元に繋がる糸に八本の脚をかけた。


025.

山菜取りに夢中になった私はいつのまにか道を見失っていた。予報外れの豪雨が服に染み込み、体温を奪う。熱が出たのか視界が白く曇り始めた。なんとか乾いた木に火を点けたが、なぜか灰色に見える。しかも暖かいどころか冷たくて、黒く凍った指がポトリと落ちた。


026.

私に音楽の才能はないものと思っていた。音楽家一家に生まれた私は幼少期から英才教育を受けていたがピアノを弾くのが精いっぱいで、ヴァイオリンやフルートなど全く曲にならない。だがこの奇怪なフルートは別だ。その証拠に沸騰する渾沌の魔王が、リズムにあわせて泡立っている。


027.

殺人事件の通報を受けて駆け付けた警官たちは、心臓を抉り取られた死体と、抉り取られた心臓を胸元に埋めた腐乱死体を発見することになるだろう。「全くなんでこういう混乱を招く呪文を使うかな」相棒は心底忌々しげに眼鏡の位置を直す。一帯を封鎖される前に追跡を再開しなければ。


028.

相棒に初めて会ったのは旧炭鉱の底。麓の村人たちを殺し黄緑色に光る鉱石を取りに来た、翼あるばかでかい甲殻類を退治しにきたら、一足先に来ていた彼女が頭突きで次々倒していたのだ。脳ミソ盗れるものなら盗ってみろと言い放つ姿はカッコよかった。以来一緒にハンターをしている。


029.

こっちの業界では有名な小鳥のような鳴き声をあげ、黒ずんだ玉虫色のねばねばした巨大な塊が通路いっぱいに迫りくる。相棒の右足をずむずむと飲み込みながら凄まじい悪臭を吐きつけてくる。私は千切れた左足を両手に抱えた相棒を肩に担ぎ、外を目指して階段を駆け下りていく。


030.

感謝のしるしに、と差し出された肉を私と相棒はじいっと見つめた。鋭いかぎ爪に灰色のゴムっぽい肌の生き物は、人と犬の特徴を持つ顔に満面の笑み。本当に悪意なく、半分ぐらい人間である私たちに配慮して選んだのだろう。だが無理だ。瑞典から来た魚肉の缶詰だけは。

027.で、脳内から勝手に登場人物が誕生しました。

テキトーな感じで、その日舞い降りた設定や他の登場人物を積み重ねていきます。

毎回出てくるわけじゃなく、脈絡なく出たり、出てこない日もあります。

たぶん、ご記憶に止めて頂かなくても、大丈夫なんじゃないでしょーか(ぇ


今のとこ決まっているっぽい設定

「相棒」:眼鏡。頭突き一発でミ=ゴ倒す。足が千切れても生える

「視点/私」:特筆すべき設定なし。どうやら昔からハンターのようだ

二人とも半分ぐらい人間らしいです。

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