幕間劇:幽香の日記
東方魂合変のメインヒロイン、風見幽香の日記ですー
と言っても最終章付近からしかないけれど
途中から日記じゃなくなる気がしなくも無いけど誰も気にしない
それから今回、友人の各舞し氏が挿絵を描いて下さいました。俺には勿体無いとしか言い様がありませんとも
8月5日(晴れ)
今日も鉄生は夕ご飯前に帰ってこなかった。夜遅くになって眠った咲夜をおぶって帰ってきた。
咲夜の修行で遅れたと言っていたけれど、その上着には酒の臭いが僅かについていた。きっと妹紅の屋台にでも行ってたんだろう。嘘をついた罰として、明日は一緒にどこか行くと決めた。絶対そうする。
8月6日(晴れ)
咲夜を寺子屋に行かせて、一日中鉄生を連れ回した。人里の服屋をひやかしたり、甘味処でくっつきながらお団子を食べたり。周りに睨まれててちょっとは驚くかなと思ったけれど、動じずに善哉を食べる鉄生は中々肝が座ってると思った。曰く、『慣れた』とか。
今度は鉄生も恥ずかしがりそうな事を考えておかなきゃ。
8月9日(雨)
久しぶりの雨。流石に雨の日は休みなのか、鉄生も咲夜もベッドでぐでっとしていた。
一緒にゴロゴロしてて心地良さそうだったけれど、鉄生が咲夜を一度も降ろさなくてちょっとムッとした。三人でゴロゴロしていたら、何時の間にか眠っていた。
8月13日(晴れ)
咲夜の修行もそろそろ大詰めらしい。二人の熱の入れようは半端なものじゃ無い。今日だって、何時もは適当な鉄生が真剣な顔で咲夜に喝を入れてるのが見えた。
何時もあんな顔だったら、もっと格好いいんだけどなー。
8月14日(曇り)
畑で咲夜と鉄生が対決した。最後の最後で手を出しちゃったけど、大人気ない事をする鉄生が悪いんだ。
二人ともあちこちに怪我があったけれど、大きなモノがなくて良かった。
けど、大きな怪我をしてたらどちらかを独占出来たかな?なんちゃって
8月17日(晴れ後雨)
ハイキングに行っていたのに、突然雨に降られてしまった。びしょ濡れで帰り、家族みんなでお風呂に入る事にした。三人で入ると湯船が狭かったけど、その分家族の距離が縮まった、と思う。
……縮まる必要があるくらい、距離なんて無かった、か。
8月20日(晴れ)
暑い日が続いている。向日葵達も萎れてしまいそうな位で、私も汗が止まらなかった。そんな時、鉄生が地下水を汲み上げて即席のプールを作ってくれた。みんなで疲れ果てるまで泳いで涼を採った。
どうせ暑いなら、明日は博麗神社にでも行こうかしら。あそこなら木陰もあって涼しそうだし。
9月10日(晴れ)
鉄生に会った。自身は人形だと言っていたけど、私には鉄生本人にしか見えなかった。
口振りも立ち振る舞いも、鉄生だった。
出逢った頃からの思い出を沢山話した。その記憶にも寸分の違いは無くて、とても、嬉しかった。
傘の骨組みを渡して、鉄生は何処かにいった。
きっと鉄生はもう、、■、、
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どれだけ日数が経ったんだろう。傘の布を張ってから、もう寝ているのか起きているのかも分からない。
向日葵達の世話をするだけで、一日の記憶が終わる。
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日に当たっても実感が湧かない。朝なのか昼なのか、それも分からない。向日葵に水をやっていても、何時の間にか日が落ちていた。
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咲夜が紅魔館で働く事になったそうだ。わざわざ門番が知らせに来たけれど、私は頷く事しか出来なかった。
……あれ? 何時から咲夜は家にいなかったの?
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なんで私は向日葵を咲かせ続けているのだろう。この子達には負担になるだけなのに、なんで私は?
こうしていても、鉄生はもう、もう■■■■■■
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違う。向日葵達は、咲いてなきゃいけない。
鉄生は、この子達を褒めてくれた。
この子達がいるから、夏だって実感出来るって。
だから、私は咲かせ続けないと。
鉄生が何時でも帰ってこれる様に。
何時でも、夏に帰ってこれる様に。
そうしないと帰ってこれない。
目印が無いと、鉄生が迷っちゃう。
帰ってこれる様にしないと。
誰かに荒らされちゃ駄目。
ずっと待ってないと。
誰も入れずに、誰も関わらせないようにして。
ずっと、ずっと、待ってないと。
◇◆◇◆◇◆
11月23日(雪)
とても綺麗な雪が、向日葵の上に降りてきた。
広い広い向日葵畑に、まんべんなく降り注ぐ雪。覆い隠すのは明日か、まだまだ先か。今夜中にも積もってしまいそうだ。
今日も鉄生は夕ご飯前に帰ってこなかった。何時でも待ってるから、早く帰って来て欲しいな。怒ってるんじゃないか、って、そんな心配しなくていいから。
だから、帰ってきて?
向日葵畑で、ずうっと待ってるから。
誰にもここは入れさせない。鉄生だけを待つから。
◆◇◆◇◆◇
何時の頃からか、太陽の畑には季節が無くなった。
何時の頃からか、太陽の畑へと行く者はいなくなった。
何時の頃からか、太陽の畑の時は止まった。
何故なら、季節を変える為の花々が向日葵しかいないから。
何故なら、足の先でも踏み入れようものなら殺されるから。
何故なら、動く為の歯車が幾つも幾つも抜けてしまったから。
彼女は今日も独り、太陽の畑で帰りを待つ。
目標、幽香ヤンデレ
てな訳でしたが、どうだったでしょうか。ちゃんとヤんでくれてますかね
作者がこういうのに疎いので違う場合は遠慮無くどーぞ