表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

幕間劇:幽香の日記

東方魂合変のメインヒロイン、風見幽香の日記ですー

と言っても最終章付近からしかないけれど

途中から日記じゃなくなる気がしなくも無いけど誰も気にしない


それから今回、友人の各舞し氏が挿絵を描いて下さいました。俺には勿体無いとしか言い様がありませんとも







 8月5日(晴れ)

 今日も鉄生は夕ご飯前に帰ってこなかった。夜遅くになって眠った咲夜をおぶって帰ってきた。

 咲夜の修行で遅れたと言っていたけれど、その上着には酒の臭いが僅かについていた。きっと妹紅の屋台にでも行ってたんだろう。嘘をついた罰として、明日は一緒にどこか行くと決めた。絶対そうする。




 8月6日(晴れ)

 咲夜を寺子屋に行かせて、一日中鉄生を連れ回した。人里の服屋をひやかしたり、甘味処でくっつきながらお団子を食べたり。周りに睨まれててちょっとは驚くかなと思ったけれど、動じずに善哉を食べる鉄生は中々肝が座ってると思った。曰く、『慣れた』とか。

 今度は鉄生も恥ずかしがりそうな事を考えておかなきゃ。




 8月9日(雨)

 久しぶりの雨。流石に雨の日は休みなのか、鉄生も咲夜もベッドでぐでっとしていた。

 一緒にゴロゴロしてて心地良さそうだったけれど、鉄生が咲夜を一度も降ろさなくてちょっとムッとした。三人でゴロゴロしていたら、何時の間にか眠っていた。




 8月13日(晴れ)

 咲夜の修行もそろそろ大詰めらしい。二人の熱の入れようは半端なものじゃ無い。今日だって、何時もは適当な鉄生が真剣な顔で咲夜に喝を入れてるのが見えた。

 何時もあんな顔だったら、もっと格好いいんだけどなー。




 8月14日(曇り)

 畑で咲夜と鉄生が対決した。最後の最後で手を出しちゃったけど、大人気ない事をする鉄生が悪いんだ。

 二人ともあちこちに怪我があったけれど、大きなモノがなくて良かった。

 けど、大きな怪我をしてたらどちらかを独占出来たかな?なんちゃって




 8月17日(晴れ後雨)

 ハイキングに行っていたのに、突然雨に降られてしまった。びしょ濡れで帰り、家族みんなでお風呂に入る事にした。三人で入ると湯船が狭かったけど、その分家族の距離が縮まった、と思う。

 ……縮まる必要があるくらい、距離なんて無かった、か。




 8月20日(晴れ)

 暑い日が続いている。向日葵達も萎れてしまいそうな位で、私も汗が止まらなかった。そんな時、鉄生が地下水を汲み上げて即席のプールを作ってくれた。みんなで疲れ果てるまで泳いで涼を採った。

 どうせ暑いなら、明日は博麗神社にでも行こうかしら。あそこなら木陰もあって涼しそうだし。







 9月10日(晴れ)

 鉄生に会った。自身は人形だと言っていたけど、私には鉄生本人にしか見えなかった。

 口振りも立ち振る舞いも、鉄生だった。

 出逢った頃からの思い出を沢山話した。その記憶にも寸分の違いは無くて、とても、嬉しかった。


 傘の骨組みを渡して、鉄生は何処かにいった。

 きっと鉄生はもう、、■、、

 ■■■、■、、■■、、、■■■■■、■■■、■

 、、■■■、■■、■■■

 、■■、■■■、、■■■■■、

 、、■■、、■■■、、










 ■■■■

 どれだけ日数が経ったんだろう。傘の布を張ってから、もう寝ているのか起きているのかも分からない。

 向日葵達の世話をするだけで、一日の記憶が終わる。







 ■■■■

 日に当たっても実感が湧かない。朝なのか昼なのか、それも分からない。向日葵に水をやっていても、何時の間にか日が落ちていた。










 ■■■■

 咲夜が紅魔館で働く事になったそうだ。わざわざ門番が知らせに来たけれど、私は頷く事しか出来なかった。

 ……あれ? 何時から咲夜は家にいなかったの?








 ■■■■

 なんで私は向日葵を咲かせ続けているのだろう。この子達には負担になるだけなのに、なんで私は?

 こうしていても、鉄生はもう、もう■■■■■■









 ■■■■

 違う。向日葵達は、咲いてなきゃいけない。

 鉄生は、この子達を褒めてくれた。

 この子達がいるから、夏だって実感出来るって。

 だから、私は咲かせ続けないと。

 鉄生が何時でも帰ってこれる様に。

 何時でも、夏に帰ってこれる様に。

 そうしないと帰ってこれない。

 目印が無いと、鉄生が迷っちゃう。

 帰ってこれる様にしないと。

 誰かに荒らされちゃ駄目。

 ずっと待ってないと。

 誰も入れずに、誰も関わらせないようにして。

 ずっと、ずっと、待ってないと。





◇◆◇◆◇◆




 11月23日(雪)

 とても綺麗な雪が、向日葵の上に降りてきた。

 広い広い向日葵畑に、まんべんなく降り注ぐ雪。覆い隠すのは明日か、まだまだ先か。今夜中にも積もってしまいそうだ。

 今日も鉄生は夕ご飯前に帰ってこなかった。何時でも待ってるから、早く帰って来て欲しいな。怒ってるんじゃないか、って、そんな心配しなくていいから。

 だから、帰ってきて?

 向日葵畑で、ずうっと待ってるから。

 誰にもここは入れさせない。鉄生だけを待つから。






 






 






◆◇◆◇◆◇




 何時の頃からか、太陽の畑には季節が無くなった。


 何時の頃からか、太陽の畑へと行く者はいなくなった。


 何時の頃からか、太陽の畑の時は止まった。




 何故なら、季節を変える為の花々が向日葵しかいないから。


 何故なら、足の先でも踏み入れようものなら殺されるから。


 何故なら、動く為の歯車が幾つも幾つも抜けてしまったから。




 彼女は今日も独り、太陽の畑で帰りを待つ。




挿絵(By みてみん)

目標、幽香ヤンデレ

てな訳でしたが、どうだったでしょうか。ちゃんとヤんでくれてますかね

作者がこういうのに疎いので違う場合は遠慮無くどーぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ