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2025年6月21日、わたしは静岡文学マルシェという本の即売会に出店者として参加した。そのため前日夜、わたしは夜行バスで京都駅から静岡駅まで向かうことになる。バスが23時59分発だったので、バスの中で来年の文学フリマ京都10に参加を申し込んだ。応募受付開始と同時に申し込んだのもあり、抽選なしで参加が決まった。さっそくその旨をXにポストし、わたしは眠りにつく。
朝の5時に目が覚め、わたしはスマートフォンを見ながら音楽を聴いていた。静岡文学マルシェが楽しみで眠れなかったと言うのが正しいかもしれない。Xの相互フォロワーさんも参加されるそうで、直接会えるのが楽しみだった。静岡駅に着いてからはマクドナルドで朝食を食べ、Xに告知ポストをしたりスマートフォンを見たりして過ごす。
出店者入場時間の30分前にわたしはマクドナルドを出て、会場近くのファミリーマートでA3ポスターを1枚印刷した。今まではA4ポスターを使っていたので、A3ポスターの迫力に驚く。それから会場であるMIRAIEリアンコミュニティホール七間町に入り、出店者証を見せてリストバンドを受け取った。リストバンドを手首につけ、ブース設営に入る。敷布をテーブルに敷き、什器を組み立て、商品を並べていく。新刊のみ什器に置いてお客さんに見えやすくし、既刊は平置きでお客さんが手に取りやすいようにするーー。これがわたしの設営スタイルだ。いつものごとく爆速で設営が完了したので、Xに設営完了とポストした。後は開幕を待つだけだ。
開場前にスタッフさんからのアナウンスがあった。注意事項やポストカードギャザリングについてお知らせがあった後、
「例えば『お子様向けの本を売ってるよ、って方いらっしゃいませんか?」とか皆さんにご協力をお願いするかと思うんですけど、その時は手を振るとか音を鳴らすとかでお知らせください」
とアナウンスがあった。わたしは子ども向けの絵本や児童文学も売っているので、子ども連れのお客様をターゲットにできるなと確信する。それからは
「お食事や休憩を取られたい場合は、運営の者が皆さんのブースでお店番しますので」
とアナウンスされ、会場にどよめきが響く。わたしは内心、「えっ、良いんですか? 運営スタッフがブースでお店番してくれるってそんなことある?」と思っていた。運営スタッフがブースでお店番をしてくれる文芸即売会なんて今まで聞いたことがなかったのだ。