第二十四章21 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト1】21/入れ替え戦8
【レイラ】対【アルフィー】の【入れ替え戦】は3時間ほど続いた。
その間、シーソーゲームの様に優勢になったり劣勢になったりを繰り返し、見ていた【芳一】や【パズル】達の目を楽しませた。
2人にとって意外だったのは、レベルの低い戦いは楽しませる事などほとんどないと思っていたが、実はそうでも無かったと言う事だ。
力の無い者は無いなりに、与えられた力に別の要素を加える事で、新たな要素となる。
それをたくさん展開させる事によって、少ない力でもバリエーション豊かなバトルになる。
例えば、物を吸い込んで出すだけの【異能】でも吸い込む物によってはバリエーション豊かな展開となる。
吸い込んだ物がガソリンだったら、それに火をおこすものとマッチングさせれば大爆発を引き起こすし、ガラスの破片だったら傷を付けるための凶器としても使用可能だ。
それに助けたい誰かを吸い込んで、別の場所で吐き出せば、人命救助にもなる。
それに助っ人を吸い込んでいれば、イレギュラーとして使う事も出来る。
食べ物を吸い込んでいれば非常食の役に立つし、サバイバル道具などを吸い込んでいれば潜伏する事も可能である。
秘密の交渉に本来、その場に来てはならない者を隠して運ぶ事も出来るし、犯罪などで密輸などもあるだろう。
この様に、何かを吸い込んで出すと言うだけの【異能】でも使う者、使う用途によっては色んな展開になる。
【芳一】と【パズル】は目新しい物や圧倒的な物に目が行きがちだが、すでにある物でも工夫次第では、色んな展開を考えたりする事も出来る。
既にあるものも捨てたものではない。
存在していない物から作るには限界がある。
時にはある物を他の運用を考えて展開させる事もまた必要な事である。
それを【レイラ】と【アルフィー】は言いたかった。
他にも、レベルが低いと思われるこのバトルから学び取れる事があれば、学べ。
答えは誰かに教えてもらってる限り、自分で見つける力は失われていくだけだ。
必要なのは、高位の【覇王/オーバーロード】が何故、レベルの低い戦いを延々と3時間も見せているのか?
それをくみ取る事である。
一見単純に見えるこのバトルの中からどれだけの物を吸収できるか?
また、自分が同じ状況ならどうするか?
どういった展開が考えられるか?
それを考える機会を与えているバトルなのである。
【芳一】と【パズル】はその意図をくみ取り、このバトルから多くの事を学び取ろうとして真剣に見ていた。
高位の【覇王/オーバーロード】達は無駄な物を見せている訳じゃない。
そこには深い意味があるはずである。
それを見つけられるかどうかは本人達次第である。
【芳一】は、【パズル】に、
「いくつ見つけた?」
と聞いた。
【パズル】は、
『私は28・・・いや29かな?
貴方は?』
と聞き返した。
【芳一】は、
「勝った・・・と言いたい所だけど残念・・・
負けた。
僕は27個だ。
まだあるって事だな」
と言った。
【パズル】は、
『そうね・・・
まだ見つかるかも知れない。
時間いっぱい探すわ』
と言った。
「負けねぇぞ」
『私もね』
と話し合った。
2人は多くの事を学び取ろうとしていた。
【芳一】は今まで自分の力で多くの物を学んできた。
誰かの事を見て学ぶと言う経験が少ないため、【パズル】よりも一歩出遅れていると言う事だった。
その後も2人は多くの事を学び取り、【入れ替え戦】は終わりを迎えた。
結果は【アルフィー】が勝利し、席次の変動は無かった。
【レイラ】の言うとおり、これは【芳一】と【パズル】に見せるための捨て試合と言う結果に終わったのだった。




