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 あっけない程だった。

 彼らはグントの入国口を揃って通過した。

 天下御免の、正にフリーパスだった。

「魔道軍って、やっぱ凄いんだなー」

 しみじみとマーシュが漏らす。

「まあ、大陸で当たる処敵無しの常勝軍隊だったからなー」

 そして受け入れ先は無条件で迎え入れる。

 当然だ。

 彼らが付けば、勝利が約束されるのだから。

 大金を積んで漸く掴んだ証文を反故にする謂れは無い。


 結局、当期生32名全員が志願していた。

 メクレルの熱弁がそれを後押しした事は言うまでもない。

「ほら、観光に来たんじゃないわよ、貴方たち」

 以外だったのは、指導教官のクレシア・アネサニスが自ら引率を買って出た事だ。

 てっきり、全力で止められると思っていたのに。

 メクレルはまだ彼女への不信が拭えない。


 騎長であるシュナイツァーが自騎に魔力を注ぎ。

 ぐったりとした倦怠感と共にそれを終え、一服付けている時だった。

「上衛士殿!」

 緊張した顔で、操縦士のウェラ・ミケリー二級曹が駆け付けてきた。

「なんだね」

 さすがに物憂げな言葉で対してしまう。

「御休息中失礼致します」

 ただならぬ気配を感じ、シュナイツァーは背を伸ばし申告を待ち受ける姿勢に。

「よい、但し手短に頼む」

 二級曹は息を呑み、続ける。

「百騎長より呼集が発せらました。シェルカッチーが遂に包囲された模様です」

 シュナイツァーは二口も吸っていない紙巻を踏み消し、無言で立ち上がった。

「了解した」

 乾いた声で、告げる。


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