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この連載作品は未完結のまま約半年以上の間、更新されていません。
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公安別室

この剣が朽ちる前に ウェンスノーセ評伝

作者:大橋博倖

 ウェンスノーセ合邦に王家などは実在しない。
 似たものは在るが、その名に権威や格式を感じ取る国民は余りに少ない。象徴としてもこの国に君臨したその在位は短く断続的に過ぎ、とうてい、自ららが戴く「王家」とは誰も認めてなどいない。
 王が治めるにウェンスノーセは抱える事情が余りに複雑に過ぎた。
 まず、貧困。
 雪勝ちな山塊の麓にへばりつく様に人々は暮らしている。なぜわざわざこの様な場所に好き好んで暮らすのか。
 そして、人種、民族。
 狭い国土は20前後の部族と10以上の人種、宗教に彩られ混淆し、誰が治めても何処かで不平が挙がる。そういうふうに出来て上がってしまっていた。
 自然、合議と遵法の風土がこの地に育まれた。
 その、王党派と議会連合、最後の決戦の戦場。
 連合軍の主軸に、大魔導、ホリッシュロートンの名を見て取る事が出来る。
 だがこれを唯一最後に、その名は歴史から姿を消す。
 険阻な国土は、人々にそれを克する力を養わせた。
 魔導の力は小国、ウェンスノーセが他国の干渉を撥ね退ける盾であり、渇望される矛でもあった。
 国内が納まって後、その魔力は請われて国外に猛威を振るった。
 だがそこにも、ホリッシュの名は無かった。
 これに興味を抱く者は時の狭間にただ絶望するしかない。
 事実は家内で、口伝でのみ継承されているのだから。
 決戦に臨み、既に初代は政治的存在と化していた。
 彼はこの時点で戦後を睨み、活発に活動していたのだ。
 遂に敵対することとなった水竜遣い、ダンスタールに向け最後の瞬間迄で懸命に念話を送っていた。
 ここで我等が潰し合いを演じて誰が喜ぶと思う。
 この小邦は近隣に刈り尽くされようぞ。魔力のみをだ。
 我が子女も質に出そう。ここはたって退いてくれ、ダンスタールよ。
 世界を焼き尽くす程の力を手にしながら、溺れず、奢らず、初代はそれを直に振るう事無く、それを担保に世界に向け精力的に働き掛け続けた。
 小国、ウェンスノーセ。それが魔の強国として世界の表舞台に躍り出たのは、初代のそうした入念な工作の結果だった。
 魔の強国、などと嘯いても、それは一握り、個の資質に依存した劣弱なものに過ぎない。
 それを。決定的な局面で、決定的な戦力として然るべく、投じる。
 「戦勝代理人」ウェンスノーセ魔導傭兵は大陸各国が大金を積みその力を要請した。
2025/01/23 19:21
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