おぎょうぎのよいエイリアン
お行儀のよいエイリアンのお話。お行儀が良くても怖いものは怖いです。
1ぴきの エイリアンが うちゅうを とんでいました。
イカみたいな すがたを しています。
「ティッシュと ハンカチ よし。タオルと よごれおとしスプレー よし」
エイリアンは たいようの えが かいてある カバンの なかを たしかめました。
「ん?」
むこうから なにか とんできます。
うちゅうせんです。
「おおっ、まってました。なかなかの おおきさだぞ。おいしそうな にんげんが たくさん のっていると いいな」
エイリアンは にこっと わらうと、うちゅうせんへと ちかづいていきました。
「ごめんください」
うちゅうせんの とびらの まえで、エイリアンは あいさつを しました。
「わたくし、エイリアンです。なまえは プレピーと いいます。おなかが すいているので、あなたちを たべようと おもいます。では おじゃまします」
とびらを すりぬけて、プレピーは うちゅうせんの なかへ はいっていきました。
「んん~、おいしそうな においが するぞ。いただきまーす」
まもなく、うちゅうせんの なかから にんげんたちの ひめいが きこえてきました。
「わーーーっ!」
「きゃーーーっ!
「たすけてーーー!」
「ぎゃあああああああああっ!」
そして―――。
「おじゃましました」
プレピーが うちゅうせんの なかから でてきました。
さっきより、おなかの あたりが ふくらんでいます。
「ふう、おいしかった。また たべたいな」
プレピーは にっこり ほほえむと、うちゅうせんの ほうを ふりかえりました。
「ごちそうさまでした」
ぺこりと おじぎをした プレピーは、うちゅうの かなたへと とんでいきましたとさ。
おしまい
だれも いなくなった うちゅうせんの なかは、まるで そうじしたてのように ぴかぴかだったということです。
読んでくれてありがとう。