ありがとう『謎肉放題』……色々と扱いにくい奴だったが、お前の事は多分忘れない。
皆様今晩は! シサマという者です。
パリ五輪、連日の猛暑、相変わらずの物価高、金利引き上げ政策、アメリカ大統領選挙にイスラエル情勢………。
日々流れる重大ニュースに押し流される形になりましたが、ジャンクフード好きにとって見逃せない現実が明らかになりました。
日清食品のオンラインストアから、『謎肉放題』がソールドアウト。
製造元からのオンラインストア抹消は、すなわち生産終了を意味します。
現在の在庫がなくなり次第、この商品は市場から姿を消す事になった訳ですね。
そもそも『謎肉』とは、日清食品の即席麺であり、カップ麺のパイオニアかつ絶対王者の『カップヌードル』の具材として、主にしょうゆ味とカレー味で絶大過ぎる存在感を発揮している食品。
とは言え100%の肉ではなく、大豆と豚肉のハイブリッド食品である事から、メーカー自身が食への責任を放棄する様な『謎肉』という命名(笑)で市民権を得ていました。
日清食品は近年でも、謎肉の数を増やしたカップヌードルや『謎肉丼』を開発。
それらの好評に気を良くしたか、あくまで期間限定で謎肉だけを販売する事になったのです。
それが『謎肉放題』!
カップヌードル約47食分の乾燥謎肉200gを詰め込み、税込み価格約700円の、無謀とも言える暴挙に出ました。
当初から期間限定販売でしたが、半年の賞味期限がある食品が発売5ヶ月弱で生産終了という事は、小売店からのリピート注文は殆どなかったのでしょう。
さて、その実績から話題先行型のニッチ食品に終わってしまいそうな『謎肉放題』ですが、日本でも珍しい『謎肉放題』を2回買った(1回リピートした)男・シサマここにあり。
恐らく2024年10月末を最後に賞味期限が切れる『謎肉放題』を、これから通販などで安く手に入れようとしているアタオカなあなた(←愛のある問題発言)に、ダイイングメッセージを贈らせていただきます!
①謎肉200gって多いの? 少ないの?
はい、多いです。
生肉200gなら成人男性が1回の焼き肉でペロリですが、大豆とミックスされて食塩や玉ねぎ風味をまぶし、ダイス型に整えられてラードで揚げた謎肉200gは、毎日の食卓に利用しても3週間くらいはもつでしょう。
従って、700円という価格だけを見て生肉との比較は出来ませんし、割高などと考えるのは笑止千万です(←ちょっと海原雄山が降臨しました)。
②『謎肉放題』、単品では美味しいの?
う〜ん、単品では美味しいとは言い難いですね。
カップヌードルに適量入っていてこそ美味しい具材なので、その強い塩気や大量に絡んでいるラードがジャンキー過ぎます。
内容量200g中103.4gが脂質であるため、そのままカリカリ食べておつまみに……という公式のおすすめは、酸化した脂を大量摂取する危険性から、まさにアタオカ。
馬鹿者どもに車を与えてはいけないという教えと、どこか似ていますね(←ちょっと海原雄山が降臨しました)。
③食材としての位置づけは?
常温保存出来て、野獣の本能をガシュガシュと満たす歯ごたえがあるタンパク源と言えます。
料理は常に、基本的概念を押さえながら行いたいものですね(←ちょっと海原雄山が降臨しました)。
④ズバリ、『謎肉放題』の美味しい食べ方は?
カップヌードルや『カレーメシ』に謎肉マシマシすれば、基本的には外しません。
それ以外の食べ方については、日清食品は不愉快かも知れませんが、まずはその塩気と脂臭さを落とす事から始めたいですね。
例えばカップ焼きそば。
ペヤングの具材にある、鶏肉という名前のドッグフード風の物体(←愛ある問題発言)や、一平ちゃんの具材にある、かけたソースの味しかしないくず肉(←愛ある問題発言)の代わりに『謎肉放題』を入れると、湯切りで塩気と脂肪が流された美味しい具材が加わる事で、一気にグレードアップします。
また、湯切りで塩気と脂肪が落ちると、豚肉よりも大豆の風味の方が上回るため、ソースよりも醤油との相性が良くなり、醤油、酢、ごま油のテイストが支配的な『カップ油そば』に入れると最高です。
低価格で元来具材が物足りない『マルちゃんごつ盛り油そば』、『日清デカうま油そば』がおすすめですね。
『謎肉放題』に於ける鉄板の利用方だと思われていた、カップ麺、即席袋麺への投入ですが、実は謎肉の塩気と脂肪が邪魔をしてしまうものも多く、『謎肉放題』を美味しく食べるには、湯切りで塩気と脂肪を落とさなければならない様です。
ここは肉親と言えど山岡士郎は私の失敗作であり、陶芸家の先生も失敗作は床に叩きつけて割らなければならないと言えるでしょう(←ちょっと海原雄山が降臨しました)。
⑤『謎肉放題』を一番美味しく食べる方法は?
スパゲティが茹で上がる3分前に鍋に投入し、市販の具材が少ないミートソースを絡めて食べる事ですね。
これはダントツです。
低価格が売りのトップバリュのミートソースは水っぽくて薄味、同じく低価格で、ダ◯ソーなどに於いて半ば妥協して買うハチ食品のケチャップっぽいミートソース。
これらが『謎肉放題』の力で劇的に美味しくなりました。
しかも湯戻しして塩気と脂肪を抜くので、沢山入れても大丈夫。
パスタ系貧乏メニューの使い手(←恥ずかしくて俺も名乗り出られないぜ)の皆さんは、在庫処分セールのワンチャンで『謎肉放題』をゲットするのもアリだと思いますよ。
……この様に、塩辛い、脂臭い、意外と用途が狭いというハンデを背負った『謎肉放題』は、真のヒット商品にはなれませんでした。
しかしながら、扱いにくい奴でも貧乏メニューの救世主たり得るポテンシャルで憎めない彼の事を、私は多分忘れないでしょう……。